【ポイント】
■東京薬科大学で第一号となる大学発ベンチャー企業が誕生。SDGsに向けた産学連携を一層強化する。
■人間の活動により放出される二酸化炭素を回収し、炭素循環社会を作ることは急務の課題。微細藻類の光合成はその解決策として期待されているが、現在の産業規模は小さすぎて寄与できる状況にない。
■大学発ベンチャー企業「合同会社フォトシンテック・ラボ」の工業的培養生産技術と、その生産物を用いた製品開発、さらにその流れに必要な再生可能エネルギーの三者協力体制が成立することにより、エネルギー生産地の地域活性化を引き起こす。エネルギーの地産地消による炭素循環型産業社会の実現をめざす。
【概要】
東京薬科大学は2020年度に大学発ベンチャーの認定・支援制度を新たに創設し、その第一号となる大学発ベンチャー企業「合同会社フォトシンテック・ラボ」が誕生しました。同社は微細藻類の工業的培養生産の技術開発を通じ、炭素循環型社会を目指します。東京薬科大学は同社の支援を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた産学連携の更なる強化を図ります。なお、同社は東京薬科大学内に拠点を置き、東京薬科大学イノベーション推進センターの支援の下に、生命科学部環境応用植物学研究室との共同研究を行っております。
【企業情報】
社名 :合同会社フォトシンテック・ラボ
所在地 :東京都八王子市
代表社員:都筑幹夫(東京薬科大学 名誉教授)
社員数 :3名
事業内容:微細藻類の工業的培養生産の技術開発
【設立の背景と事業】
二酸化炭素(CO2)は地球温暖化や今日の極端現象を引き起こしている要因の一つですが、植物や微細藻類による光合成で吸収されます。微細藻類はクロレラやユーグレナなどがよく知られており、これまでは池や透明容器の中で培養生産されてきました。しかし、この方法では生産量が低いため、社会が期待するだけの量のCO2吸収には至っていません。
同社は、極めて高い効率で微細藻類を培養生産する技術を開発し、化学系の一流企業目線でも実用化の可能性ありと評価されています。その技術のポイントは、布などの担持体表面で微細藻類を増殖させる培養法です。シート上に微細藻類が広がることから、イメージは人工的な葉で、そこで微細藻類がCO2を吸収固定します。この技術は固相表面連続培養(SSCC)法とよばれ、従来の生産効率に比べて100倍くらい高い装置になる技術として検証されてきています。
しかし、その実用化へのもう一つの課題が、生産物である微細藻類を利用する市場の欠如です。食品原料や飼料・餌料、その他有機化合物利用など、さまざまな利用が考えられ、また、予想されるグローバルな危機への対応など、活用の幅は広いと思われます。そこで、SSCCが国内どこでも生産できる技術であることを基にして微細藻類の新たな商流を作り、市場を構築することが今の課題となっています。再生可能エネルギーの生産地で、未活用部分のエネルギーを安価に用いることができれば、エネルギー生産地における新しい産業が生まれる可能性が高くなります。実現すれば地域活性化の新しい形態となります。同社では現在、この共同開発の体制づくりに協力して下さる方を求めています。詳しい情報を希望される方は以下の問い合わせ先へご連絡ください。
【大学公式ホームページ】
東京薬科大学から大学発ベンチャー企業「合同会社フォトシンテック・ラボ」が誕生 ~微細藻類の大量生産が国内どこでも可能に~|プレスリリース
https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/newstopics/2021/0908_4676.html
▼本件に関する問い合わせ先
総務部 広報課
住所:東京都八王子市堀之内1432-1
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FAX:042-676-1633
メール:kouhouka@toyaku.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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