三重大学との共同研究において、換気が昼寝の回復効果を促進する可能性が示唆される

学術誌掲載・学会発表を通して研究の学術的有用性が評価

 一般家庭用レンジフード国内シェアNo.1※1の富士工業株式会社(神奈川県相模原市/厨房機器製造・販売/代表取締役社長 柏村浩介 以下、FUJIOH※2)と三重大学研究基盤推進機構半導体・デジタル未来創造センターの湯田恵美教授は、換気が昼寝の回復効果に与える影響について共同研究を実施しました。その結果、換気が昼寝による身体機能の回復を促進する可能性があることを確認しました。本研究の成果をまとめた論文は、センサー技術分野の国際学術誌『Sensors』に掲載されるとともに、人間と環境の関係を研究する日本生理人類学会においてポスター発表がおこなわれ、関連分野の専門家から研究の学術的有用性が認められました。

『Sensors』論文掲載Webサイト:https://www.mdpi.com/1424-8220/26/9/2716

※1富士工業グループは、一般家庭用レンジフード供給台数国内シェア No.1。(2021年4月 東京商工リサーチ調べ ODM 生産品含む)
※2 FUJIOHは、富士工業グループの企業ブランドです。



左:昼寝中の異なる換気条件下における自律神経のバランスを示す指標(LF/HF比)の反応。
値が高い時は交感神経が優位な緊張状態。
右:昼寝中の異なる換気条件下における副交感神経を示す指標(HF比)の反応。
値が高い時は副交感神経が優位なリラックス状態。

■研究成果の要点
 本研究では、心拍変動(HRV)を指標として、換気が昼寝の回復効果に与える影響を心拍変動と自律神経バランスという客観的データにより評価しました。その結果、良好な換気環境では身体機能の回復がより促進される可能性が示唆されました。

■主な発見
・覚醒後の自律神経のバランスを示す指標(LF/HF比)に換気の影響が見られ、疲労回復や集中力改善につながる自律神経の安定化に、良好な換気が寄与する可能性が示された。
・多くの被験者において、良好な換気条件と心拍間隔の変化の大きさを示す指標(pNN50)に有意な相互作用が観測された。一方、一部の被験者では換気が不十分な条件下において有意な相互作用が観測された。
これらの結果から、換気の効果は性別などの個人的要因により異なる可能性が示唆された。

■今後の展望
 本研究は、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)に採択されたプロジェクト『低サンプリング生体情報を活用した感応型モビリティのインタラクション設計』の一部であり、社会実装に向けた展開が期待されています。将来的には、研究成果を応用した換気システムを、オフィスや休憩スペースに導入することで、休憩時の回復効率向上が期待されます。
一方、本研究はサンプル数が少なく個人差も大きいことから、今後は被験データの拡充に加え、睡眠状態の客観的な測定や認知機能の評価を取り入れ、昼寝時の換気による作業パフォーマンスや健康への影響をより詳細に明らかにしていきます。

■研究の背景
 オフィスでの作業パフォーマンス向上の手段として、疲労回復や集中力維持に有効な昼寝が注目されています。しかし、これまでの昼寝に関する研究の多くはアンケートなどの主観的評価にとどまり、生体情報に基づく客観的評価の研究は十分とは言えませんでした。また、換気不足による室内CO₂濃度上昇は眠気や注意力の低下を引き起こす可能性がありますが、換気が昼寝の回復効果に与える影響については、これまで体系的に検討されていません。そこで本研究では、室内の換気条件が昼寝の回復効果に与える影響を、心拍変動と自律神経バランスから検証しました。

■研究概要
・被験者:喫煙習慣がなく、心疾患・呼吸器疾患・睡眠障害の既往を持たない成人男女6名(男女各3名)
・環境条件:同一被験者に対して換気が良好な条件(厚生労働省が推奨する室内のCO₂濃度基準※3を満たす500~700ppm)と換気が不十分な条件(眠気や不快感が出やすくなるCO₂濃度2000~3000ppm)を設定した。
・実験手順: 昼寝前、15~20分の実昼寝を含む20分間の昼寝、覚醒後の各段階で心拍を計測した。
・評価方法:心拍センサーで心拍を計測し、心電図から心拍の間隔(RRI)を抽出した後、外れ値を除外した。
・解析方法:心拍変動の標準ガイドラインに準拠し、心拍間隔のばらつきの大きさによって自律神経の総合的な活動量を示す指標(SDNN)や自律神経のバランスを示す指標(LF/HF)について、各指標の区間平均から変化率を算出し、良好換気条件と不良換気条件で比較した。

※3 厚生労働省『建築物環境衛生管理基準』における空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準:二酸化炭素の含有率は居室に対して100万分の1000以下(=1000ppm以下)
  
    
     上から見た実験時の測定環境イメージ            実験室

 雨が続く梅雨や、エアコンを使う真夏は窓を閉めがちとなり、室内の換気状態が悪化しやすい傾向にあります。こうした天候による課題解決も視野に入れ、FUJIOHは今後も研究を継続し、昼寝による休憩の回復効果を高める換気システムの開発を推進していきます。これにより、働く人の疲労回復や集中力向上、生産性の向上に寄与する快適な空気環境の構築を目指します。
ブランドビジョン「空気を変え、環境を変え、明日を豊かに変えていく。」の実現に向けて、空気環境改善の鍵となる未解明領域を明らかにし、真の快適な空気環境を構築するための技術革新に挑戦していきます。

■三重大学 研究基盤推進機構 半導体・デジタル未来創造センター 教授 兼 工学部 情報工学科 教授
湯田恵美氏 プロフィール


新潟大学にて博士(工学)を取得。東北大学大学院工学研究科助教、同情報科学研究科准教授を経て、2024年より三重大学 半導体・デジタル未来創造センター 教授、工学部情報工学科 教授を務める。
生体信号処理や生体ビッグデータ解析を専門とし、心拍変動解析、自律神経推定、ドライバーの眠気推定、ウェアラブルセンサを用いた健康モニタリング、医療機器・デジタルヘルス技術の開発研究に取り組んでいる。動的生体情報応用研究室を主宰し、国内外の研究者と連携しながら、日常生活や医療現場で活用できる生体情報技術の実装を進めている。心拍変動と自律神経評価の課題を整理した論文「Pitfalls of assessment of autonomic function by heart rate variability」は国際的に広く引用されている。
東北大学大学院工学研究科 特任教授(クロスアポイントメント)、公立千歳科学技術大学 客員教授も兼務。

【富士工業グループ会社概要】
事業概要:一般家庭用/業務用厨房機器の企画・開発設計・生産・販売・アフターサービス
代表者:代表取締役社長 柏村浩介
創立:1941年12月
所在地:神奈川県相模原市中央区淵野辺2丁目1番9号
従業員数:936名(連結従業員数)
グループ会社:富士ホールディングス株式会社
富士工業株式会社
富士工業販売株式会社
フジテックメンテナンス株式会社
株式会社ヒートアンドクール
Fujioh International Trading Pte. Ltd.
芙子帝風商貿(上海)有限公司 (Fujioh Trading Shanghai Co.,Ltd.)
Fujioh Marketing Malaysia Sdn. Bhd.
台灣富士皇股份有限公司(Fujioh Marketing Taiwan Co., Ltd.) 
[関連会社]アリアフィーナ株式会社
公式Web:https://www.fujioh.com

※ 富士工業株式会社は富士ホールディングス株式会社の100%子会社です。


この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
富士ホールディングス株式会社
ホームページ
https://www.fujioh.com/
代表者
柏村 浩介
資本金
8,000 万円
上場
非上場
所在地
〒252-0206 神奈川県相模原市中央区淵野辺2-1-9
連絡先
042-753-1001

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