【お知らせ】味の素株式会社、三井記念病院総合健診センター 4年間の受診者を対象としたアミノインデックスⓇがんリスクスクリーニング(AICS(R))の有用性に関する論文を発表
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、血液中のアミノ酸濃度バランスから、1回の採血で7種のがんである可能性を評価する「アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング(AICS(R))」を開発し、予防医学領域で展開しています。
この度、当社と、日本人間ドック学会副理事長でもある足利工業大学看護学部学部長、三井記念病院総合健診センター特任顧問の山門實先生を中心としたグループが、約4年間にわたる5,172例の受診者を対象としたAICS(R)の有用性に関する検討を行い、AICS(R)によるがんの早期発見、早期予防における有用性を示唆した研究結果を人間ドック学会誌*に発表いたしましたので、ご報告いたします。
研究の概要
■方法
AICS(R)は、ランクA、B、Cの3段階に分類して採血時のがんの罹患リスクを判定します。本研究では、2011年9月~2015年12月に三井記念病院総合健診センターでAICS(R)を受診した男女5,172例(男性2,757例、女性2,415例)を対象としています。ランクA、B、Cの中で最もがんに罹患しているリスクが高いとされるランクC判定者に対し、それぞれの精密検査(図1)を実施し、実際にがんに罹患していた確率(陽性的中率)を算出しました。(表1)男女5,172例の年齢は24歳から88歳で、平均年齢は男性59±11歳、女性58±11歳でした。
図1 各種AICS(R)ランクC判定者に対する精密検査フロー
表1 各種AICS(R)の陽性的中率
■結果
AICS(R)のランクC判定者で精密検査実施例の中から、肺がん1例、胃がん3例、大腸がん3例、前立腺がん6例、乳がん4例の合計17例が発見されました。本研究での各種AICS(R)の陽性的中率は、AICS(肺):0.37%、AICS(胃):0.75%、AICS(大腸):1.19%、AICS(前立腺):1.80 %、AICS(乳腺):3.57%、AICS(子宮・卵巣):0.00 %で、大腸、前立腺、乳腺においては、AICS(R)開発時の陽性的中率と比較して高い値を示しましたが、肺、胃、子宮・卵巣の陽性的中率は低い値を示しました。
全体では、AICS(R)受診者5,172例中、ランクCから合計17例のがんが発見されたことからAICS(R)によるがん発見率は0.33%となり、2015年度人間ドック全国集計報告の0.26%を上回る結果でした。また、各種AICS(R)のランクC判定者からは、がん以外にも肺結節病変、腸上皮化生、高度異型性腺腫等のがんに発展する可能性のある危険病変も発見されました。
■結論
AICS(R)のランクC判定者から各種の早期がんやがん発生の危険病変が発見されたことから、AICS(R)は、ハイリスクスクリーニングがん検診として、がんの早期発見とともに早期予防にも有用な検査である可能性が示唆される結果となりました。
AICS(R)の検査精度の検証にはさらなる研究結果の蓄積が必要ですが、本研究を継続することにより、その意義を今後も検討していきます。
*論文の題名と著者
新規がん検診としてのアミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング(AICS(R))の有用性に関する検討 第三報
山門 實1,2)、山本浩史3)、菊池信矢3)、新美佑有2)、谷 瑞希2)、戸田晶子2)、
山本麻以3)、石坂裕子2)
1) 足利工業大学 看護学部
2) 三井記念病院総合健診センター
3) 味の素株式会社イノベーション研究所
【補足】
《アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング( AICS(R) )》
血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析することで、現在がんである可能性を評価する検査。2011年4月よりサービスを開始し、2017年4月末時点で、人間ドックを中心に全国で約1,200施設の医療施設で採用。1回の採血で、男性では5種類のがん(胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がん)、女性では6種のがん(胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん、子宮がん・卵巣がん)の罹患の可能性を評価する。早期のがんにも対応。
【本件に関するお問い合わせ】
「アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング(「AICS(R)」)」広報事務局
(フライシュマン・ヒラード・ジャパン内)
担当:北澤(きたざわ)、蜷川(にながわ)
Tel:03-6204-4341/4359 Fax:03-6204-4302