世界最大規模の調査会社であるニールセンと、アント フィナンシャル サービス グループが提供するデジタル決済サービス「アリペイ」は共同で、中国人観光客の海外での消費と決済関連の洞察について分析した報告書「Outbound China Tourism and Consumption Trend:2017 Survey」を発表しました。
近年、中国の中間所得層を中心に収入が著しく上昇しており、それに伴い旅行は予算を重視するのではなく、旅行先で何が体験できるのか、何が魅力なのかが重視されるようになりました。旅行先を選定する際の基準のランキングでは、第1位が「そこでしか見られないきれいな景色」(56%)で、「旅行予算」(34%)は第5位となっています。日中国人観光客は年々増加傾向にあり、実際に今回の調査でも、中国人の人気旅行先ランキングで、香港に次ぐ2位にランクインしていたことがわかりました。
調査では、中国人観光客の海外旅行中のショッピングにおける平均消費は、762ドルでした。中国以外の対象国の平均予算は486ドルで、中国が他国を大きく上回り、高い購買力を有していることがわかります。中国人観光客の消費ランキングでは、1位:ショッピング(25%)、2位:宿泊(19%)、3位:飲食(16%)となり依然ショッピングにかける金額は大きいことが読み取れます。一方で他国の旅行者は宿泊(29%)に使う予算が1位となっています。またショッピングだけでなく、旅行中全体における平均消費金額は、日本では2,952ドルとなっています。
- 90%以上が対応店舗であれば、モバイル決済を海外でも利用したいと回答
中国ではモバイル決済が爆発的に普及しています。今回の調査でも、中国人観光客の65%が直近の海外旅行でもモバイル決済を利用しており、その理由は、「便利で中国でも使い慣れているため」と答える人が64%を占めました。いまや中国国内だけでなく、海外においてもその利用シーンは増えています。また調査では、91%の中国人観光客が海外の店舗で中国のモバイル決済サービスを利用できたら購買意欲が向上すると答えています。
アリペイは海外旅行を楽しむ中国人にとって欠かすことのできない存在になりつつあり、本調査における中国人調査対象の99%がアリペイをダウンロードしていました。実際に、直近の海外旅行でアリペイを使用した方の割合は63%で、現在は海外での導入先が限られてはいますが、「アリペイ対応店舗であれば、アリペイでの決済を検討したい」と答えた方は94%となりました。主な利用先は、免税店や百貨店、大型スーパー、コンビニエンスストアなどが挙げられています。
今回の報告書は、中国人旅行者の消費と支払いに関する分析・洞察をまとめ、今後の旅行動向を推測するものです。特に海外旅行中の消費、支払い、モバイル決済に焦点をあてており、旅行中の決済環境や、旅行先に求めるものなど、中国人の旅行中の消費に関する最新動向が見えてきました。
アリペイは、世界最大規模の決済と生活関連のサービスを融合したプラットフォームです。アクティブユーザー数は5.2億人を突破しており、中国以外の国でもクロスボーダー決済や対面決済、免税などのサービスが世界38の国と地域で利用できます。日本においては4万店以上(2017年12月時点)で、決済サービスが利用可能です。
【その他ご参考情報】
●日本の観光地ランキング
1位:東京ディズニーリゾート、2位:富士山、3位:東京タワー、4位:北海道
●モバイル決済を選ぶ理由
中国で使い慣れているため便利 64%
見慣れた決済ブランドを見て親近感が沸く 48%
為替不要で、レートに優遇がある 43%
ディスカウント・クーポンがある 36%
広告宣伝を見たから 24%
店員や他の人からのおすすめ 21%
※調査概要※
調査対象:過去1年以内の海外旅行経験者および1年以内に海外旅行予定者
調査人数:中国2,009人、アメリカ201人、イギリス111人、フランス100人、韓国100人、日本101人
対象年齢:20-50代