日本女子大学文学部日本文学科は、Web会議システムZoomを活用して、ハーバード大学の大学院生に、くずし字の読み解きをオンラインで教える「オンラインチューター活動」を2021年2月から実施しています。日本の古文書・書画は海外に多く所蔵されますが、海外にはその表記(くずし字)を解読できるスタッフが少ないという問題があり、日本女子大学では、日本文学や日本文化の学びを深め、コロナ禍でも世界に向けて日本文学を発信する試みを行っています。
2020年に国文学研究資料館の日本古典籍コンソーシアムに参加し、フランス国立ギメ東洋美術館とZoomでつないだ「古典文学特論」の授業を実施したことがきっかけで、ハーバード大学の大学院生Leah Justin-Jinichさん(以下、リアさん)から、研究テーマである大田南畝(※)の画賛(絵の余白に書き添えた文章または詩歌のこと。ここでは狂歌)のくずし字を読み解く活動のチューターを依頼されました。
第1回目の活動は、2021年2月18日に実施されました。本学からは日本文学科3年次(当時・現4年次)学生2名、日本文学専攻博士課程前期1年(当時・現2年)の大学院生2名、学術研究員(助手(当時))が参加。初回ということもあり、学生たちは少し緊張気味でしたが、日本文学科の福田安典教授(江戸時代文学(俳諧・国学・小説専門))のアドバイスを受けながら、今回の課題であった画賛を全員で読み解くことができました。
学生は「各自が予習をして自分の考えを持ち寄り、Zoomの画面共有で画賛と電子くずし字辞典を確認しながら読み進めていきました。普段からどのように調べたり推測したりしてくずし字を読んでいるのかを共有することで、お互いの手法が参考になり、刺激になりました」と感想を述べています。
リアさんの研究をバックアップすることが活動の目的ですが、本学学生はリアさんから英語を教わることになり、理想的な交流となりました。隔週でくずし字と英語を教えあうこの活動は、2021年5月まで続きます。
日本女子大学は2021年4月に創立120周年を迎えた日本初の女子高等教育機関です。新しい社会を創るクリエイターとして、新しい明日を共に創る人材を育てます。
(※)おおた なんぽ:寛延2(1749)年-文政6(1823)年。江戸時代の天明期を代表する文人・狂歌師で御家人でもあった。
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