2. 実証実験の概要
(1)特徴と期待される効果
芸術鑑賞が人々の精神的幸福と密接に関連していることは既に広く認識されており、この分野の研究において、芸術作品が観察者にもたらす深い感情体験や創造性、想像力の刺激についての重要性が強調されています。特に、トリエンナーレのような大規模な芸術イベントは、その多様な文化的表現を通じて観察者に新しい視点や強い感情反応を提供する可能性があると考えられますが、このような大規模な芸術イベントの効果に特化した研究はこれまでありません。 今回の実証実験により、横浜トリエンナーレが人々の精神的幸福にどのように関わるかが明らかになります。
(2)手法
・ 本実証実験は、事前登録の上、横浜トリエンナーレに来場される方を対象にスマートウォッチ
Garmin(ガーミン)と鑑賞記録シートにより行います。
・ 実験参加者の鑑賞前後の心の状況を、装着するだけで心拍数などの健康情報データが取得できる
Garminによって把握、鑑賞シートに作品を見た時間を記録していただきます。記録していただいた
鑑賞シートとGarminで取得した心拍データをもとにメンタルの状況変化を把握し、「アート鑑賞が
心にもたらす効果(または個々の作品の効果)」を分析します。
・ 具体的には、鑑賞前後に取得した心拍データとアンケート、鑑賞記録シートの内容を比較することで
展覧会鑑賞や個々の作品鑑賞による心理的効果を可視化します。
※1Minds1020Lab(マインス゛テントゥエンティラホ゛)について
Minds1020Labが取り組む「メタケアシティ」の構築は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が公募する令和4年度「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」共創分野本格型に採択されたプロジェクトの1つ。
若者の生きづらさを解消し高いウェルビーイングを実現するメタケアシティ共創拠点を構築するプロジ
ェクトの拠点で、メタバースを活用した若者のこころの支援に向けた開発を産学官共創により進めている。
Webサイト
https://minds1020lab.yokohama/
※2横浜トリエンナーレについて
横浜トリエンナーレは、2001年の第1回展から20年以上に渡り実施している日本を代表する現代アー
トの国際展です。第8回展は、総勢94組(2月29日現在)の様々な国・地域のアーティストが参加します。
会期:2024年3月15日(金)–6月9日(日)
開場日数:78日間