「ナナイロシティ」展示空間イメージ
2023年11月22日(水)、日本科学未来館(略称:未来館、館長:浅川智恵子)に4つの新たな常設展示が誕生しました。2016年の大規模改修以来、7年ぶりのリニューアルとなります。
新しい常設展示のテーマは「ロボット」「地球環境」「老い」。3テーマそれぞれ、さまざまな社会の課題との向き合い方や解決に向けたヒントを、最新の科学や技術にもとづく展示体験を通して探っていきます。
乃村工藝社は「ロボット」の2つの展示空間と「老い」エリアの設計ならびに制作・展示施工を担当しました。
「ロボット」の新展示は、これからますますロボットが暮らしに溶け込む未来を見据え、その関わり方を考えます。1つ目の展示は、「ハロー! ロボット」。コミュニケーションロボットなどとのふれあいや、最新のロボット研究の紹介を通して多様なロボット技術を知り、その可能性を体感できます。2つ目は、人とロボットがともに暮らす未来のまちで起こる物語に参加する展示「ナナイロクエスト -ロボットと生きる未来のものがたり」。専用タブレットを使ってまちで起こったトラブルを解決するなかで、人とロボットとのさまざまな関係性に向き合います。最後には来館者同士が多様な価値観を共有し、考えを深めます。
「老い」をテーマした新展示は「老いパーク」。6つの体験展示を通して、老化により生じる目、耳、運動器、脳の変化を疑似的に体験します。老化現象が起こるメカニズムや現在一般的に取りうる対処法、近い将来身近になるかもしれない研究開発中のサポート技術などを紹介しながら、一人ひとりにとっての豊かな老いとの付き合い方や生き方のヒントをともに考えます。
■乃村工藝社担当エリア
「ハロー! ロボット」
ロボットたちとのふれあいや、最新ロボティクス研究の紹介を通して、未来の多様なロボットとのくらしを想像し、新しい可能性を見つけることができる展示です。
人とのコミュニケーションやセラピーを目的に開発されたロボットエリアでは、ロボットに触れたり、声をかけたりしながら、インタラクションを楽しむことができます。最新ロボティクス研究の紹介では、常に最新の研究や注目のロボットを展示します。「こんなロボットもあるんだ!」と、来館者がそれまで持っていたロボットのイメージが変わるような研究を、実物を通して幅広く紹介します。
「ナナイロクエスト -ロボットと生きる未来のものがたり」
ロボット技術は今後さらに発展し、ますます私たちの身近なところで使われていくでしょう。一人ひとりが幸せな暮らしを実現するためには、ロボットとどのように関わっていけばよいのでしょうか。
この展示では、人とロボットがともに暮らす未来のまち「ナナイロシティ」で起こったトラブルを解決するために、専用タブレットを使って展示空間を探索していきます。住人との会話や、まちで活躍するロボットの情報などを手がかりに、人とロボットとのさまざまな付き合い方に触れていきます。最後にたどり着くのは、感想やアイデアなどを自由に投稿するエリア。自分の考えを残すとともに、他の来館者が残した多様な価値観に触れることで、新たな気づきが得られるかもしれません。
「老いパーク」
超高齢社会を迎えるなか、私たちはどのように「老い」と付き合っていけばよいのでしょうか。豊かで自分らしい生き方・老い方を模索し、それを実現するために科学技術はどう活用できるのでしょうか。
この展示ではまず、多くの方が自覚しやすい目、耳、運動器、脳の4つの老化現象を疑似体験することで誰にでも訪れる老いを体感します。現在わかっている老いのメカニズムや老化の対処法、ロボティクスなどを用いた研究開発中のサポート技術など、科学技術の側面から老いとの付き合い方の選択肢を紹介します。すでに「老い」と向き合う方々の人生の捉え方などを知ることで、各自にとっての豊かな老いとの付き合い方や生き方のヒントをともに探ります。
乃村工藝社について
乃村⼯藝社は、商業施設、ホテル、企業PR施設、ワークプレイス、博覧会、博物館などの企画、デザイン、設計、施⼯から運営管理までを⼿掛ける空間の総合プロデュース企業です。グループ全体では、全国9拠点・海外8拠点、国内外6つのグループ会社で事業展開しています。1892年(明治25年)から培ってきた総合⼒を活かし、フィジカルとバーチャルを融合させた空間価値の提供で、⼈びとに「歓びと感動」をお届けしています。近年は、持続可能な社会を実現するため、事業活動を通して幸せなインパクトを生み出す「ソーシャルグッド活動」を推進しています。