西日本電信電話株式会社(代表取締役社長:小林 充佳、以下、NTT西日本)、東日本電信電話株式会社(代表取締役社長:井上 福造、以下、NTT東日本)と大日本印刷株式会社(代表取締役社長:北島 義斉、以下、DNP)は、大学等高等教育機関向け電子教科書・教材配信サービスの普及・拡大に向けて、連携を強化します。
NTT西日本とDNPはこれまで、withコロナ、afterコロナ時代に求められる教育のデジタル化推進を目的とした協業を検討してきました※1。今後はNTT東日本を加えた協業体制のさらなる強化とともに、教科書・教材を提供する出版社と連携※2し、サービスを全国的に展開していきます。
※1 NTT西日本 プレスリリース 2020年06月29日
https://www.ntt-west.co.jp/news/2006/200629a.html
※2 大日本印刷株式会社 プレスリリース 2021年03月29日
https://www.dnp.co.jp/news/detail/10159374_1587.html
1.背景
大学では、学修者本位の教育への転換や、個々人に最適化された学修指導等の実現が求められており、こうした目標を実現する上で情報通信技術(ICT)を活用した教育のデジタル化は重要な取り組みとなっています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大および影響の長期化により、感染防止を目的とした対面授業と遠隔授業のハイブリッドでの教育が推奨され、ニューノーマルな教育環境として定着しつつあります。このような状況下で、授業の実施状況や学生ごとの学修状況の把握を可能とするリモート教育環境を整備するとともに、デジタル技術を活用した新たな教育の仕組みを構築する重要性が高まっています。
2.協業体制強化の目的
ICTを活用して社会課題を解決していく「ソーシャルICTパイオニア」をめざすNTT西日本と、P&I(印刷と情報:Printing & Information)の強みを活かして新しい価値創造をめざすDNPは、これまで大学における教育のデジタル化に向けて協業を進めてきました。
2020年6月には先行実証を行っている京都先端科学大学と武庫川女子大学において、共同で教育ICTプラットフォームの構築をするとともに、マルチデバイスに対応した教科書・教材の提供や、学修時間・学修行動の把握等の学修管理サービスを提供しました。
こうした取り組みを通じて、ICTを活用した教育のデジタル化におけるノウハウを蓄積するとともに、多くの大学等の教育機関や、教科書・教材の提供を行う多数の出版社からも事業賛同の要望を頂きました。そういったなかで今回、高等教育機関向け電子教科書・教材配信サービスを始めとする教育ICTプラットフォームの全国への本格展開を目的として、東日本エリアを担当するNTT東日本が新たに参画し、協業体制を更に強固とすることで合意しました。
3.各社の主な役割
NTT西日本
学術情報ネットワーク(SINET※3)と接続した高セキュアかつ低遅延なクラウド基盤(地域創生クラウド)、大学へのシステムインテグレーション導入、大学への営業(NTT西日本エリア)、オリジナル教材のリッチコンテンツ化支援、プレセールス大学との学修データ活用の実証実験 等
NTT東日本
学術情報ネットワーク(SINET※3)と接続した高セキュアかつ低遅延なクラウド基盤(地域クラウド)、大学へのシステムインテグレーション導入、大学への営業(NTT東日本エリア)、オリジナル教材のリッチコンテンツ化支援、プレセールス大学との学修データ活用の実証実験 等
DNP
電子教科書・教材の配信システム構築、出版社に向けた教員への電子教科書・教材販売促進支援、書店に向けた大学への提案支援、電子教科書の取次サービス、教科書の電子化支援、教員オリジナルの教材開発支援、教員・学生に向けたサービス利用支援 等
※3 日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として、国立情報学研究所(NII)が構築、運用している情報通信ネットワーク
4.主な協業内容
この度の協業では、社会的背景や教育機関および書店からの需要に対して、NTT西日本・NTT東日本が保有する高品質なICT基盤および営業ネットワークと、DNPが保有する教育コンテンツ制作・配信ノウハウを組み合わせることで、高等教育機関向け電子教科書配信サービスを全国規模へ拡大していく予定です。
また、電子教科書・教材配信事業の他に、出版社向けに教科書の電子化を促進するためのオンライン教科書・教材選定サービス並びに取次・流通支援事業の提供準備を進めるとともに、教員独自の教材を電子化するためのオリジナル教材開発・支援事業の実証的な取り組みを開始します。
これらの業界共通の仕組みを構築し、教育のデジタル化を全国で促進することで、大学等高等教育機関に対するデジタルトランスフォーメーション推進を支援していきます。
5.今後の展開
電子教科書・教材配信事業では3社共同でのサービス提供体制を整備するとともに、大学のニーズを汲み取り開発・改善に繋げることで、教育の質向上に資するサービスの実現に取り組んでまいります。
また取次・流通支援事業やオリジナル教材開発・支援事業では、さらなるニーズの検証とサービスの具体化に取り組みます。加えて、大学のアダプティブ・ラーニングをより効果的に支援する観点から、学修の可視化等を含めた新サービスの開発検討にも取り組んでいきます。
各事業において3社の強みを最大限に活かし、今後はさらなる事業領域の拡大も視野に入れて事業連携を強化し、大学と出版社のDXに資する事業を育んでいきます。
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