室内にも逃げ場なし!紫外線による“ちりつもダメージ”に要注意

紫外線UVAは、室内にも屋外の約80%が入り込んでいる

 3月に入り、だんだんと日が長くなるにつれ、太陽の日差しが強まる今日この頃。紫外線が気になるシーズンがやってきました。紫外線は、弱くても浴び続けることによって体内に蓄積され、日焼けはもちろん、シミやシワの原因になり、肌に“ちりつもダメージ”を与えると言われています。

 今回ユニクロは、直射日光を浴びる屋外だけではなく、紫外線が入ってこないと思われがちな「室内」に着目し、紫外線が室内にどの程度入るものなのかを実験しました。実験は、紫外線による皮膚の老化(光老化)研究の第一人者である市橋正光先生(神戸大学名誉教授)監修のもと、波長が長いためガラスを透過しやすく、肌のシワやたるみの原因にもなる紫外線UVAをガラスに照射し実施しました。実験の結果、これまであまり知られていなかった事実として、「室内にも、屋外で浴びる約80%の紫外線UVAが入ってきている」ということが判明しました。本リリースでは、実験結果に加え、市橋先生に伺った紫外線UVAが皮膚に与える影響をご紹介します。

イラスト:進藤やす子

「紫外線のガラス透過率に関する実験」結果サマリー
  • 紫外線UVAは、室内にも屋外で浴びる紫外線量の約80%が入ってきている​​​​​​​
専門知見サマリー
  • 60歳までシミを作らないために1日に浴びられる太陽紫外線の量は、晴れた真夏の正午で3.27分まで
  • 10~15分間のちょっとした外出でも、わずか7~10日間紫外線UVBとUVAを浴び続けるだけで、体内にダメージが蓄積されて皮膚の抵抗力が落ちる
  • 紫外線UVAは冬になくなるわけではない。冬でも夏の半分程度の量があるため、年間を通して紫外線UVAへの注意が必要(UVA紫外線量「冬:夏=1:2」/ UVB紫外線量「冬:夏=:1:5」)
  • 大量の紫外線から一旦受けたダメージは、完全に回復することは困難。大切なのは、こまめな予防。外出時はもちろん、室内でも日常から取り入れられる簡単な紫外線対策をすることで、未来の肌は確実に変わる
 日差しが強くなる季節は、外出時に日焼け止めを塗ったり、日傘を差したり、すでに対策している人も多いと思います。しかし、実験の結果からも分かるように、紫外線を浴びるのは屋外だけではありません。「窓際で日差しを浴びていた側だけシミが多い気がする」「室内の壁紙や、椅子にかけていた衣服が色褪せてしまった」などという経験はありませんか。「室内にいる時間が長いから」と思っていても油断は禁物です。紫外線が徐々に強まるこの時期だからこそ、うっかり対策を忘れがちになる、買い物やランチ時のちょっとした外出はもちろん、室内にいたるまで、紫外線対策にさっと羽織れる衣服を取り入れ、気軽に肌を“ちりつもダメージ”からガードしましょう。​​​​​​​

<「紫外線のガラス透過率に関する実験」について>
◎紫外線UVAは、室内にも屋外で浴びる紫外線量の約80%が入ってきている
 実験は、光源と紫外線強度計の間に、住宅やオフィスビルで使用されている透明複層ガラス、Low-E複層ガラス、単板ガラスの3種のガラスをそれぞれ設置した上で、擬似太陽光(紫外線UVA)を照射し、実施しました。また、外の日差しを想定したガラスなしの状態でも実施しました。結果、外で浴びる紫外線量の約80%の紫外線UVAが、ガラスを透過して入ってくることが判明しました(図1参照)。今回の実験結果からも分かるように、屋外にいるときだけではなく、室内にいるときもじわじわ浴びる紫外線UVAには、注意をはらわなければなりません。また、紫外線UVAの1日の変化を見ると、紫外線量が最大になるのは正午頃ですが、朝方の7時から午後3時までの日中ほとんどの時間においては注意が必要であることが分かります(図2参照)。


【実験概要】
調査名: ガラスの種類による紫外線強度に関する実験
試験依頼先: ユニチカガーメンテック株式会社
実験方法: 擬似太陽光ランプを用い、光源と紫外線強度計の間に3種のガラスを置き、
UVA波長帯域の紫外線強度を測定(注)。また、ガラスなしでも測定した。
(注):波長300nm以上の擬似太陽光を照射し、紫外線強度計で320-400nmの強度を測定。
*本実験の結果は、一定の条件下で得られたものです。


<市橋先生による専門知見について>
◎60歳までにシミを作らないために1日に浴びられる太陽紫外線の量は、晴れた真夏の正午で3.27分!
 「紫外線=日焼け」というイメージが強いかもしれませんが、紫外線の影響は日焼けだけではありません。そもそも地上に届く紫外線には、主に「UVA」「UVB」の2種類があります。比較的短時間で赤くなり、その後皮膚が黒くなる日焼けといった影響が出る紫外線UVBについては気にする方は多いですが、実は、特に注意が必要なのは目に見える日焼けをせず、目に見えないところでシミやシワの原因になる紫外線UVAです。60歳までにシミを作らないために赤ちゃんの時から対策を始めるとすると、素肌で1日に浴びられる紫外線の量は、真夏で3.27分、春と秋はわずか6.6分、冬でもたった16.3です(出典:Exp Dermatol 23 Suppl 1:43-46, 2014,「60歳または80歳までシミのない肌を保つには、1日何分まで紫外線を浴びられるか」)。

◎10~15分間のちょっとした外出でも、わずか710日間紫外線UVBUVAを浴び続けるだけで、体内にダメージが蓄積されて皮膚の抵抗力が落ちる
 ランチやゴミ出し、子どもの送り迎えや買い物など、10~15分間(うっすら日焼けする半分の量)のちょっとした外出でも、7~10日間紫外線UVBを浴び続けた場合には、皮膚の細胞遺伝子には傷がつき、さらに抵抗力が落ち、将来的なシワや良性腫瘍のイボの原因になってしまいます。紫外線UVAは遺伝子に傷をつけにくい(UVBの約千分の一と弱い)ですが、ダメージは皮膚深くまで透過し、活性酸素を作り皮膚に害を与え、将来的なシワに繋がります。

◎紫外線UVAは冬になくなるわけではない。冬でも夏の半分程度の量があるため、年間を通して紫外線UVAへの注意が必要(UVA紫外線量「冬:夏=12/ UVB紫外線量「冬:夏=:15」)
 冬になれば、紫外線はなくなると思っていませんか?皮膚が黒くなる日焼けの原因になる紫外線UVBの照射量は「冬:夏=:1:5」と、冬は夏の紫外線量の20%しかありませんが、シワの原因になる紫外線UVAは、「冬:夏=12」なので、冬でも夏の半分程度の照射量があります。紫外線UVAは年間の変動が少ないため、年間を通じて紫外線UVA対策をすることが重要です。さらに、方角によっても紫外線の違いがあります。南から浴びる直射光以外に、実は北からや日陰でも散乱光という形で紫外線は到達しています。北だから、日陰だから、と言っても安心することはできません。

◎紫外線から一旦受けたダメージは、完全に回復することは困難。大切なのは、こまめな予防。
日常から取り入れられる簡単な紫外線対策をすることで、未来の肌は確実に変わる
 一旦受けてしまった肌へのダメージは完全に回復することは望めません。紫外線で皮膚の細胞遺伝子に生じた傷は、24時間で半分の50%のみ修復できます。毎日紫外線を浴び続けていたら、回復が間に合いません。先に説明した通り、紫外線UVAは紫外線UVBに比べ遺伝子に与える傷は少ないですが、活性酸素を作り、遺伝子以外にも細胞の脂肪、たんぱく質、さらには糖質を酸化させます。その結果、働きの落ちた物質が皮膚に蓄積します。
 本来、肌に与えるダメージを考えると、60歳まで若い皮膚を保つためには赤ちゃんのときから対策をしないと意味がありませんが、成人後も未来の肌は、外出時はもちろん、室内でも日常から取り入れられる紫外線対策をすることで確実に変わります。外出の際は、日影を歩くように意識するだけでも変わってきます。短時間の外出で対策をうっかり忘れてしまいそうな場面や、室内ででもさっと上着を羽織ったりすることが大切なポイントです。羽織る上着はUVカット機能の高い衣服を選んで着るなど、服選びも重要な要素です。しっかりと肌を守れば、年を重ねても若々しい肌を維持できます。

<監修:市橋 正光(いちはし まさみつ)先生>
神戸大学名誉教授・アーツ銀座クリニック院長
徳島県出身。神戸大学医学部卒業。平成4年神戸大学教授。紫外線による皮膚の老化(光老化)の研究の第一人者、色素沈着などの肌の障害に関する研究分野で世界的に認められている。近年は、再生医療の研究にも尽力している。第33回日本皮膚科学会西部支部総会金賞、第14回清寺眞記念賞、インドネシア大学医学部名誉賞など受賞。若々しい肌の回復維持のための食事、サプリメントや運動などのアンチエイジングの専門家としても活躍中。


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この企業の情報

組織名
株式会社ユニクロ
ホームページ
http://www.uniqlo.com/jp/
代表者
柳井 正
資本金
100,000 万円
上場
(旧)東証1部
所在地
〒107-6231 東京都港区赤坂ミッドタウン・タワー
連絡先
03-6865-0296

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