藤田医科大学総合アレルギーセンター(愛知県名古屋市中川区尾頭橋三丁目6番10号 センター長:矢上晶子)は、11月9日に医療従事者を対象とした「アレルギー実践セミナー」を開催しました。本セミナーは、愛知県アレルギー疾患医療連絡協議会実施事業の一環として、アレルギーに関する最新の知識と技術の習得を目的にしています。今回、参加したのは、愛知県内の医療従事者や保育士ら計30名(定員30名)。アレルギー専門家による講義と実技指導を組み合わせた実践的なセミナーを通して、それぞれの現場で役立つスキルを学びました。
セミナーでは各現場での課題が多い、「吸入指導」「スキンケア」「エピペン」をテーマにプログラムを構成。「吸入指導」では、ぜんそく治療において、症状改善や正確な診断に不可欠な吸入法について講義したほか、数ある吸入器を使ってもらい、子どもや高齢者の特性に合った指導や器具の選定がいかに重要であるかを実感してもらいました。「エピペン」では、小学校で子どもが倒れたというリアルな場面を設定しロールプレイング方式で、グループごとにエピペンを打つ・打たないを判断。打つと判断した場合の手技や手順、救急車を呼ぶなど対応の一連を実践しました。
吸入指導:参加者は5種類の吸入器を実際に使用し、吸入指導のポイントを学びました
エピペン:児童が倒れてからエピペンを打つまでの手順をロールプレイング形式で実践。
「エピペンの使用すべき状況や使用方法が理解でき、実際にやってみることが大切だと改めて思った」などの感想があがりました
スキンケア:洗浄剤の泡立て方法、ローションやクリームの正しい塗布方法を実践。
「量・塗り方を変えるだけで保湿効果が向上することを身をもって体感できた」などの声が聞かれました
スキンケアの講義を担当した総合アレルギーセンター 矢上晶子教授は「アトピーやアレルギーの症状改善には適切な治療とケアの習慣が重要です。子どもがケアに前向きになるような声掛けを親に指導するのも皆さんの役割の一つ」と熱心に呼びかけました。参加者からは「勤務する保育園でも医療的ケア児がいるが、患者さんの立場になって体験して、驚くことばかりだった。子どものケアに応用していきたい」「技術の学びが重視され、内容もすぐに実践できることばかりでとても勉強になった」など実用性の高いセミナーであったという声が多数寄せられました。
藤田医科大学総合アレルギーセンター
総合アレルギーセンターは、愛知県アレルギー疾患医療拠点病院として、総合アレルギー科、呼吸器内科、小児科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、消化器内科などの医師と看護師、薬剤師、管理栄養士、検査技師などが連携し、包括的な診療と研究に取り組んでいます。また、職業性アレルギーにも対応し、企業向けの研修などを通じて、患者さんが仕事(学業)と治療を両立できる支援体制を整備するなど、愛知県におけるアレルギー疾患対策の充実と、患者さんの生活の質(QOL)向上をめざした活動を続けています。