チェコの北西部には豊かな自然が広がっており、その中でも最も有名なのがボヘミアン・スイス国立公園です。 ドイツとチェコの国境にまたがる80km2のエリアはその97%が森林で覆われており、変わった形の岩、豊かな植生、多様な生物、新鮮な空気があるのが特徴です。この美しい国立公園を堪能する最良かつ最も簡単な方法は間違いなくハイキングです。 冬のハイキングは寒いかもしれませんが、人も少なく好きなペースでハイキングを楽しむことができる絶好の機会です。
ボヘミアン・スイス国立公園はプラハから簡単に行くことができるので、1泊2日でたっぷりとその魅力を味わってみてはいかがでしょうか?
1泊2日冬のボヘミアン・スイス国立公園ハイキングの旅
【1日目】
(1) 9時 フジェンスコ(Hřensko)から公園のシンボル「プラフチツェ門」へ
冬は日の入りが早く17時には暗くなりますが、朝早くにハイキングのスタートポイントとなるフジェンスコに到着すれば十分に探索する時間が確保できます。
フジェンスコまでは電車もしくは車が主な交通手段で、 電車で行く場合はプラハ中央駅(Praha hl.n.)からチェコ鉄道(České Drahy)に乗り、ジェチーン(Děćín)駅で乗り換えてフジェンスコ(Hřensko)駅まで行きます(2時間6分(148km))。 車の場合は約1時間39分(127.8km)で到着します。
フジェンスコからは赤色のハイキングコースを進みます。約1時間50分(4,8 km)歩くと、長年この公園のシンボルであり、世界中の観光客を魅了し続けている壮大な岩層であるプラフチツェ門に到着します。幅26.5m、高さ16mの砂岩の岩門はヨーロッパ最大の大きさで、 海抜430メートルに位置する門の下からは壮観な景色を楽しめます。この壮大な景色に魅了される映画人も多く、映画『ナルニア国物語』の数場面はここで撮影されました。
(2) 12時30分 メズニー・ロウカ(Mezní Louka)でランチ
プラフチツェ門から赤色のハイキングコース「Gabriellaトレイル」に沿って歩きます。鬱蒼と茂るブナの森とトウヒの木に囲まれた道では、静寂の中で自分のペースを簡単に見つけることができます。 約3時間23分(9.2 km)歩くと次の目的地メズニー・ロウカ(Mezní Louka)に到着。伝統的なチェコ料理を提供する素敵なレストランでランチを取りましょう。チェコといえばの飲み物を注文することを忘れないように。合言葉は「Pivo, prosím!(ビールをお願いします!)」です。ソフトドリンクが良い場合はチェコ版コーラ「コフォラ(Kofola)をお試しください。
(3) ランチの後は岩の城「シャウンシュテイン(Šaunštejn)」へ
お腹を満たした後は、癒しの旅を続けましょう。 シャウンシュテイン城は必見の岩の城です。現在は元の城はありませんが、その遺跡には倉庫や牢獄として使用されていた部屋の跡や、かつての馬小屋などが残っています。年間を通して訪れることができるこの岩の城は、階段や岩の小さな隙間を通ろうとしていた子供心を呼び起こします。個々の岩の頂上は鋼の橋で接続されており、頂上からのパノラマビューは達成感を満たすでしょう。
(4) 15時 イェトジホヴィツェで過ごす夜
シャウンシュテイン城から2km進んだところで忘れずに青色のハイキングコースに入ります。これで1日目の最終目的地イェトジホヴィツェ(Jetřichovice)に簡単に行くことができます。 イェトジホヴィツェに到着したら宿にチェックインをして夕飯を取り、1日の疲れをとりましょう。近隣には17の宿泊施設がありますが、 事前予約がお勧めです。
【2日目】
(1) 9時 「ドルスキー・ムリーン(Dolský Mlýn)」へ出発
朝ごはんをしっかりと食べたら、深呼吸をして、2日目のハイキングをスタートしましょう。イェトジホヴィツェから黄色のハイキングコースを4kmほど歩いた所に、チェコ映画の撮影で使われて一躍有名になった、苔で覆われた廃墟「ドルスキー・ムリーン」があります。元は1515年に3つの水車を持つ製粉所/製材所として建てられ、改築を繰り返しながら19世紀前半まで利用されていました。その後ビールの醸造所、クルーズレストランなどとして利用された後、第二次世界大戦後に放棄されたため廃墟となりました。そのため現在は周囲の壁の残骸のみを見ることができます。
(2) 12時15分 ルージョヴァー(Růžová)でランチ
ボヘミアン・スイスで最も古い集落の一つルージョヴァーでは、チェコの古典的な料理の1つ、スヴィーチュコヴァー(Svíčková)をランチで楽しみましょう。牛サーロインのローストに野菜のソースをかけたこの料理はクリーミーでジューシーです。ランチの後はお土産探しをしつつ腹ごなしをしましょう。天然成分と確かな品質で知られるルーベンス石鹸工場(
https://www.mydlarnarubens.cz/)のオーガニックソープや、健康的なボヘミアン・スイスの牧草地で放牧された牛の乳から作られる ファルマ・ルージョヴァ(
https://www.farmaruzova.cz/)のチーズなどを近くのお店で見つけることができます。
(3)14時 ヤノフ(Janov)の展望台へ
首と足首を回して凝った筋肉をほぐしたら、ハイキングを続けましょう。 黄色のハイキングコースを約1時間(4.2 km)歩くと、木骨造りの家と居心地の良いレストランが立ち並ぶ小さな村ヤノフに到着します。ここには高さ40mの展望タワーがあり、ボヘミアン・スイスの美しい景色を眺めることができます。天気の良い日には、ここからイェシュチェト山も見えます。展望タワーは毎日(月〜日)一般公開されており、入場は無料です。
(4)17時 再びフジェンスコへ
ヤノフからフジェンスコまではわずか45分です。フジェンスコからは再び電車か車でプラハまで戻ります。
ボヘミアン・スイス国立公園の冬の静けさとその美しさで心と体の疲れが癒されることでしょう。防寒着と冬用のハイキングシューズをお忘れなく。