文教大学越谷キャンパス(埼玉県越谷市)の図書館では、戦前戦中の教科書資料、また戦後の文部科学省の検定済教科書を収集しており、一部を除いてほぼ全て手にとって見ることができる。教師を目指す学生だけでなく、卒業生や近隣学校の教員が研究のために訪れる。
私立大学で初めて教員養成を目的とした教育学部を設けた文教大学。その教育学部がある越谷キャンパスの図書館には、「教科書コーナー」が存在する。教科書コーナーには、小学校の文部科学省検定済教科書を中心に、中学校や高等学校、特別支援学校の教科書のほか、アメリカや中国、ロシアなどの海外の教科書など、各種の学校教科書がまとめて置かれている。
また、同大の教育学部が開設された1960年代以前の文部科学省検定済教科書についても、各方面からの寄贈によってかなり広い範囲で収集されており、戦前の教科書も所蔵している。その冊数は、指導用と学習者用の教科書を合わせて、小学校9,766冊、中学校3,816冊、高校1,375冊、復刻版や叢書など955冊、合計15,912冊に上る。
また、普段は配架されていないが、貴重書として所蔵している「漢籍コレクション」の中には「往来物」と呼ばれる平安時代末期から明治時代前期に使用された初等教科書があり、2014年に行われた館内展示では、教科書コレクションとともに展示した。
教科書コーナーに配架されている教科書は、自由に利用できる。教職を志す学生達が教育実習の事前準備や教科研究に用いるだけでなく、卒業生や近隣地域の教員が、新旧教材の比較やより良い教材を求めてこのコーナーを訪ねてくる。
また、古くからの教科書を蓄積していることで、学生だけでなく一般の利用者の興味を引くこともある。学校見学会などの際にこのコーナーを紹介すると、昔自分が使っていた教科書を探し、感慨にふける保護者も少なくない。時には、幼少時に読んだ教科書の挿話の題や作者について、学外から調査依頼がくることもある。
また、図書館だけなく、同大付属教育研究所では、世界23カ国合計1,891冊の小学校、中学校、高等学校の教科書や最新版のデジタル教科書を所蔵しており、毎年10月末に行われる学園祭で「世界の教科書展」として、そのコレクションの一部を展示している。
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