日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、第2回エコプロアワードにおいて、鉄鋼スラグを活用した鉄分供給材「ビバリー®シリーズ」にて「主催者賞(優秀賞)」を受賞しました。表彰式は本年12月5日に「エコプロ2019」会場内にて実施されます。
エコプロアワードは、日本市場において事業者、消費者、投資家、さらには市場関係者に評価が高く、具体的に優れた環境配慮が組み込まれた製品、サービス、技術、ソリューション、ビジネスモデルといった案件のさらなる開発・普及の促進を図り、持続可能な社会づくりに寄与することを目的とした賞です。
1.ビバリー®シリーズの特徴・効果
ビバリー®シリーズには、製鉄プロセスから発生する鉄鋼スラグを活用した、鉄分供給材であるビバリー®ユニットと人工石材であるビバリー®ロックの2種類があります。いずれも日本の沿岸で大きな問題となっている磯焼け(海の砂漠化)に対して、人工的に藻場造成する際の資材として開発されました。
(1)ビバリー®ユニット
ビバリー®ユニットは、鉄鋼を生産する過程で発生する副産物を活用した鉄系の肥料です。これまでの海向けの肥料の主流は、窒素やリンであったのに対し、ビバリー®ユニットは磯焼けの原因の一つである海水中の鉄不足に着目した鉄系の他に類を見ない肥料です。製鋼スラグと腐植物質の混合物であり、いずれも既存の資源を有効活用しながら、海水への鉄分供給を可能にしています。ビバリー®ユニットで藻場を再生した事例として、北海道増毛町では2011年に海岸線300mにビバリー®ユニット36tを埋設し、その後3年間で海水中の全鉄濃度は、71倍に増えました。その結果、藻場が6.4倍に拡大。さらに、エサ(コンブ)を求めたウニが蝟集し、ウニの漁獲高が1.8倍に増え、漁業の再興にも貢献しています。
(2)ビバリー®ロック
ビバリー®ロックは環境負荷が極めて小さい人工石で、原料のほとんどが鉄鋼スラグです。原料の焼成が不要なため、コンクリートブロックと比較してCO2排出量を約80%抑制することが可能な、地球に優しい製品です。また、海藻の付着についてもコンクリート資材と同等以上となります。
日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した製造プロセスの開発、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献して参ります。
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