センコー・旭化成ホームズ・積水化学工業・積水ハウス 住宅物流で協業 共同輸送でトラック2,160台分の運転時間削減
物流業界では、2024年4月に施行された働き方改革関連法においてトラックドライバーの時間外労働の上限規制(約2割減の960時間/年)が適用される「2024年問題」を受け、ドライバーの労働力不足へ対応しながら輸送能力の安定的な確保が求められています。また、環境省による地球温暖化対策計画は、2030年度において二酸化炭素排出量を2013年度比で35%削減の目標としています。
これらの課題に対応するため、センコーと住宅メーカー3社は「住宅物流4社協議会」を発足させ、物流効率化と脱炭素社会への貢献を目指します。4つの協業施策を実施することにより、2025年までにドライバーの運転時間を約1万7,000時間(トラック 2,160台分)削減し、輸送CO2排出量を約500t-CO2 (スギの木 約35,800本分※)削減することを目指します。
「住宅物流4社協議会」では今後も協議を重ねて、輸配送・労働・環境に関連する法律を遵守しながら、輸送能力の確保やドライバー労働時間の削減、環境貢献など、物流業界の社会課題解決に取り組んでまいります。
※ 林野庁公表データより、樹齢50年のスギの木1本が年間に取り込むCO2を約14kg-CO2として算出。
【協業施策4点】 ①物流拠点・車両の共同利用 全国に7エリア29拠点ある各社の輸送拠点を共同利用して効率的な物流体制を構築 ②部材メーカーからの購入・輸送を共同で実施 部材の共同購買・共同輸送で、積載効率を上げて輸送力を強化するとともにトラック台数を削減 ③車両大型化+各社拠点の中継輸送で配送効率向上 ダブル連結トラックと中継拠点を活用した共同輸送でドライバーの労働時間を削減 ④環境にやさしい配送で輸送CO2排出量を削減へ EV車両、リニューアブルディーゼル車両で軽油の代替燃料導入を検証 |
【施策① 物流拠点・車両の共同利用】
全国に7エリア29拠点ある各社の輸送拠点を共同利用して効率的な物流体制を構築
住宅メーカー3社がもつ7エリア29か所に点在する物流拠点とトラックを共同利用することで、繁閑差を補完しながら効率的・安定的な物流網の構築を目指します。主に主要都市部にある7エリアにおいて、拠点を共同利用することでより施工現場に近い拠点を中継拠点として、輸送拠点から施工現場までを効率的に配送することができます。また少量荷物を取り扱う拠点の統合や全社の拠点をつないで効率的な管理ができるシステムの導入も検討し、全国的な展開を進める予定です。
【全国の輸送拠点・車両を共同利用イメージ】
部材の共同購買・共同輸送で、積載効率を上げて輸送力を強化するとともにトラック台数を削減
通常、各社それぞれで車両を手配する同一メーカーからの住宅部材輸送に対し、住宅メーカー3社の荷物をまとめ車両を共同手配することで、積載効率を向上させて輸送力の強化を図るとともに、トラック台数の削減も目指します。又、共同配送を増やすために、住宅メーカー3社による共同購買も促進していきます。この協業により運転時間削減率5%、輸送CO2排出量削減率5%を見込んでいます。
【部材メーカーの共同輸送イメージ】
ダブル連結トラックと中継拠点を活用した共同輸送でドライバーの労働時間を削減
長距離の幹線輸送において10トン車2台分を1編成とした大型車両「ダブル連結トラック」を導入。2台分の貨物をドライバー1名で配送することで運転人数の半減を実現します。2024年7月に開設し今後複数エリアでオープン予定のセンコー保有の中継拠点「TSUNAGU STATION」をトレーラーの交換やドライバーの乗り替わり場所として活用し、配送効率の向上と長距離運転の抑制を図るとともに、2024年12月から順次、各社の物流拠点を結ぶ中継輸送ルートを拡張。ドライバー運転時間の約45%削減と、輸送CO2排出量の約35%削減を目指します。
【ダブル連結トラックによる共同輸送イメージ】
EV車両、リニューアブルディーゼル車両で軽油の代替燃料導入を検証
環境負荷に配慮し、軽油に代わる燃料導入の有用性を検証するため、EV車両や軽油代替燃料で走行するリニューアブルディーセル車両の導入を進めます。
既に始めている取り組みとして、2023年9月には住宅施工現場への配送に平ボディのEVトラックを導入、更に2024年10月には廃油で走行するリニューアブルディーゼル車を神奈川県厚木市に導入し、建築部材の配送を開始しております。