新技術IsoVu(TM)により1,000,000対1のコモンモード除去を実現
報道発表資料
2016年4月12日
テクトロニクス(代表取締役 米山 不器)は、電気-光センサを使用してDUT(Device Under Test、被測定デバイス)とオシロスコープの完全なガルバニック絶縁を可能にした新技術IsoVu(アイソビュー)を発表します。これは、大きなコモンモード電圧がある場合でも、高い周波数の差動信号を正確に測定することを可能にする、業界初の測定ソリューションです。また、この技術は、外部干渉や放射エミッションに対する電磁耐性も提供しますので、EMIが測定に及ぼす影響を最小限に抑えることもできます。
従来、GaNやSiC技術を含むパワー・デバイス設計や、その他の高速アプリケーションに携わるエンジニアには、コモンモードの干渉があるなかで差動信号を正確に視覚化する方法はありませんでした。そのため、こうした信号は隠されてしまい、回路内で何が起こっているのかの確認が困難になり、デバッグや特性評価に時間を要する原因になっていました。また、エンジニアはノイズが多い環境や、大きなEMIがあるなかでの測定の難しさにも直面していました。
今回発表するIsoVu技術は、このような課題を解決する可能性を持っています。IsoVuでは、電気-光センサで入力信号を光変調信号に変換し、これにより、DUTとオシロスコープは電気的に絶縁されます。IsoVuは4つの独立したレーザ、光センサ、5本の光ファイバと精巧なフィードバック/制御技術で構成されています。テスト・ポイントに接続されるセンサ・ヘッドは電気的に完全に絶縁されており、電源は光ファイバの一本から供給されます。この技術では、10件の特許が出願されています。
テクトロニクス、タイム・ドメイン・ビジネス・ユニット、シニア・バイス・プレジデントのアール・トンプソン(Earl Thompson)は、次のように述べています。「これは、今まで解決できなかった困難な問題を解決しようとする、テクトロニクスの革新的アイディアのなかでも傑出的な例です。オシロスコープとDUTを電気的に接続する限り、測定結果への影響を避けることはできません。光接続に移行することにより、この技術はこうした問題を払拭し、結果としてパワー測定やEMIテスト・システムの最高レベル水準を飛躍的に進化させる可能性を持ちます」
IsoVu技術は、実証レベルではDC~100MHzで120dB(1,000,000:1)以上のコモンモード除去を実現しており、これは、従来の測定システムに比べて33,000倍優れた性能です。1GHzでは80dB(10,000:1)のコモンモード除去となり、従来の測定システムの1,000倍優れています。結果として、コモンモードの干渉なしに、回路のどこでも測定することが可能になります。
この技術を使うと、DC~1GHzで2kV未満の大きなコモンモード電圧があった場合でも、小さな差動信号(5mV~50V)を正確に測定できます。これはコモンモード電圧の定格が周波数によって低下することのない、世界初の信号アクイジション製品になります。優れた汎用性に加え、3mの光ファイバ・オプションと同じ性能を持った10mの光ファイバ・ケーブルのオプションも計画されています。これにより、DUTの干渉や放射エミッションからテスト・システムを離すことが可能になります。これは、リモート・テストやEMI検証などのアプリケーションに最適です。
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