平成28年熊本地震前後の空室率変化
- 三幸エステート株式会社
- 2016年08月30日
- 13:00
三幸エステート株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:種田 充博)は、2016年4月14日に発生した平成28年熊本地震前後の空室率を独自調査に基づき算出し、発表します。
● 空室率 地震直前から6ポイント低下
● 空室率 福岡市より大きく下回る
● 東日本大震災後の仙台市と共通点
● 今後の展望 低水準の空室率が続くと予想
被災しても熊本市内に留まる企業が多い
地震発生から約2ヶ月が経過した6月の空室率は、地震発生直前と比較して6ポイントのマイナスとなり、1%台に低下した。
満室ビルは、地震発生直前の19棟から40棟へ大幅に増加し、調査対象53棟の約4分の3を占めている。
九州内における空室率の比較では、福岡市(全規模ビル)の5.26%を大きく下回る。
全国的に見ても空室率が1%台を記録しているエリアは少なく、需給関係が極めて逼迫している東京都渋谷区(全規模ビル)の1.80%と同水準に達している。
復興関連需要で空室床が大量に消化されたことに加え、被災して貸し止めとなるビルも少なからずあり、空室率が大幅に低下した。
被災したテナントが熊本市から転出するケースは少なく、大半は熊本市内でオフィスを確保していることも、空室率低下の要因として上げられる。
東日本大震災前後の仙台市(全規模ビル)空室率を見ると、震災直前の2011年2月は20.12%であったが、震災から2ヶ月が経過した2011年5月は16.52%と、3.6ポイント低下している。
仙台市の場合、空室率の低下幅は熊本市を下回るが、現空室面積の減少幅は熊本市の2,824坪を大きく上回る19,021坪に達している。
マーケットの規模が異なるため単純比較は難しいが、両市とも復興関連需要が空室床を大量に吸収した点は共通している。
駐車場については、機械式駐車場の復旧が遅れていることや、「熊本交通センター再開発」工事関連で月極駐車場が既に押えられていることなどから、オフィス以上に確保が困難である。市内中心部では月極駐車場が少なく、コインパーキングを利用するケースが多い。
直近2.96% 6月から上昇
6月から8月にかけては、空室率は1.17ポイント上昇した。
上昇の理由は、地震直後に一時的に短期賃借したテナントによる解約の影響と推測される。
満室ビルは36棟とやや減少しているが、地震直前との比較では高水準を維持している。
今後のオフィスマーケットの展望 (福岡支店長 中村龍治)
新規供給予定はダイエー熊本下通店跡に来年3月竣工予定の「下通NSビル」のみである。
店舗フロアがメインのビルであるため、オフィス用途フロアの賃貸面積は、合計1,000坪を下回る。
復興関連需要が堅調であることや新規供給が少ないことなどを鑑みると、空室率は低い水準でしばらく推移すると予想される。
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