日本製鉄 カナダKami 鉄鉱石鉱山の権益取得、合弁会社の設立に向けた基本合意について
1.権益取得・合弁会社設立の基本合意に至った背景と目的
(1)経営戦略上不可欠な直接還元鉄用鉄鉱石の権益確保
日本製鉄は、「高炉水素還元」「大型電炉での高級鋼製造」「水素による還元鉄製造」の3つの超革新技術の複線的開発によるカーボンニュートラルの実現を目指しています。大型電炉での高級鋼製造において、二酸化炭素排出削減と高品質な鋼材の安定生産を両立させるためには、良質なスクラップおよび直接還元鉄が必要です。
Kami 鉱山はCI社が保有し、カナダ東部に立地する鉄鉱石の露天掘り新規開発鉱区です。同鉱山から産出される鉄鉱石は、直接還元鉄の製造に適した(DR グレード)、世界的にも稀少な高品位の鉄鉱石です。また、Kami 鉱山の資源量は潤沢であり、高品位なDR グレード鉄鉱石を長期的に供給することが可能です。
今般、将来における当社の電炉操業に必要な直接還元鉄の原料確保のため、Kami 鉱山の権益を取得し、CI 社・双日と共同で開発・操業に向けたフィージビリティ・スタディを進めていくことと致しました。
(2)優良原料権益確保による連結収益の向上
日本製鉄は「中長期経営計画」において、国内製鉄事業、海外製鉄事業、原料事業、鉄グループ会社、非鉄3社の5つの事業領域による利益成長を通じて名実ともに総合力世界No.1 の鉄鋼メーカーとなることを目指しています。
日本製鉄は、今回の権益取得により、必要とする製鉄原料の安定調達に加え、Kami 鉱山の当社持分を連結することが可能となります。これにより、将来における一部高炉の電炉へのプロセス転換後も、原料権益の収益拡大を通じて、連結収益水準の向上に寄与することが期待できます。
日本製鉄は、カーボンニュートラルの実現に向けた超革新技術の他国に先駆けた開発・実機化に果敢に挑戦していますが、そのために引き続き原料~製造~流通一貫での厚みを持った事業構造の構築と、各事業領域の収益基盤の強化を通じた連結収益水準の向上に取り組んでいきます。
2.今回取得する権益・出資スキームおよびDR グレード鉄鉱石オフテイクの合意内容について
日本製鉄は2025 年6 月までを目途に、Kami General Partnership(仮称、以下、Kami GP)を設立する合弁契約をCI 社、双日と締結し、Kami 鉱山の権益の一部を取得するとともに、DR グレード鉄鉱石をKami 鉱山から長期に亘って安定調達することが可能となるオフテイク権利契約を締結致します。当該合弁契約においては、Kami GP の重要事項に関し、当社の拒否権等を定めます。
権益対価(150 百万カナダドル)は二回分割払いとし、Kami GP 設立・権益移転時に42 百万カナダドルを支払い、フィージビリティ・スタディ結果を踏まえた投資意思決定を経たのち、残額108 百万カナダドルを支払うこととします。
(今回合意した合弁会社設立の主要条件)
(Kami 鉱山の概要)
(参考1) CI 社の概要
(参考2) 双日の概要
なおCI 社プレスリリース、双日プレスリリースについては、下記の各社ウェブサイトより参照ください。
CI 社:https://newsroom.championiron.com/
双日 :https://www.sojitz.com/jp/news/#01
お問い合わせ : https://www.nipponsteel.com/contact/