中長期的な企業価値向上のドライバーと開示を含め、戦略策定・ファイナンス・サステナビリティ・ガバナンス・IRまでの総合的なサービスを助言・提供
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:木村研一、以下「デロイト トーマツ」)は、日本企業が資本コスト(株主・投資家の期待利回り)や株価を意識し、中長期的な企業価値向上に向けた自律的な取り組みを行うために、5領域(戦略策定、ファイナンス、サステナビリティ、ガバナンス、IR)の専門家横断チームを立ち上げました。
(背景)
東証が2023年3月に発表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」では、上場企業の半数以上がPBR(株価純資産倍率)1倍割れ、ROE(自己資本利益率)8%以下の厳しい状況を踏まえ、抜本的な意識改革と経営方針の見直しを求めています。また、その対応時期については、「計画策定・開示の前提として十分な現状分析や検討」が肝要であることから、開示について具体的な開始時期の定めはないものの、「できる限り速やかな対応をお願いいたします」とされています。
このように上場企業に資本コスト経営への意識や対応が求められていく中で、デロイト トーマツでは企業価値向上のためにどのようなアプローチが取り得るのかを解説する配信型ウェビナー
※1を開始したところ、その申込みが600社(1000名)に上り、本テーマに関する高い関心がうかがえました。その一方で、現時点においては、本ウェビナー視聴者へのアンケート調査で、「すべて対応済み」の回答が8%に過ぎず、54%は「対応未了」という結果が出ており、対応に苦慮している様子が見られました。(7/18付け速報値、回答数:235)
※1 Webinar 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(2023/6/30配信開始)
https://tohmatsu.smartseminar.jp/public/seminar/view/39518
企業価値が複合的な要因
※2で形成されることから、その向上に向けた企業の取り組み領域が幅広く、また1つの部署で完結するものでもないことが、対応の難しさにつながっていると考えられます。CEO(Chief Executive Officer)、CFO(Chief Financial Officer)、CSO(Chief Strategy Officer)が中心となって、経営企画、財務、経理、サステナビリティ、ガバナンス、IRなどの各部署を巻き込み、全社プロジェクトとして取り組むことが肝要です。
※2 企業価値は足元の収益性のみならず、将来の成長性、事業や財務等のリスク等に加え、将来計画の実効性を担保するガバナンス、対話・コミュニケーションを通じた株主・投資家からの信任の獲得等複合的な要因で形成されます。
(専門家横断チームについて)
このたびの専門家横断チームは、戦略策定(デジタル専門家・新規事業開発含む)、ファイナンス(経営管理、投資実行・管理含む)、サステナビリティ(環境経営、人的資本経営含む)、ガバナンス(リスクマネジメント・サイバー含む)、IRの5領域、約60名で構成されます。これにより企業の個別課題に応じて専門家を配置可能となることに加え、企業価値向上にむけて専門的な知見を結集した総合的なソリューションの提案が可能となります。また、各部門の垣根を超えた全社横断でのプロジェクト設計・PMO(Project Management Office)機能を強力にサポートし、企業のプロジェクト推進を支援していきます。
デロイト トーマツは企業価値を向上させるドライバーを「稼ぐ力の訴求」「財務レバレッジの適正化」「成長期待の醸成」「ガバナンス強化」に分解しており、「わかり易い開示(IR/SR戦略含む)」を加えた5つの領域を、それぞれの専門家が担当します(図参照)。各ドライバーについて現状分析・課題仮説立案を行ったうえで、各社の状況に合わせて以下のようなソリューションを助言し、総合的なサービスを提供していきます。
【各ドライバーのアドバイザリーサービス例】
<稼ぐ力の訴求>
・事業構造改革(グループ経営変革、事業ポートフォリオ変革、コスト構造改革、事業再生等)
・デジタル戦略の見直し
・インオーガニックグロース施策(M&A、アクセラレータプログラム、ベンチャー投資、CVC等)
<財務レバレッジの適正化>
・資本コストを踏まえた財務戦略・資本政策の策定
・キャッシュフロー戦略(キャッシュアロケーション)の見直し
・株主還元策(自社株買い、配当政策)の策定
・事業ポートフォリオマネジメント高度化(資源配分ルール設定等)
・投資マネジメント高度化
・ROE・ROIC経営導入
<成長期待の醸成>
・価値創造ストーリーの立案
・中長期経営戦略策定(次期中核事業の探索とスケール化等)
・ESG/サステナビリティ経営
・人的資本経営
<ガバナンス強化>
・グループガバナンス体制構築
・グループ経営管理高度化
・事業リスクマネジメント高度化
・コーポレートガバナンスの高度化(株価や資本コストを意識した指名・報酬体系の見直し)
<IR>
・統合報告書の企画制作立案
・実質株主構成を踏まえたIR活動の見直し
・開示書類の英文化
・DJSI、CDP等のESG評価の向上
・非財務情報の株価インパクト分析
・社会・環境価値のインパクト評価