PwC、グローバル投資家意識調査2022を発表

2022年12月8日
PwC Japanグループ


PwC、グローバル投資家意識調査2022を発表
~投資家は、信頼できる情報が不足している中でも気候変動対策を
企業の取り組むべき優先事項と認識~
  • 投資家の 44% が気候変動問題への取り組みは企業の優先事項のTOP 5 に入ると回答
  • 投資家の 78% は、企業報告でグリーンウォッシングが蔓延していると回答
  • 気候変動問題へのフォーカスは投資家にとってビジネス上の課題であり、3 分の 2 近くが投資収益の増加を重要な動機と回答
※2022年12月6日付けのPwC発表資料の翻訳です。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

PwC の「グローバル投資家意識調査2022」は、投資家が限られた情報で複数の優先事項をやりくりしている実態が明らかになりました。

本調査では、投資家は今後 12 カ月間にビジネスが直面する最大の脅威としてインフレ(67%) とマクロ経済のボラティリティ(62%) を挙げつつも、経営陣が引き続き気候変動問題にフォーカスすることを望んでいることが明らかになりました。調査対象の投資家コミュニティのほぼ半数(44%)が、気候変動問題への取り組みはビジネス上の優先事項のTOP 5 に入ると考えています。これは、労働者の健康と安全の保護(27%)や労働力の多様性と包括性の向上(25%)などの社会的 なESGに関する課題よりも高くなっています。ビジネスにおける最優先事項はイノベーション(83%)で、収益性の最大化(69%)が続きます。

信頼に関する課題
しかし、投資家は困難な情報環境に対処しており、企業のサステナビリティ報告に対する信頼は低下しています。投資家は、企業の報告書には、企業の持続可能性に関する実績について根拠のない主張が含まれていると考えており、回答者の78%は、「根拠のない主張」が中規模、大規模、または非常に大規模に存在しているとし、「根拠のない主張」が一定程度存在するとの回答と併せると 87% に達しました。一方、企業の報告書に持続可能性に関する根拠のない主張が含まれていないとの回答はわずか 2% でした。

また、ESG格付け機関からの情報は信頼のギャップを埋めるには至っておらず、それらの情報をかなり、または非常に多く使用していると回答した投資家は、調査対象のわずか22%に留まりました。

PwCのグローバル レポーティング リーダーのNadja Picardは、次のように述べています。

「投資家の 10人に 8人近くが、企業のサステナビリティ報告にグリーンウォッシングがあるのではないかと懸念していると回答している状況において、企業と規制当局は注意を払わなければなりません。持続可能性に関する情報が、投資家や他のステークホルダーの意思決定にとってますます重要になるにつれ、信頼の欠如が問題になっています。企業はデータ、システム、ガバナンスを改善する必要があり、規制当局はグローバルに連携した相互運用可能な報告と保証の基準の構築に向けて行動する必要があります。」

気候変動問題へのフォーカスはビジネス上の優先事項
投資家は、気候変動問題への取り組みはビジネスにとって強みになると考えています。調査対象の64%は投資収益の増大を目的としてESG投資にフォーカスしていると回答し、68%は「投資収益を守ること」が動機であると回答しています。また、圧倒的多数の82%が、ESG投資へのフォーカスはクライアントからの要求に応えるためと回答しています。

この傾向は、ビジネスに対する潜在的な重大リスクとして気候変動問題への意識の高まりを反映しています。22%は、企業が今後12カ月で気候変動に関連するリスクにさらされる可能性が非常に高い、または非常に高くなると考えており、今後 5年間では37%に達し、地政学的紛争に関する懸念(37%)に並びます。これからの10年間を展望すると、エネルギートランジション(転換)の重要性(50%)が、技術革新の重要性(53%)とほぼ同程度になると見られており、この傾向が続けば、企業の収益性に大きな、あるいは非常に大きな影響を与える可能性が高いと見られています。

投資家は、気候変動問題に取り組むための重要な公共政策措置を支持しています。持続可能でない活動への課税は、企業の持続可能性に関する問題への取り組みを促す上で「効果がない」よりも「効果がある」との回答が28ポイント高くなりました。強力な開示規制を支持する割合が(支持しない割合を)34ポイント上回り、対象を絞った補助金を支持する割合が(支持しない割合を)20ポイント上回っています。

また、66%の投資家が、企業は「事業やその他の活動が環境や社会に及ぼす影響」の金銭的価値を開示する必要があり、それが企業のビジネス判断の全ての経済インパクトの理解の一助になるとしています。この意見に同意しなかったのはわずか13%でした。さらに、73%は、企業が設定した持続可能性へのコミットメントを達成するために必要なコストを報告するべきと考えています。

PwCのグローバルESGリーダーのWill Jackson-Mooreは、次のように述べています。

「困難な経済状況においても、投資家コミュニティのほぼ半数が、気候変動問題をビジネス上の優先事項のTOP 5に入ると見なしています。ネットゼロ・トランスフォーメーションの実現は、ビジネス上の責務を全うし、資本を引き付けるための重要なステップです。投資家は、ビジネスの収益性を高め、信頼を構築し、持続的な結果をもたらすかたちで企業が変化することを期待しています。」

投資家にとって、サステナビリティ報告が信頼できるものであることは非常に重要です。保証に関しては、75%が、合理的な保証 (財務諸表で提供されるレベル) によって、企業のサステナビリティ報告に対する信頼が得られると回答しています。72%が保証人が独立性と倫理基準に従うことが重要であると回答し、73% が職業的猜疑心の重要性を強調するなど、投資家が保証実務者に求める資質について明確な見解を示しており、保証対象分野に関する知識を持つことが最も多く、78%に上りました。

PwCのグローバル アシュアランス リーダーのJames Chalmersは、次のように述べています。

「独立性を持って保証された情報は、資本市場やサステナビリティなどの重要な領域における企業の業績に対する信頼の構築に寄与します。しかし、信頼を効果的に構築するためには、保証は、強力なプロフェッショナルの基準と、監査と対象分野の専門知識の組み合わせを備えた高品質なものでなくてはなりません。」
以上

データについて: 2022 年9月から10月にかけて、PwC は世界43地域の227名の投資家およびアナリストを対象に調査を実施しました。回答者の多くは機関投資家で、主にアナリスト(38%)とポートフォリオマネージャーまたは最高投資責任者(34%)で構成され、回答者の77%は業界で10年以上の経験を有しています。回答者らの投資は、多岐にわたる資産クラス、投資アプローチ、および時間軸にまたがっており、運用資産(AUM)は5億ドルから1兆ドル以上までさまざまです。

*数値は、小数点以下を四捨五入して表示しています。

PwCについて:https://www.pwc.com
PwCは、社会における信頼を構築し、重要な課題を解決することをPurpose(存在意義)としています。私たちは、世界152カ国に及ぶグローバルネットワークに約328,000人のスタッフを擁し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。詳細はwww.pwc.com をご覧ください。

PwC Japanグループについて:https://www.pwc.com/jp
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約10,200人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

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この企業の情報

組織名
PwC Japanグループ
ホームページ
https://www.pwc.com/jp/ja/
代表者
木村 浩一郎
資本金
1,000 万円
上場
非上場
所在地
〒100-0004 東京都千代田区大手町1‐1‐1大手町パークビルディング
連絡先
03-6212-6810

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