Mendix、2023年の5大DXトレンドとローコードを予測

~Mendixの17年間にわたる専門知識と、何千ものお客様のビジネス変革を支援してきた実績を集約しマニュアル化したe-book(日本語版)も公開~

※本リリースは、Mendix, a Siemens businessが2022年12月19日(現地時間)に公式HPで公開した、Mendixの戦略担当シニアバイスプレジデント、Gordon Van Huizenの提言を翻訳したものです。原文は https://www.mendix.com/blog/digital-transformation-trends-for-growth/ をご参照ください。

景気後退、寸断されたグローバル・サプライチェーン、コロナ禍、不動産バブルの崩壊、石油不足、ネットビジネスの凋落など、どの時代にもさまざまな変化は訪れ、組織はその危機に直面します。

組織は生き物であり、進化することができます。
2023年に向けて、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の担当者は、変化に対応できる組織になることを念頭に目標と対策を考えるとよいでしょう。DXは、市場の課題を乗り越え、機会を逃さないために組織を整え、必要なテクノロジーの導入を進めることから始まります。

以下は、Mendixが予測した2023年のDXに向けて特に注目すべき5つのトレンドです。

1. コンポーザビリティ(構成力)
現代のビジネスで求められるコンポーザビリティとは、適応力と即応性を高めるために、テクノロジーを使ってビジネスのアーキテクチャーを組み上げていく能力のことです。適応力とは、変化させることが難しかったビジネスの側面を見直し、作り直す力のことです。変化には抵抗がつきものですが、それはレガシーなシステムやプロセスが、修正に耐えられないか、修正の余地が無いほど融通が利かないかのどちらかでしょう。柔軟性の高いソリューションやソフトウェア・ビルディングブロック(パッケージ化されたビジネス機能(PBC))を活用して適応性と汎用性に優れたシステムを再構築する動きは、企業間で加速しています。

PBCを活用してビルディングブロックのライブラリを作れば、カスタマイズや機能拡張が容易なシステムを組み上げ、より高度なデジタルエクスペリエンスの提供が可能になり、出来上がったシステムの機能制約に縛られることもなくなります。このような適応力を備えれば、企業は市場の変化や混乱、ビジネスチャンスに素早く対応できるようになります。実際、米国の調査会社Gartner社は、コンポーザブル(構成力の高い)アプローチを採用した組織は、システムに新機能を追加するスピードの面で競合他社に80%の差をつけていると報告しています。

■有力企業の60%がコンポーザブル・エンタープライズになることを戦略目標としている
2023年、コンポーザビリティはDXを成功に導くうえで、常に念頭に置くべき要素になりそうです。Gartnerは、「Innovation Insight for Composable Modularity of Packaged Business Capabilities」レポートの中で、2023年には有力企業の60%が戦略目標としてコンポーザブル・エンタープライズとなることを掲げ、PBCの活用をさらに広げると予測しています。


※関連ブログ:"How Upgrading Legacy Systems Helps You Compete in the Cloud Age" https://www.mendix.com/blog/upgrading-legacy-systems/

2. フュージョンチームの設置
DXの妨げとなるのは、レガシーシステムや属人型プロセスだけではありません。
今年なすべきDXの障害となりうる要因には、システム要件をどのように作成し、どのようにソフトウェアに取り込んでいくか、その進め方自体にもあるかもしれません。業務部門がシステム対応を要求し、IT部門がそれを要求リストに加え、そのリスト上で優先順を決めるというやり方は、ビジネスに適応力と即応力を求めようとする組織にはそぐわないでしょう。

「フュージョンチーム」は、2023年型のDXに必須ともいうべき重要な組織です。フュージョンチームは、古いスタイルの企業でよくみられる「IT部門とそれ以外」を分ける考え方の対極にある形体です。フュージョンチームは、システム開発と導入を行う組織であり、テクノロジーの知識を持つ業務分野のエキスパートとシステム開発のプロからなる混成チームです。


■フュージョンチーム設置の動きは、すでに始まっている
Gartnerは「Fusion Teams: Democratized and Distributed Technology Delivery for Digital」レポートの中で、「CIOの戦略を広く浸透させるためには、IT部門がそれ以外の人々にデジタル機能を使用、構築できるよう知識と力を与えることが必要だ」と述べています。 同時に、すでに2021年の時点でIT部門のスタッフとビジネス・テクノロジストのコラボレーションが多く見られていたことを報告しています。
※出典:https://www.gartner.com/en/doc/fusion-teams-democratized-and-distributed-technology-delivery-for-digital

関連ブログ "2 Main Reasons Why Digital Transformations Fail" https://www.mendix.com/blog/why-do-digital-transformations-fail/

3. 社内マーケットプレイス
さまざまなPBCを使ってソリューションの組み立てをしやすくするには、PBCのライブラリを設けることが合理的です。2023年には、多くの企業で社内マーケットプレイスを設ける動きがみられるでしょう。フュージョンチームは、そこから適切なコンポーネントを集め、ソリューションを構築すべきです。

社内マーケットプレイスに置かれるコンポーネントには、あらかじめ品質やセキュリティの確認が必要です。そうすることで、フュージョンチームはソリューションの構成と拡張に集中できます。ソリューションのテストを一部でも省略できれば、それだけ早く開発が進み、フュージョンチームは市場の変化に適応したソリューションを素早く展開できるようになります。

4.オーガニックなガバナンス
ソフトウェアを構築する方法の変化に合わせて、その構築手順やソリューションの管理方法そのものも変えなくてはなりません。過去のガバナンスモデルは、管理されていたシステムと同様に融通が利かず、脆く、変化に弱いものでした。PBCの活用で構築されたソリューションやそれを構築したフュージョンチームには、どんな状況からでもリスクを回避して推進できるような「誘導路」となるガバナンスモデルが必要です。

Gartnerのインフォグラフィックは、それをうまくシナリオにまとめています。
企業では、ソリューションをカスタマイズしたり構築したりできるビジネス・テクノロジストというデジタルに精通した社員がIT部門の外にいることがよくあり、ビジネス・テクノロジストは全社員の内28~55%を占めるといわれています。企業はこの体制をうまく活用するべきです。

そのようなビジネス・テクノロジストを活用できていない企業には、まずガバナンスモデルを作り直すことを勧めます。DevOpsに関連するすべてのチェックポイントを押さえつつ、各チームに必要な支援を提供できるモデルを検討してください。マーケティング部門のフュージョンチームのニーズは、財務部門のニーズとはまったく異なりますが、どちらもソリューションの適用にあたっては、決められたルールに従う必要があります。

変化への対応力を備えることは、問題の解決方法が1つではないことを認識することでもあります。それは、誰もが好きなものを好きなように作っていい、ということではありません。Forrester社は、2020年のMendix World 2020の講演で、組織がビジネス目標のサポートのために開発チームを構成、管理するときのさまざまなモデルについて説明しました。紹介されたどのモデルでも、IT部門は開発プラットフォームの設定と導入、適用に関する基本ルール構築の両方に深く関わるものとされていました。

※関連ブログ:"Your Guide to Better IT Governance" https://www.mendix.com/blog/your-guide-to-better-it-governance/

5. コラボレーションはコミュニティ
コラボレーションという発想自体は新しいものではありません。ではなぜ、これがDXのトレンドの一つに挙げたのでしょう。それは、企業がコンポーザビリティ、フュージョンチーム、社内マーケットプレイス、ガバナンスのすべてを実現させるには、コラボレーションの新たな形と、それを育てる必要があるからです。

生産性向上ツールやコラボレーションツールによってコミュニケーションの機会は増えています。ソフトウェア開発やテクノロジー活用の場でも、コミュニティ形体での活動はより重要になってきています。特定の分野への関心や同じツールの活用という共通点の基に人々が集まり、プロジェクト情報、業務上のヒント、トラブルシューティング等の話題を共有する目的で、コミュニティポータルが利用されています。

Siemens社でもこうした動きがみられます。そこでは、「Innoverse」というMendixのアプリケーションが利用されています。「Innoverse」は、Siemensが「Citizen:市民」と呼ぶツールユーザーが、高度なアナリティクス、自動化(UiPath、Blue Prism、KNIME、Alteryxなど)、ローコード、可視化などのツール活用のユースケースに関する情報交換をする場になっています。注目すべきなのは、ツールの用途や活用の推進についてツールベンダーが一切関与せず、すべて自然発生的に広がっていることです。Siemensは、共通の話題を持つ者をコミュニティメンバーとして募り、情報を交換し、共有する手段を提供しただけです。その結果、業務部門が主導する形で数百件のプロジェクトについて、特定のツールを使ったコミュニティが立ち上げられました。

※関連ブログ "Digital Maturity: Taking Your Digital Transformation Next Steps" https://www.mendix.com/blog/digital-transformation-trends-for-growth/

2023年以降のデジタルトランスフォーメーション
この2年間で私たちは、企業が成功し生き残るには適応力が必要であり、変化への備えが重要であることを学びました。どんなテクノロジーを使い、何を構築し、どうやって導入していくのか、より注意深く考えなくてはなりません。

まず私たちは、企業を、呼吸しつづける生き物として考えるべきです。そして2023年、デジタルトランスフォーメーションは、その自然な進化と成長をサポートする活動として進めるのが良いでしょう。

Mendixでは、企業のDX戦略推進にあたり、人材、プロセス、アプリケーション・ポートフォリオ、テクノロジーなど組織のあらゆる要素をどのように一体的に活用すれば目標達成できるのか、17年間にわたるMendixの専門知識と、何千ものお客様のビジネス変革を支援してきた実績を集約、マニュアル化したe-book(PDF:日本語版)を発行しました。

以下ULRよりダウンロードしてご利用ください。
https://www.mendix.com/ja/resources/digital-execution-manual/

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Mendixについて
デジタルファーストの世界では、顧客ニーズは予測され、ツールは業務効率を大きく高め、エンタープライズはデジタルトランスフォーメーション実行しないと生き残れないと信じられています。 そんな世界に向かうエンタープライズにとって、シーメンスの事業部門、Mendixは、改革を進めるエンジンになろうとしています。その先進のローコードプラットフォームと幅広いエコシステムは、最先端のテクノロジーを相互に結び付け、エンゲージメントの向上、業務の合理化、ITの効率化を実現するソリューションをサポートします。Mendixは、抽象化、自動化、クラウド、コラボレーションの4つの柱で、開発者の生産性を劇的に向上させます。Mendixのコラボレーション機能と直感的なビジュアルインターフェイスは、技術者ではない「市民」が開発者となって、それぞれの得意領域の知識からアプリケーションを作成できるようにします。Mendixのプラットフォームは、クラウドネイティブであり、オープンで拡張性が高く、アジャイルで実績も豊富です。アナリストからもリーダーとして、また時代を先取りするビジョナリーとして評価されています。人工知能、拡張現実、インテリジェントオートメーション、ネイティブモバイルなどを支える、Mendixはデジタルファースト・エンタープライズのバックボーンです。Mendixエンタープライズ・ローコードプラットフォームは、46か国の4,000以上の先進企業に採用されています。
本件に関するお問合わせ先
シーメンス株式会社シニアマーケティングマネージャー 東田
Email: dis_jpmarketing@mendix.com

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この企業の情報

組織名
Mendix
ホームページ
https://www.mendix.com/ja/
代表者
レイモンド コック
資本金
0 万円
上場
非上場
所在地
〒151-8583 東京都渋谷区代々木小田急サザンタワー9F
連絡先
03-5354-6700

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