3Dプリンターを活用し、自動車や鉄道、航空宇宙分野での燃費向上を支援
オリックス・レンテック株式会社(本社:東京都品川区、社長:細川 展久)は、このたび、パーソルR&D株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:礒田 英嗣)と協業し、3Dプリンターを活用した「風洞実験ソリューションサービス」の提供を開始しますのでお知らせします。
風洞実験とは、自動車や鉄道などの車両を開発する際の空力改善実験です。対象物が移動する際に空気の流れから受けるさまざまな影響を把握することで、車両の形状や構造の最適化を図り、燃費や走行性能の向上に繋げます。
本サービスでは、パーソルR&Dにて風洞実験に必要なモックアップ
※1の3Dデータを設計後、当社にて3Dプリンターで造形、その後パーソルR&Dにて実験の代行および空力解析を行います。風洞実験をワンストップで受託することで、お客さまは、工程ごとに委託先や協力会社へ手配する必要がなくなり、打ち合わせや見積もり取得の回数を削減することができるほか、モックアップの形状変更や再実験などにも迅速に対応することができます。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車や鉄道などの輸送機器においても環境負荷の低減が求められています。特に、国内CO
2排出量の約15%を占めている自動車部門
※2においては、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」に基づき、トラックやバスなどの重量車は2025年度、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車を含む乗用車は2030年度を目標年度とする燃費基準をクリアする必要があります。そのため、電気自動車(EV)などへの燃料転換だけでなく、空力改善を含む燃費性能の改善が喫緊の課題となっています
※3。
オリックス・レンテックは、風洞実験の精度向上を通じて、自動車をはじめ超小型モビリティや、鉄道、船舶、航空宇宙、ドローンなど幅広い分野でのCO
2排出量削減に貢献してまいります。
※1 モックアップ(mock-up):工業製品の設計・デザイン段階で試作される、外観が完成品に近い模型のこと
※3 2025年度を目標年度とする重量車の燃費基準を策定(国交省)
(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000211.html)、
乗用車の2030年度燃費基準を策定(国交省)
(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000228.html)
■風洞実験ソリューションサービス 概要
風洞実験に用いるモックアップを、3D CADや3Dプリンター、3Dスキャナーなどの3D技術を活用して設計・造形し、実験の代行から測定・解析までワンストップでご提供します。
①3D CADデータ作成サービス
意匠面データから、ボディー、バンパー、ボンネットなど各部品の詳細な3D CADデータを作成します。
風洞実験用の強度を考慮した構造設計や、気圧計測用のベンチュリー管のレイアウトなどの提案も可能です。
②3Dモックアップ造形サービス
3Dプリンターを用いた造形を行います。金属、樹脂などさまざまな種類の材料で造形が可能です。実寸から縮小サイズまでご要望に合わせて造形します。
※ 右記写真:1/8スケール、オリジナルデザインRV車
複数のパネルで構成することで任意の一部分を交換でき、複数パターンでの風洞実験が可能となります。塗装や補器類の取り付けなども対応します。
③高精度3Dスキャン測定サービス
高精度3Dスキャナーを用いて造形したモックアップを測定し3Dデータを取得します。
基準となる3D CADデータとスキャンした実測値との誤差を把握することができます。
④風洞実験サービス
お客さま保有の設備活用のみならず、風洞実験場の手配を含めた風洞実験の代行を行います。車両から単一部品まで対応します。
⑤空力解析サービス
3D CADデータ、高精度3Dスキャナーで測定した3Dデータを利用して、空力解析を実施します。
測定した実測値を空力解析ソフトへ再度取り込むことで、空力解析結果と風洞実験結果との乖離理由の分析などが可能となります。流速、流量、圧力分布、温度分布まで対応可能です。
■パーソルR&D株式会社について<https://www.persol-rd.co.jp/>
パーソルR&D株式会社は、自動車、航空宇宙、ロボット、デジタル家電などの領域で、技術コンサルティング、一括請負、部分請負、技術者派遣にて、企業様の設計・開発をサポートしています。機械・電気電子・制御ソフト分野の設計、実験・認証サービス、モデルベース開発(MBD)の技術を駆使し、設計、研究開発から実験までの「ワンストップサービス」を提供してまいります。