7月30日(金)から2日間、「FIAエレクトリック&ニューエナジー・チャンピオンシップ ソーラーカーレース鈴鹿2021」が三重県 鈴鹿サーキットで開催され、大阪電気通信大学 自由工房Solar Team Ku-Onの学生チームが出場しました。
1992年に初開催された同レースは太陽電池を電源とし、モーターで走るソーラーカーの技術を競う大会として長年にわたって親しまれてきましたが、今大会をもって終了が決定。初出場・初設計の車体・初運転のドライバーで臨んだ本学チームは、レース出場のための厳しい車検を見事クリア。当初の目標であった周回数を見事達成、完走を果たしました。さらに、「鈴鹿でチェッカーフラッグを受ける!」という夢に挑戦するためにレース終了間際にあえて出走。僅差でフラッグを受けることは叶いませんでしたが、チーム一丸となって難題に全力でぶつかり、最後の大会にふさわしい感動的なドラマを繰り広げました。
ソーラーカーレース出場のため、工学部電子機械工学科の入部正継教授の指導のもと、約5年前から構想を練り始め、2年がかりで車両を設計しました。約5か月の製作期間を経て完成した車両は学内木工室で車体を製作、ホイールやサスペンションアームなどの基幹となる機構部品は学内の3D造形先端加工センターで製作するなど、学内のさまざまな施設や設備を活用しました。
ボディ後部の表面には太陽光パネルを搭載。蓄電した光エネルギーを電気エネルギーに変換、12Vの鉛蓄電池6個に充電して走行するシステムとなっており、今年6月に現地サーキットで開かれた走行会では本番と同じ国際レーシングコース(フルコース5.807km/1周)を完走しました。
大会当日は5時間耐久レースに24チームがエントリー。本学チーム「大阪電気通信大学ソーラーチームKuOn」は、自由工房の城健斗さん(大学院工学研究科制御機械工学コース1年)ら自由工房の学生約20人が参加しました。それぞれ、機械、電装、プログラムの3班に分かれてチームをサポート。ドライバーは3人体制で、城さんを筆頭に、林将輝さん(電子機械工学科4年)、松原希美さん(同2年)が運転を交代しながら灼熱のサーキットを疾走し、目標だった10周を達成、後に出走した周回数を加えて合計11周を記録しました。
学生のみで編成された初出場チームの車検通過、完走は非常に珍しく、本学学生の努力や、技術力の高さを感じることができました。
ソーラーカーレースに出場する夢を胸に本学に入学したという松原さんは「バッテリー残量を考えながら走行するのがドライバーに求められる役割のひとつです。他チームのマシンがすごいスピードで横を通り過ぎて行く時は少し怖かったけど、狭いコックピットの中で風を感じながら走るのは気分爽快でした」と目を輝かせていました。
構想段階からチームの中心となって関わってきた城さんは大会終了後、「レースの難しさを痛感しました」と悔しさをにじませながらも、「自分たちの目標を達成したところで終わらせず、ギリギリの選択ではあったけれども夢に向かって全力を尽くしたことは大きな収穫でした。約2か月後には別の大会が控えており、今回の課題を修正して挑戦したいです」と次大会での健闘を誓いました。
入部教授は「若い時に何かに熱中して成功体験を得ることがとても大切です。本学の設備を有効に使わせていただき、活動の場を彼らに提供できたことに感謝しつつ、これからの活躍に期待しています。すんなりいかないのも成功体験にはつきもの。これからいかにして後輩に引き継いでいくのかも課題だと思います」と語っていました。
本学自由工房では、学生による「モノづくり」を支援しており、学生の日々の努力が今回のような成果に結びつくようこれからもサポートしていきます。
なお、自由工房の電気自動車班Solar Team Ku-Onは、今回の経験を活かして、今年の10月に和歌山で開催されるレースにも参戦します。応援をよろしくお願いいたします。
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