ケアスタッフによる体調不良時の緊急対応、病院外来拡張エリア設置、ウエアラブルデバイスの導入などでがん患者さんとご家族を24時間サポート
三井不動産株式会社および株式会社三井不動産ホテルマネジメント、国立研究開発法人国立がん研究センターは、「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」(所在:千葉県柏市柏の葉6丁目5番2)を2022年7月1日に開業します。
本ホテルは、公・民・学連携で街づくりが推進されている柏の葉スマートシティ内にある、国内有数のがん専門病院・国立がん研究センター東病院(以下、NCC東病院)の敷地内に立地し病院と隣接していることで、がん患者さんと付き添いご家族の利便性の向上を図ることができます。また、柏の葉スマートシティで形成を進めるライフサイエンス拠点の中核であり、新たな診療モデル創出の場としての活用も期待され、創薬や医療機器の研究・開発に繋げ、柏の葉から最先端医療創出に寄与してまいります。
がん患者さんとご家族を24時間サポートする滞在環境をご提供するため、双方の知見を総合し、ケアスタッフによる体調不良時の緊急対応やNCC東病院の外来拡張エリア、オストメイト対応トイレ完備の客室など様々な機能を用意しています。また、ご本人同意のもと、ホテルと病院間で患者情報を共有するコミュニケーションツールを用いた患者情報を共有する仕組みや、がん患者さんに向けNCC東病院とホテル間を送迎するサービスもご用意しています。さらに、開業時には、AIカメラを使った緊急対応と、ロボットによる食事配送の試験導入や、デバイスでバイタルデータを測定するサービスも実施します。データは、ご本人同意のもと、NCC東病院の医師が確認するほか、将来的には在宅診療の実証にも寄与する計画です。1Fには、千葉流山市で人気のレストラン「丁字屋」が出店。緑豊かな景色を楽しみながらお食事ができる開放的なテラス席も設けています。また客室は、ゆったりと快適に過ごすことができ、ステイケーションとしてのご利用にも最適なつくりとなっています。柏の葉を訪れる多様な方々にも満足いただけるホテルを目指します。
<「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」の特徴>
- 三井不動産とNCC東病院の知見をもとに共同企画。立地環境を生かし、宿泊客の利便性を追求した「がん患者さんをサポートするホテル」。
- 病院と連携した人的サービスに加え、デジタル技術を用いたバイタルデータ管理サービスなどを用意、データ利活用も推進。
- 医療ツーリズムへの対応やがん患者さんに配慮した食事メニュー、ロボットを用いた食事配送の実証実験により、他ホテルとは一線を画す、独自のおもてなしサービスを提供。
- 隣接する柏の葉公園の緑を見渡すことができるテラスのあるレストランや広めの客室などでゆとりある滞在環境を提供。柏の葉を訪れる方々を迎えいれる街に開かれたホテルへ。
エントランスホール ホテル外観
1. 三井不動産とNCC東病院の知見をもとに共同企画。立地環境を生かし、宿泊客の利便性を追求した「がん患者さんをサポートするホテル」。
■国立がん研究センター東病院 病院長 大津 敦 コメント
当院には毎年国内外からのべ30万人弱のがん患者さんが来院しており、かねてより病院受診者の利便性向上が求められてきました。当院敷地内に本ホテルが開業することで、がん患者さんとそのご家族の通院時の負担軽減や遠方の方の受診の利便性向上が期待できます。また米国・ボストンなどでは、病院やアカデミア、製薬企業研究施設などがクラスターを形成し、最先端のがん医療や革新的な医療技術・サービスを創出しています。日本でもこうした取組みを実現すべく柏の葉スマートシティで現在、大学、研究機関と連携し「ライフサイエンス拠点」の形成を進め、当院に隣接する「三井リンクラボ柏の葉」への民間企業誘致も進んでいます。本ホテルを新たな診療モデルとしても活用し、すべてのがん患者さんに最先端のがん治療やヘルスケアサービスの提供を目指します。
本施設は、39のホテルの展開実績をもつ三井不動産グループと国内トップクラスのがん専門病院であるNCC東病院双方の知見を総合し、開発・運営する「がん患者さんをサポートするホテル」です。
企画段階より、通常の宿泊利用だけでなく、がん患者さんとご家族の滞在環境が整うホテルを目指すため、全国のがん患者さんとそのご家族を対象としたアンケートやがん患者さんやご家族で構成される患者団体とのディスカッションを実施。がん治療による生活のしづらさと病気への理解や緊急対応をはじめ、診察の待ち時間を過ごすなどのフレキシブルな利用、症状に合わせた食事などのニーズを抱えていることがわかりました。これらをふまえ、NCC東病院の全面的な協力のもと、安心・安全・快適な滞在を実現する多彩なサービス・設備を揃え、万全の体制で宿泊者を受け入れてまいります。
2. 病院と連携した人的サービスに加え、デジタル技術を用いたバイタル管理サービスなどを用意、データ利活用も推進。
・運営体制
がん患者さんとそのご家族への理解を深め、適切なサービス提供につなげるため、NCC東病院の協力を得て、ホテルスタッフががんに関する基礎知識などを習得。加えて、サービス介助士(公益財団法人日本ケアフィット共育機構)の資格取得も進める計画です。また、滞在中の満足度向上を図るべく、ご本人同意のもと、ホテルと病院間でコミュニケーションツールを用いた患者情報を共有する仕組みを導入予定。これにより、がん患者さんの生活留意事項の確認を行います。さらに、がん患者さんに向けNCC東病院とホテル間を送迎するサービスもご用意しています。
開業以降も、ご宿泊いただいたがん患者さんの声をふまえ、NCC東病院と連携を図りながらサービスの質の向上を目指します。
・NCC東病院の外来拡張エリア
2Fの一部にはNCC東病院が外来拡張エリアを設けます。10室の診療室を設け、うち2室はオンライン診療の環境を整えています。セカンドオピニオン外来をはじめ、胃外科、乳腺外科、眼科などの外来診療を実施、また柏の葉サロンではさまざまな疑問やお悩みに対応する患者教室を開催します。
外来拡張エリア
・緊急対応
ケアスタッフの24時間常駐
24時間体制で、本ホテル専任のケアスタッフが常駐。各客室にはケアスタッフに繋がる呼出しボタン・館内電話が設置されており、体調不良時などすばやく対応することができます。さらに時間帯によって相談窓口としても機能し、様々なご不安やお悩みに答えます。
AIカメラによる緊急時対応サポートの実証
共用部に全82台のAIカメラ※を設置し、緊急時の対応につなげる試験導入を行います。カメラ映像のAI分析により、卒倒・うずくまりなどの異常行動を検知した場合、当ホテル専任のケアスタッフやホテルスタッフが駆け付け、より迅速な対応につなげます。
※AIによる異常行動検知機能は対象の異常行動を100%検知することを保証するものではありません
・スムーズな宿泊予約
NCC東病院内に本宿泊施設専用の予約ブースを設置しており、次回の診療日に合わせてスムーズに宿泊の予約ができます。予約時においても、ご利用者のご負担を減らす利便性の高い環境を整えています。
※宿泊予約は、予約ブースに備え付けのPCからご自身で行っていただきます。
病院内の予約ブース
・ウエアラブルデバイスを用いたデジタルサービスを提供。データの利活用も。
AI健康アプリ「カロママ プラス」(開発・運営:株式会社リンクアンドコミュニケーション)を活用したがん患者さん向け食事管理機能、「Health Data Bank for Medical」(開発・運営:株式会社NTTデータ)を用いたバイタルデータ管理機能の2つのデジタルサービスが各社より提供されます。いずれも本人同意のもと、提携サービス間におけるパーソナルデータの連携が可能となるプラットフォームを活用した柏の葉の生活者向けポータルサイト「スマートライフパス柏の葉」を通じてご利用いただけます。バイタルデータ連携のためのデバイス等はホテル内に常駐するITコンシェルジュが貸し出し、使用方法をレクチャーします。ご本人に同意して頂ければ、ホテル内のケアスタッフがデータを閲覧することができ、体調不良時の状況確認などに生かしていきます。なお、これらのサービスは宿泊後ご自宅でも継続してご使用が可能なため、日常的に自身の体調管理に生かすことができます。また、NCC東病院の医療従事者が「Health Data Bank for Medical」を通じてデータを閲覧することも可能となり、がん患者さんの体調を把握するための参考情報として活用します。今後、データの利活用を進める方針で、NCC東病院をはじめ多様な外部企業との連携を図るほか、将来的には在宅診療の実証にも活用する計画です。
〈参考リリース〉https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/0620_02/
*「Health Data Bank」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
3. 医療ツーリズムへの対応やがん患者さんに配慮したメニューを揃えるレストラン、ロボットを用いた食事配送の試験運用により、他ホテルとは一線を画す、独自のおもてなしサービスを提供。
・医療ツーリズムへの対応
NCC東病院には中国をはじめとする海外からも多くのがん患者さんが訪れるため、海外諸国からのがん患者さんと付き添いのご家族にとって安心かつ利便性の高いホテル環境を目指します。長期滞在用のキッチン付き客室を設置するほか、食料品店などの情報を掲載した英語や中国語の柏の葉エリアマップの配布、中国で広く使われているアプリ「WeChat」を活用したホテル情報の発信などを行います。
・カフェ&レストラン
「100分の1ではなく1分の1の料理提供」を信念に掲げ、茨城県で人気のイタリアンレストランなどを展開する株式会社アガーノが運営するカフェ&レストラン「丁字屋 KASHIWA-NO-HA」が1Fに出店。地元の旬野菜を使った優しい和テイストの箸で食べる洋食メニューを中心に提供します。朝食時には「やさしい朝食」をコンセプトとし、身体に優しい食材などを使用した料理が楽しめます。また、朝食時以外でもがん患者さんに配慮したメニューを揃えるほか、分量や細かな味付けなどの変更にも対応します。さらに、がん患者さんよりニーズのあったテイクアウトメニューも用意。開業時には、アスラテック株式会社が取り扱う配送ロボット「RICE」を用いて、客室へのテイクアウトメニュー配送サービスの試験運用を実施します。
客室内のほか、晴れた日は目の前に位置する柏の葉公園でお食事いただくことも可能です。
■営業時間
朝食6:30〜10:00 (最終入店9:30)、昼食11:30〜15:00 (最終入店13:30)、夕食17:30〜21:00 (最終入店 19:30)
※ベーカリー・カフェ 9:00~18:00
※一般のお客様ももちろんご利用いただけます。
※新型コロナウイルス感染症の影響により、営業時間に変更が生じる場合がございます。
レストラン がん患者さんに配慮した食事メニュー 配送ロボット
・ラウンジ
2Fに用意した約100㎡のラウンジは、柏の葉公園を眺めながら仕事が出来るカウンターデスクやライブラリーコーナーを設置。ご飲食スペースとしてもご利用いただけます。
また、NCC東病院利用のがん患者さんは診察の待ち時間を過ごす場としてご使用が可能です。さらに、これまでNCC東病院内で株式会社資生堂と連携し開催していた、外見の変化をカバーできる化粧方法などについて学べるイベントや、緩和ケアに関するセミナーを当ラウンジで実施する予定です(宿泊客以外の利用も可)。なお、ラウンジ内には本ホテル専任のケアスタッフが24時間常駐し、万が一の緊急時に対応するほか、滞在中の生活をサポートします。
・客室
ゆとりある広さの客室は、安全面に配慮した設計・設備を採用し、リモートワークに適した環境も整備しています。また、オストメイト対応のシンク・シャワー付のトイレを設置した客室などをご用意するほか、薬の副作用で思うように身体を動かすことができない方々をサポートするため、貸出備品類の充実も図っています。
- 約22㎡~最大約60㎡のゆとりある客室で様々なニーズに合わせて選択可能。
- 万一の容態急変時にも、ストレッチャーが入れるよう、入口も広めに確保。
- 全室に転倒防止バーや本ホテル専任のケアスタッフに通じる呼出しボタンを設置。
- 通院しながら仕事を継続できるよう、PC作業に適した大きさの机(700mm×700mm以上)を用意。
- 多彩な客室タイプ。
- 中長期の滞在にも対応できるようゆとりある収納スペースのほか、キッチンや洗濯機を備えた客室
- オストメイト対応のシンク・シャワー付のトイレや前広便座を採用したトイレなどを設置した客室
- 薬の副作用で食欲に偏りがあるケースをふまえ、“自分の食べたい(食べられる)ものを自由なタイミングで”といったニーズに応える電子レンジを備えた客室
- 充実した貸出備品類。
- がん患者さんの食事に配慮した食器、可動式ハンガーパイプ、ウィッグ用スタンド、就寝時に姿勢を調整できるビーズクッションなど
オストメイト対応トイレ (前広タイプ) オストメイト対応トイレを備えた客室 スイート
・コンビニエンスストア(セブン-イレブン)
NCC東病院とホテル・店舗にて議論のうえ、宿泊客ニーズに対応する商品を多数用意。治療中でも食べやすい食品のほか、滞在時に必要な各種日用品を取り揃えています。7時~22時まで営業します。
・東京藝術大学とコラボしたアート作品の展示
宿泊者の方々に“また旅に行けるよう元気になってほしい”というコンセプトのもと、東京藝術大学とコラボレーションしたアート作品を客室に掲示しています。旅先の風景、気候、アイコンなどをモチーフとし、幾何学、文様のようにデフォルメし、アプストラクト(抽象)な表現を用いて作成しています。
客室に展示しているアート作品
・独自の新型コロナウイルス感染症対策
コロナ禍においても安心してご滞在いただくため、三井不動産グループ共通の感染対策として策定した医学的・高学的知見に基づく「三井不動産9BOX感染対策基準」※をもとに、専門家の監修を受けて感染リスクの高い場所を洗い出し、感染リスク軽減への取組みを強化しています。客室にはHEPAフィルター付き空気清浄機を設置し、共用部には二酸化炭素濃度検査機器や非接触型操作ボタンを備えたエレベーターなどを採用しました。
〈※参考リリース〉
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1001_01/
4. 隣接する柏の葉公園の緑を見渡すことが出来るテラスや広めの客室などでゆとりある滞在環境を提供。柏の葉を訪れる方々を迎えいれる街に開かれたホテルへ。
1Fのカフェ&レストランにはテラス席があり、45haの広大な敷地を有す柏の葉公園の景色を楽しみながらお食事ができます。また客室は広めの設計としているため、ゆったりとお過ごしいただけます。ステイケーションを目的とするお客様をはじめ、柏の葉公園やイベント施設のご利用者、研究機関に勤務する方など、柏の葉を訪れる多様な方々に向けても快適な滞在を提供します。
レストラン エントランス(ロビー) デラックスツイン(バリアフリー仕様)
■物件概要
名 称:三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド
所 在 地:千葉県柏市柏の葉6丁目5番2
交 通:つくばエクスプレス線「柏の葉キャンパス」駅から車で約5分
土 地 所 有:国立研究開発法人国立がん研究センター東病院
建 物 所 有:三井不動産株式会社
運 営:株式会社三井不動産ホテルマネジメント
敷 地 面 積:ホテル部分 3,972.43㎡(1,201.66坪) ※NCC東病院敷地11,914.00㎡(3,603.99坪)
構 造 規 模:鉄骨造 地上7階
客 室 数:145室
延 床 面 積:8,329.89㎡(2,519.79坪)
設 計・施 工:東急建設株式会社
付 帯 施 設:カフェ&レストラン(1F)、コンビニ(セブンーイレブン)(1F)、
NCC東病院の外来拡張エリア(2F)、ラウンジ(2F)
T E L:04-7137-6131
公式webサイト:
https://www.gardenhotels.co.jp/kashiwanoha-parkside/
エントランス(ロビー) エントランス入口
■地図
■三井不動産株式会社 (WEB 柏の葉スマートシティ
https://www.kashiwanoha-smartcity.com/ )
街づくりを通じて社会課題の解決に挑戦し、新たな価値を創っていく総合デベロッパー。柏の葉スマートシティにおいては、AI/IoTなど新技術の導入によるデータ駆動型のスマート・コンパクトシティの形成を目指しており、国土交通省「Society5.0」の実現に向けたスマートシティモデル事業の先行モデルプロジェクトに選定されました。今後、健康・医療に係る医療機関サービスのスマート化に取り組んでいきます。また、三井不動産グループは、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進することで、日本政府が提唱する「Society5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。
■株式会社三井不動産ホテルマネジメント(
https://corp.gardenhotels.co.jp/ )
三井不動産ホテルマネジメントは、現在、アッパーミドルクラスの宿泊主体型ホテルである「三井ガーデンホテルズ」33ホテル(8,774室)、ハイクラスの宿泊主体型ホテルである「ザ セレスティンホテルズ」を3ホテル(504室)、“次世代型”新ホテルブランド『sequence(シークエンス)』を3ホテル(567室)、合計39ホテル・9,845室運営しています。今後も「記憶に残るホテル」「感性豊かなお客様の五感を満たすホテル」という理念・コンセプトのもと、ホスピタリティ溢れるサービスを提供してまいります。
■国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 (
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/ )
国立がん研究センター東病院は、1992年に設立され、年間9,000人を超える新患の方が訪れる国内トップクラスのがん専門病院です。世界最高レベルのがん医療の提供と新しいがん医療の創出をミッションに掲げ、国の「臨床研究中核病院」、「がんゲノム医療中核拠点病院」などに選定されています。併設する先端医療開発センター(NCC-EPOC)とともに、国際的なネットワークを基盤とした研究開発の拠点として、先進的ながん治療薬・医療機器開発やゲノム医療をはじめとした最先端の個別化治療を推進し、多数の実績を上げています。