スマートニュース株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:鈴木健)のシンクタンクである「スマートニュース メディア研究所」は、全国の先生方が学校の授業で使えたり、参考資料にしていただけたりすることを目指し、メディアリテラシー教育の授業実践例を公開しました。ワークシートなども含む授業実践例は、当社研究所のウェブサイトから無償でダウンロードいただけます。
▼メディアリテラシー教育 授業実践例
https://smartnews-smri.com/literacy_category/practice/
文部科学省が公表した、2022年度から主に高校1年生が使う教科書の検定結果では、国語をはじめ複数の教科で、SNSとの付き合い方やフェイクニュースの事例紹介など、メディアリテラシーの学習内容を盛り込んだ教科書が登場しています。
当社研究所は、メディアリテラシー教育を研究テーマの一つとしており、子供たちが主体的に考える力を養うことを支援したいと考えています。これまでに小学校から大学院まで、幅広くワークショップや講義形式の出張授業も実施してきました。
現場の先生方からは「メディアリテラシーの授業はどのように実施したらいいのか」「授業アイデアが欲しい」という声をいただいておりました。このため、先進的なメディアリテラシー授業を実施されている先生方にもご協力をいただき、授業の実践を読みやすくまとめたPDF資料をダウンロードできる授業実践例の提供を開始しました。まずは、小学校から大学までの5つの授業実践例(国語・社会など)を掲載しました。
授業実践例の概要は以下の通りです。
1、想像力を働かせよう 「朝の会」やホームルームで使える《ソ・ウ・カ・ナ》チェック~下村健一
対象(実施可能)学年:小学5年生~大学生
科目:理想的な実施 朝・帰りの会、ホームルーム(学級活動)等、短時間で日常的に
一括での実施 国語、社会(情報)、道徳、総合的学習の時間
実践者名:令和メディア研究所 主宰 下村健一氏
<授業の趣旨>
情報を鵜呑みにせずクリティカルに受け止める眼力は、日常的に題材を拾って、反復練習を繰り返すことで身につけられる。この教材では、「朝の会」やホームルームなどで、「今日みんなの関心を集めている情報」について話し合うためのポイントを示した。下村氏は、TBS報道局アナ、フリーキャスターを経て、官邸にて内閣審議官を経験。慶應義塾大学特別招聘教授などを経て、白鴎大学特任教授。光村図書の小学校5年の国語教科書に「想像力のスイッチを入れよう」が収録されている。
2、~ それ虚偽ニュースかも。さて、どうする?〜 情報リテラシーを養う
実施学年:中学3年生
対象(実施可能)学年:中学3年生
科目:社会(公民的分野)
実践者名:本郷学園 本郷中学校・高等学校 横山省一教諭
<授業の趣旨>
新型コロナ禍において実際に流れた情報の真偽を考えることを通じて、情報リテラシーを養う。真偽が疑わしい情報を受け取った時、どのように行動すべきかについて理解を深め、適切に判断・行動できる能力を養う。市民の一員としての適切なSNS の利用法や、情報との関わり方について考えさせる。
3、3つの県の3つの高校の授業をつなぐ~同じテーマの授業を見せ合い、SNSで交流してみたら?
実施学年:高校1年生~3年生
対象(実施可能)学年:高校1~3年生
科目:国語
実践者名:奈良女子大学附属中等教育学校 二田貴広教諭
岡山県立岡山南高等学校 畝岡睦実教諭
近畿大学附属広島高等学校福山校 岡本歩教諭
<授業の趣旨>
学校も学年もそれぞれ違う3校の生徒たち。通常であれば、自分の学校の、自分の担当の先生の授業しか受けることはない。だが、この3校授業では、同じテーマの授業について、他の学校の授業の様子を、動画で見せる。授業のあり方は1つだけではないこと、さまざまな教え方があり、それによって生徒の受け取り方や議論の発展に違いがあることを体感できる。その後、他の学校の生徒と、授業についての意見をSNSでやり取りをする。全く知らない相手とSNSで交流することで、インターネット時代のリテラシーの訓練にもなる。
4、リツイートしてみよう
実施学年:中学3年生
対象(実施可能)学年:中学1~3年生
科目:社会(総合)
実践者名:横浜創英中学・高等学校 津田真耶教諭
時事通信出版局編集委員(当時) 坂本建一郎氏
スマートニュース メディア研究所 研究主幹 山脇岳志
<授業の趣旨>
スマートフォンが普及したこともあって、SNSが広く使われる時代になっている。Twitterでいえば、面白いとか、「役にたつ」などと思って、「リツイート(転送)」すると、結果的に虚偽の情報を広めてしまうケースもある。1コマ目の授業では、グループワークを行い、「コメントつきのリツイート」が繰り返されるのと似たような環境を創り出すことで、発信者の責任について考えさせる。2コマ目では、議論を巻き起こしたツイートの背景を解説することで、社会課題について生徒たちが思考を深めるきっかけとする。
5、ニュースの見出しを作ってみよう
実施学年:中学2年生
対象(実施可能)学年:中学1年生~3年生
科目:国語
実施校:法政大学第二中・高等学校
実践者名:スマートニュース メディア研究所 宮崎洋子、中井祥子
<授業の趣旨>
記事やブログを読むかどうかを判断する大きな指標が「見出し(タイトル)」である。見出しをクリックしてもらえるよう、発信者(メディアなど)は様々な工夫を凝らしている。生徒が、実際に「見出し」を作ってみることで発信者側の視点を体験する。インターネット上にアップし、他のグループの作った「見出し」と比較することで、ニュースには、様々な受け止め方があることを感じてもらう授業とする。
今回の授業実践例の無償ダウンロード提供開始について、スマートニュース メディア研究所 研究主幹 山脇岳志は「メディアリテラシー授業は、学校現場で求められている『主体的で対話的で深い学び』とつながる部分があります。物事を多角的に見る態度や、クリティカルシンキングの力を身につけるきっかけになることも期待できます。今後とも、この分野に関心を持っておられる先生方の参考になるような実践例の公開を目指していきたいと思います」と話しています。
■スマートニュース株式会社について http://about.smartnews.com/
スマートニュース株式会社は、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」をミッションに掲げ、2012年6月15日に設立されました。日米5,000万ダウンロードを超えるニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」を運用しています。世界中の膨大な情報を日夜解析し続けるアルゴリズムと、スマートデバイスに最適化された快適なインターフェースを通じて、世界中から集めた良質な情報を、一人でも多くの人々に届けていきたいと考えています。
■スマートニュースメディア研究所について https://smartnews-smri.com/about/
スマートニュース メディア研究所は、ニュースやメディアが本当に社会や人々の役にたつためにはどうあるべきかを考えるシンクタンクです。中長期的な視点からの研究、提言、そして課題解決の実現を目指して、2018年8月に設立しました。