【京都産業大学】アフリカツメガエルの卵母細胞を用いた卵細胞の老化機構とアンチエイジング?~アポサイニンの有益な効果を解明!~国際学術誌「Antioxidants」(オンライン版)に掲載



京都産業大学生命科学部 佐藤 賢一教授らの研究グループは、老化したアフリカツメガエルの卵細胞を用いて細胞内の活性酸素レベルを検出したところ、活性酸素量は細胞透過性のAOXによって効率的に調節でき、選択的阻害剤であるアポサイニンは、老化した卵母細胞と卵に有益な効果をもたらすことを解明した。




卵子や卵の老化は、その生殖能力や発育能力に大きな影響を与える。加齢に伴う卵母細胞や卵子の質の低下は、様々な生物における不妊や胚の異常発生の主要な原因の一つであると考えられており、加齢による卵子の質の低下の主なメカニズムは、ミトコンドリアで生成された活性酸素によるミトコンドリアの損傷の蓄積であると提案されている。活性酸素は様々な細胞の老化を促進する原因となる。一般的には活性酸素の主な発生源はミトコンドリア電子伝達系と細胞膜NADPHオキシダーゼ系である。
京都産業大学生命科学部の佐藤 賢一教授、トクマコフ アレクサンデル研究員(研究当時)らの共同研究グループは、老化したアフリカツメガエルの卵細胞内において生存率と機能性に影響を及ぼす活性酸素量を分析したところ、卵母細胞と卵を48時間培養すると、細胞内の活性酸素量が増加していることがわかった。さらに異なる活性酸素生成メカニズムを標的とした選択的な細胞透過性AOXを用いて実証すると、卵母細胞および卵における活性酸素の主な発生源は、細胞膜NADPHオキシダーゼであり、ミトコンドリアでの発生は細胞内の活性酸素量にあまり寄与しないことがわかった。また、NADPHオキシダーゼの選択的阻害剤である天然有機化合物アポサイニンを用いてNADPHオキシダーゼを阻害すると、卵母細胞におけるROS 活性酸素レベルが著しく低下し、正常な形態と機能が維持された。
卵細胞などの配偶子に対するアポサイニンの有益な効果についての報告は、本研究が初めてとなる。今後、酸化ストレスを軽減し、卵子の老化を遅らせることができる新規のAOX化合物の同定は、特に生殖補助医療における受精成功率の向上につながる可能性がある。

この研究成果は、2021年7月1日(日本時間)に国際学術誌「Antioxidants」(オンライン版)に掲載された。


むすんで、うみだす。  上賀茂・神山 京都産業大学


関連リンク
・卵細胞の老化機構とアンチエイジング?〜アフリカツメガエルを用いた試み
 https://www.kyoto-su.ac.jp/news/2021_ls/20210705_400a_news.html
・京都産業大学 生命科学部 佐藤 賢一 教授
 https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/ls/sato-kenichi.html



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