食事管理を賢く継続!使ってみよう腎臓病の治療用食品

  • 特定非営利活動法人 腎臓サポート協会

食品の計量や栄養計算の負担を軽減し、毎日の食事療法をサポート

NPO法人腎臓サポート協会では、会報誌『そらまめ通信』の送付やホームページ『腎臓病なんでもサイト』などを通じて、腎臓病の皆様に役立つ情報を提供しています。

今回は、『そらまめ通信』vol.76から、服薬や生活習慣改善にならぶとても大きなテーマ、食事療法に関する記事をご紹介します。聖路加国際病院 管理栄養士 中附 暢子先生より、食事療法の4つの基本と、毎回の食事をサポートする治療用食品の取り入れ方について教えていただきました。

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●CKD(慢性腎臓病)の食事療法・4つの基本
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食事制限は、それぞれの方のCKDステージや体格、運動量、肥満の有無などを考慮して、ガイドラインに沿って決められます。まず、基本をおさらいしてみましょう。

【たんぱく質制限】
たんぱく質が体内で使われた後の老廃物が腎臓に負担をかけるため制限しなくてはなりませんが、たんぱく質は体を作る大切な栄養素ですから、少ない量でも効率よく使える良質なたんぱく質を摂取するように心がけましょう。良質なたんぱく質とは、アミノ酸がバランスよく含まれている肉・魚・卵といった食品です。

【エネルギー確保】
たんぱく質制限を続けていると、エネルギーが不足しがちになり、身体のたんぱく質が分解されエネルギーとして使われてしまい、その老廃物が腎臓に負担をかけることになります。そのため食事療法を成功させるには十分なエネルギーの摂取が必要となります。ただし、肥満がある方の場合は、減量を優先するよう指導されることがあります。

【食塩摂取制限(1日3g以上~6g未満)】
腎臓の機能が落ちていると、塩分の排泄機能も低下し、高血圧やむくみなどさまざまな症状が現れ、腎臓に負担をかけます。そのためCKDの方の食塩の摂取量は1日あたり3g~6gに制限されます。これには調味料として使う塩やしょうゆ、みそなどのほかに、食品中に含まれている塩分も入ります。

【カリウム・リンの管理】
カリウムやリンは体に必要な栄養素ですが、腎臓の機能が低下すると体内に溜まりやすくなり、さまざまな悪影響や心臓発作を引き起こすなどの危険があります。そうなると、カリウムやリンのコントロールが必要になりますが、病期によって異なるため、医師や栄養士とよく相談してからおこなうようにします。。

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●食事療法をサポートする ・治療用食品
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【1】たんぱく質調整食品(特にたんぱく質調整の主食)
たんぱく質はほとんどの食品に含まれており、主食となるごはん・パン・麺類にも含まれています。タンパク質調整食品には、低タンパク質の主食やおかずなどざまざまな食品がありますが、特にお勧めしたいのは低タンパク質の主食です。たとえば毎食ごはんを180g食べると、含まれるタンパク質は約4.5gで、1日3食で約13.5gになります。これをたんぱく質を5分の1に調整したごはんを利用することで、約10gのたんぱく質を減らすことができますから、その分で良質なたんぱく質のおかずを追加することができます。しかもカロリーはほぼ同じなので、エネルギー不足になる心配もありません。

たんぱく質調整のごはんには、たんぱく質調整米とでんぷん米があります。たんぱく質調整米は米を酵素液などに浸して作り、でんぷん米はでんぷんを米の形に成形して作ります。たんぱく質調整米の方がやや扱いやすいですが、でんぷん米は血糖が上がりにくく、たんぱく質の量も少ないという特徴があります。たんぱく質の量が少ない方が効果的ですが、やはり長く続けるものですから、食べやすさも重要です。どちらも普通の米とは違う風味を感じることがありますので、そのままでは食べにくいといった場合には、チャーハンやライスサラダなどといった味付けごはんにすると食べやすくなります。
麺類やパンもありますし、塩分やカリウム・リンを調整した食品もあります。種類も豊富で新しい食品も登場していますので、いろいろと食べ比べてみてください。

【2】塩分調整食品
塩分調整食品の代表は減塩調味料ですが、お惣菜などもあります。CKD用ではなく高血圧の方向けの減塩食品はスーパーなどで手軽に購入できますが、なかにはナトリウムを減らするために塩化カリウムを使用している商品があります。CKDの方はカリウムを制限しなくてはなりませんから、決して使わないようしてください。商品をみてもわからない時は医師や栄養士などに聞くか、製造元に問い合わせて、必ず確認しましょう。

また塩分調整食品だからとたくさん使えば減塩にはなりません。計量スプーンやカップなどで量る習慣をつけることをお勧めします。味が物足りなく感じるときは、だしや香辛料、酢などを上手に使って味に変化をつけてみましょう。

【3】エネルギー補給食品
エネルギーを補給するための食品には、甘さが感じにくくなっていてたくさん使える特殊な砂糖や、吸収が素早い脂肪などがあり、おかずや飲み物などに添加して使います。すぐに食べられる菓子類や飲み物などもありますから、「カロリー不足かな」というときに使ってみてください。

【4】低カリウム・低リン食品
カリウムやリンを調整した食品もたくさんありますが、いろいろありますので、きちんと確認してから使うようにしましょう。また、最近ではカリウムの含有量を少なく育てた野菜なども手に入るようになりました。
カリウムはたんぱく制限をおこなうことが重要ですが、水に溶けださせるなど調理の工夫で減らすことができます。またリンはたんぱく質の多い食品に含まれているため、たんぱく質制限をすることで減らすことができます。


食事療法を継続するためには、食品を計量したり、栄養の計算をおこなったり、努力が必要ですが、治療用食品や宅配食などを利用すると、食事管理がしやすくなります。治療用食品は、病院の売店や薬局で購入できることもありますが、扱っていない場合は発売元などの業者から配送してもらうようにします。わからない場合は管理栄養士に相談してみましょう。

■全文はこちらからご覧ください
http://www.kidneydirections.ne.jp/support/soramame/school/no76.html
※この記事は、会報誌『そらまめ通信 Vol.76 腎臓教室』からの抜粋です。

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【本件に関するお問い合わせ先】
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