チェコは日本と異なり、海にも太洋にも面していない内陸国です。そんな海なし国のチェコで最も良く使われている「Ahoj」という挨拶言葉は実は世界中の船乗りに使われていた言葉で、面白いことにチェコ人の多くはボートに慣れ親しんでいるのです。なぜなのでしょうか。それはチェコ人が川と深い関係があり、川でボート遊びをするのが大好きだからです。

ところで多くの日本人は、小学校で有名な「モルダウ」を歌うことで、初めてチェコの文化に触れたことでしょう。このチェコ人の作曲家ベドジフ・スメタナによって作曲された「モルダウ」は、チェコで一番長い川についての歌なのです。チェコ人と川がいかに深い関わりがあるかお分かり頂けたでしょうか？

では、チェコではどのようにボートレジャーを楽しむでしょうか？川にまつわる伝統はどのようなものなのでしょう？そして簡単に参加できるのでしょうか？

チェコの川でボート遊びを楽しむ

チェコでの川レジャーは観光客ももちろん楽しめます。むしろ美しいチェコの新たな一面を見ることができるので、ぜひ体験してみましょう。

経験がないから心配だという人もご心配なく。ボート遊びはそこまで難しくありません。ボート遊びとは、カヌーやゴムボート、カヤックで川を下っていくことを意味しているからです。また、チェコの川は静かな流れのものが多いので、高い運動神経も必要ありません。どんな人でも簡単にチャレンジングな場所に行くこともできます。ただし、ボートがひっくり返る（チェコ語で「cvaknout se/ツワクノウトセ」）可能性があるので、泳ぎ方はマスターしておくことをお勧めします。

川レジャーを楽しむ時には、「cvaknout se/ツワクノウトセ」のような特別なチェコ語を知っておくのは良いことですが、実際には「ahoooj!/アホオオイ!」と大きく長く挨拶することができれば十分です。川で沢山の仲間と出会い、陸に上がってからも沢山の人から「Ahoj!/アホイ!」と挨拶されるでしょう。

ボートが楽しめる川は、美しい観光地に近い大規模なキャンプ場を備えていることがほとんどです。ボート遊びをするには、防水ケースや、激流に乗る人はヘルメットや救命ベストなどの道具が必要です。そういった道具やその他の道具をレンタルする送迎付きの会社もあるので必要に応じて利用してみましょう。

川開きからシーズンの終わりまで～チェコの川の伝統

チェコでは「川の開錠」と呼ばれる川開きの日から、川下りやラフティングを楽しむシーズンが始まります。川開きでは、川の妖精や守護聖人チョフタン（日本の河童みたいなもの）、聖人サーザヴァへの祝福をもって川が解放されます。各地の川それぞれが異なる伝統を持っており、川レジャー愛好家たちとゲームを楽しむこともできます。3～4月の川開きシーズンには個性的な衣装を着て、川の歌を歌いながらボートに乗る人々を見てみましょう！

川レジャーのシーズンは、学校の夏休み中である７～８月にピークを迎えます。この時期はキャンプ場や道具の予約を事前にするのが良いでしょう。そして重要なことは、ボートを漕ぎながらの飲酒は違法だということ。多額の罰金を払うことになるので必ずルールを守りましょう。その代わり、遊んだ後は地元のパブでお酒を飲み、新しい友人を作って楽しい夜を過ごせば良いのです。

「川の開錠」で始まったこのシーズンは、秋を迎える10月頃「川の施錠」で終了します。この時期もまた、変わった衣装を着たり、ゲームを楽しんだりと最後の川レジャーを楽しみましょう。ただし、水がとても冷たくなっているので、「cvaknout se/ツワクノウトセ 」しないように気を付けましょう。

経験者やチャレンジャーも楽しめるチェコの川

川レジャーの経験がある人には、少し激流を楽しむことができる場所もあります。チェコの川の難易度は、Alpinシステムと呼ばれるシステムに基づき定められています。
ビギナーや川をゆったり楽しみたい人は、最も簡単である穏やかなZWレベルの川、例えばベロウンカ川がお勧めです。それ以上はWW IからWW VIまで難しさのレベルがあり、WW Iのレベルからはヘルメットとベストを必ず利用しましょう。WW VIレベルについては自己責任を負えるプロの人のみ挑戦してください。難しさのレベルは天気によっても変わるのでご注意を。
今年はチェコで川レジャーを楽しんでみませんか？アホイ！！

その他の情報:http://rivers.raft.cz/（チェコ語）