日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、鉄骨系住宅であるスチールハウス工法の開発を進めてきていますが、住宅分野全体での薄板需要の拡大を目指して、木造住宅での鋼板使用量の拡大も図るべく、スチールハウス工法で獲得した知見・技術を用いて、木造住宅向け金物の開発にも注力しています。
わが国国内の2018年度の新設住宅着工戸数は953千戸ですが、その内訳は、木造542千戸、鉄筋コンクリート造248千戸、鉄骨造157千戸となっており、住宅着工に占める木造住宅の割合が大きいもの(特に、戸建住宅は約90%が木造になっています)となっています。木造住宅は在来工法と、柱と梁の接合に強固な接合金物を用いる金物工法に大別されますが、近年、耐震性能の向上ニーズの高まりから金物工法が増加(木造住宅における金物工法の割合は約35~40%)しており、日本製鉄は金物工法を支援することにより、木造住宅での薄板の使用量拡大を促進しております。
この度、日本製鉄は、住宅用金物メーカーの株式会社タツミ(新潟県見附市 山口紳一郎社長 以下、(株)タツミ)と共同で、(株)タツミが展開する木造住宅(金物工法)向けの接合金物「テックワン®」を更に進化させた新型金物「TCW」を開発しました。
今回の新型金物は、日本製鉄と(株)タツミが約4年前にプロジェクトチームを立ち上げて開発に着手しました。日本製鉄は、スチールハウス工法(NSスーパーフレーム工法®)における薄板の利用技術を用いて、接合金物として最適な素材と形状を提案しました。この提案をベースに(株)タツミは、同社が培ってきた金物工法のノウハウ及び金物製造技術を融合させることにより、従来のテックワンに比べてコンパクトでありながら耐力がアップした新しい金物を実現しました。
新型金物は、400MPa鋼(スーパーダイマ®)を使用し、シンメトリーな2個のL型金物を柱接合面で重ね合わせて構成されており、これにより接合金物における重要部分と過剰部分の最適化が図られました。
現在、(株)タツミでは新型金物の量産を進めており、本年11月を目途に順次出荷が開始される予定です。
新型金物「TCW」の詳細は、以下の(株)タツミのURLをご参照ください。
https://www.tatsumi-web.com/news/505/
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献して参ります。
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以 上