2024年7月22日、ゲイドン(英国):
英国のウルトラ・ラグジュアリー・スポーツカー・ブランドであるアストンマーティンが、Heart of Racingと共に1959年以来の総合優勝を狙って挑む来年のル・マン24時間レースに向けた包括的なテストプログラムを開始し、新型アストンマーティンValkyrie AMR-LMHが初めてサーキットを走行。
今週、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとワークスチームのHeart of Racingが開発した新型ハイパーカーValkyrie AMR-LMHは英国でシェイクダウンと初期評価試験を終えました。アストンマーティンのハイパフォーマンス・デベロップメント・ドライバーであるダレン・ターナー(英国)とHeart of Racingのマリオ・ファーンバッハー(ドイツ)、2020年にアストンマーティンでル・マン24時間レースLMGTEクラス優勝を果たしたハリー・ティンクネル(英国)がドライバーを務めました。
今後アストンマーティンはHeart of Racingと共に、今秋のFIAホモロゲーション取得と2025年初頭の競技デビューに向けて一連の本格的なテスト走行日程を進めていきます。アストンマーティンValkyrie AMR-LMHは、ハイパーカー・レギュレーションに則って製造されたレーシングカーとしては初めて、FIA世界耐久選手権および北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方に出場します。
アストンマーティンValkyrie AMR-LMHは、世界耐久レースのトップカテゴリであるハイパーカー・クラスの中で、現行で市販されている究極のハイパーカーValkyrieにルーツを持つマシンとして異彩を放っています。ワークスチームであるHeart of Racingは、2025年はWECにValkyrie AMR-LMHを2台、IMSAには1台を投入します。
アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーターは、次のように述べています。「Valkyrie AMR-LMHは生粋の耐久レース車両として、独自の基準を自らに課しています。純粋な、最先端のレーシングマシンです。まだテストサイクルのほんの初期段階ですが、これまでのところ我々が設定した目標・基準をクリアできており、満足しています」
Valkyrie AMR-LMHはレース用に最適化したカーボンファイバー製のシャシーを用い、標準仕様で最高回転数11,000rpm、最高出力は1,000bhpを超える驚異的なコスワース製自然吸気6.5リッターV12エンジンのリーンバーン版を搭載しています。パワーユニットは、トップレベルで長距離を戦う過酷な条件にも耐え得る、ハイパーカー・クラスのパフォーマンスウィンドウに合わせて強化、調整しています。
Heart of Racingは先日、シルバーストンを拠点とするアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズの協力の下、レーシングカー製造拠点の近くに、WECプログラムの英国チーム本部を設立しました。チームはValkyrie AMR-LMHの開発とテストのプログラムを監督し、性能評価が優先されるようになる夏には、英国からヨーロッパ本土のサーキットへと場所を移す予定です。
Heart of Racing のチーム代表を務めるイアン・ジェームズは次のように述べています。「Valkyrie AMR-LMHの最初の走行は、プログラムにおいて最高に誇らしい瞬間でした。数年前から動いているプロジェクトだったので、レーストラックに実物を持ち込んでそれが周回しているさまを目にするのは、Heart of Racingにとって極めて感慨深いものがあります。今後の日程はプロジェクト関係者全員にとって険しい道のりとなりますが、楽しみでもあります。スポーツカーレースの頂点の舞台にあって、ライバルは手強く、経験豊富です。中には無限のリソースを持つ相手もいます。最高峰に君臨する面々に挑戦するわけですから、アストンマーティンを代表して同じレベルで戦いたいと考えています。これまでの結果と、この車を生み出したDNAを考えると、成功の要素はそろっていると確信しています」
アストンマーティンとHeart of Racingは、米国を中心に開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスにもValkyrie AMR-LMHの投入を計画しています。IMSAへの出場は、北米にあるHeart of Racingのフェニックス本部を拠点に行われます。
今回のハイパーカー・クラス出場で、アストンマーティンは耐久レースにおいてジェントルマンレーサーから同競技の頂点に至るまで、すべての種目に参戦することになります。実際、2025年からは、スポーツカーおよびGTレースの全レベル(ハイパーカーからGT4まで)とFIAフォーミュラ1®世界選手権すべての出場を果たす、唯一のメーカーとなります。
アストンマーティンはル・マンでは過去95年間にわたり、つまり第一回大会を開催してから実質その時代をずっと共にし、240人を超えるドライバーが27のシャシーとエンジンの組み合わせでレースを戦ってきました。アストンマーティンにこれほどまでの成功をもたらし、アストンマーティンのDNAがまさに競争の本質から生み出されてきたものであることを揺るぎなく証明した舞台は、ル・マンをおいて他にありません。
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アストンマーティン・ラゴンダについて
アストンマーティンは、世界でもっとも熱望されるウルトラ・ラグジュアリー・ブリティッシュ・ブランドとなることを目指し、人々を魅了してやまないハイパフォーマンス・カーを作っています。
ライオネル・マーティンとロバート・バンフォードによって1913年に設立されたアストンマーティンは、スタイル、ラグジュアリー、パフォーマンス、エクスクルーシブネスを象徴するグローバル・ブランドとして知られています。アストンマーティンは、最先端のテクノロジー、卓越したクラフトマンシップ、美しいスタイルを融合させ、Vantage、DB12、DBS、DBXに加え、同社初のハイパーカーであるValkyrieなど、高い評価を得ている一連のラグジュアリー・モデルを生み出しています。また、Racing. Green.サスティナビリティ戦略に沿って、アストンマーティンは2025年から2030年にかけて、PHEVとBEVを含むブレンドドライブトレインアプローチによる内燃エンジンの代替システムの開発にも取り組んでおり、電気自動車のスポーツカーとSUVのラインナップを持つという明確なプランを描いています。
英国のゲイドンを拠点とするアストンマーティン・ラゴンダは、ラグジュアリー・カーを設計、製造、輸出し、世界で50以上もの国で販売しています。スポーツカー・ラインナップはゲイドンで製造されており、ラグジュアリーSUVのDBXは、ウェールズのセント・アサンで製造されています。同社は、2030年までに製造施設をネットゼロにする目標を掲げています。
ラゴンダは1899年に設立され、1947年にアストンマーティンとともに故デビッド・ブラウン卿に買収され、現在は「Aston Martin Lagonda Global Holdings plc」としてロンドン証券取引所に上場しています。
2020年には、ローレンス・ストロールが同社のエグゼクティブ・チェアマンに就任し、未来の重要な分野に対して新たな投資を行うと同時に、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1®チームとともにモータースポーツの頂点へと復帰し、英国を象徴するブランドとして新たな時代へと乗り出しています。