GitHubでは、このような継続的なAI活用を Continuous AI(
https://githubnext.com/projects/continuous-ai/)と呼んでいます。これは継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)のプラクティスと同様に、AIをソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)へ統合することで、自動化とコラボレーションを強化する新たなアプローチです。
GitHub Agentic WorkflowsとContinuous AIは、既存のCI/CDを置き換えるのではなく、それを拡張するために設計されています。ビルド、テスト、リリースパイプラインを代替するものではなく、そのユースケースは決定論的なCI/CDワークフローとほとんど重複しません。Agentic WorkflowsがGitHub Actionsで実行されるのは、GitHubがサンドボックス環境での実行、権限、ログ取得、監査機能、そして豊富なリポジトリコンテキストを活用できるインフラが提供されているためです。
これにより、チームやエンタープライズにとって、エージェント支援のリポジトリ自動化を通じて、リポジトリをより健全に、管理しやすく、高品質に維持する新しい可能性が広がります。
エンタープライズグレードのガードレールと制御
GitHub Agentic Workflowsは、安全性と制御性を最優先に設計されています。意図しない動作やプロンプトインジェクション攻撃から保護するため、多層防御セキュリティアーキテクチャを実装しています。
ワークフローはデフォルトで読み取り専用権限で実行され、書き込み操作には、サニタイズされた安全な出力(
https://github.github.com/gh-aw/introduction/architecture/)を通じた明示的な承認が必要です。プルリクエスト作成やIssueコメントなどの操作は、レビュー可能なGitHub操作として安全に管理されます。また、サンドボックス環境での実行、ツールの許可リスト化、ネットワーク分離など、多層的なセキュリティアーキテクチャを採用し、意図しない挙動やプロンプトインジェクション攻撃から保護します。
こうしたガードレールにより、エージェントを単発の実験としてではなく、継続的に実行することが実現可能になります。詳細については、セキュリティアーキテクチャ(
https://github.github.io/gh-aw/introduction/architecture/)をご覧ください。
なお、エージェントによるリポジトリ自動化の代替アプローチとして、GitHub CopilotやClaudeなどのコーディングエージェントCLIを、リポジトリへの広範な書き込み権限を持つ標準のGitHub Actions YAMLワークフロー内で直接実行する方法がありますが、権限の粒度が粗くなりやすく、統制が難しくなる可能性があります。GitHub Agentic Workflowsは、デフォルトで読み取り専用アクセスでコーディングエージェントを実行し、GitHub操作には安全な出力に依存するため、より厳密な制約、より明確なレビューポイント、より強力で包括的な制御を提供します。
Agentic Workflows ユーザーの声
すでに複数の企業やオープンソースコミュニティが実環境でAgentic Workflowsの活用を進めており、その効果について具体的な評価が寄せられています。
Carvana エンジニアリング&アナリティクス担当シニアバイスプレジデントの Alex Devkar 氏は次のように述べています。「GitHub Agentic Workflowsを導入したことで、複数のリポジトリにまたがる変更を伴う大規模なエンジニアリング業務へ、エージェントを活用する可能性が広がりました。柔軟性と組み込みのコントロールにより、Carvanaの複雑なシステム全体でAgentic Workflowsを活用できると確信しています」
Home AssistantのプロジェクトリードであるFranck Nijhof 氏は次のように述べています。「Home Assistantには数千件のオープンIssueがあります。何がトレンドになっているか、どの課題が最も多くのユーザーに影響を与えているかを、人間だけで継続的に把握することは困難です。私はIssueを分析し、重要なものを浮き彫りにするためにGitHub Agentic Workflowsを構築しました。これによりメンテナーに本当に価値のある判断力の増幅を実現可能にします」
Cloud Native Computing Foundation(CNCF)CTOであるChris Aniszczyk 氏は次のように述べています。「GitHub Agentic Workflowsを採用することで、AIツールを試す際のハードルが大きく下がり、スタッフ、メンテナー、新規参入者にとってこれまで以上に活用しやすい環境が整いました。CNCF内では、ドキュメント自動化の改善や組織全体のチームレポーティングの改善といった成果を得ていますこれはコミュニティにとって単なる技術的なアップグレードではなく、エコシステムがAIとエージェントツールでより迅速にイノベーションを推進できるようになる文化的変革の一部を成しています」
GitHub Agentic Workflowsが可能にするソフトウェア開発
リポジトリワークフロー自動化をさらに強力にする、Peli's Agent Factory(
https://github.github.com/gh-aw/blog/2026-01-12-welcome-to-pelis-agent-factory/)は、適応、リミックス、リポジトリ間で標準化できる実用的なパターンを含む、幅広いワークフローのガイドツアーを提供しています。
言葉で表現できるリポジトリでの反復作業はAgentic Workflowsに適しています。またデザインパターンについては、ChatOps(
https://github.github.com/gh-aw/patterns/chatops/)、DailyOps(
https://github.github.com/gh-aw/patterns/dailyops/)、DataOps(
https://github.github.com/gh-aw/patterns/dataops/)、IssueOps(
https://github.github.com/gh-aw/patterns/issueops/)、ProjectOps(
https://github.github.com/gh-aw/patterns/projectops/)、MultiRepoOps(
https://github.github.com/gh-aw/patterns/multirepoops/)、Orchestration(
https://github.github.com/gh-aw/patterns/orchestration/)をご覧ください。
エージェント支援のリポジトリ自動化の用途は、特定のリポジトリと開発の優先事項によって異なります。チームや会社のソフトウェア開発へのアプローチは、他のチームとは異なるため、独自チームのリポジトリに合わせてエージェント自動化をどのように活用できるか想像力を働かせることが重要です。
チームのための実践的なガイダンス
Agentic Workflowsは発想の転換をもたらします。完璧なプロンプトではなく、目標と望む出力に焦点を当てると、最もうまく機能します。開発者が成功とは何かを明確に定義し、ワークフローがそれを達成する方法を探索できるようにします。いくつかの境界はデフォルトでAgentic Workflowsに組み込まれており、その他の境界は開発者が明示的に定義します。これにより、エージェントは、結果を常に安全で意図する範囲内にとどめつつ、探索し推論することが可能になります。
ワークフローは非常に一般的なもの(「ソフトウェアを改善する」)から非常に具体的なもの(「この教育ソフトウェアのすべての技術ドキュメントとエラーメッセージが10歳以上の聴衆に適したスタイルで書かれていることを確認する」)まで様々です。チームに適した具体性のレベルを選択できます。
GitHub Agentic Workflowsは実行時にコーディングエージェントを使用するため、課金コストが発生する場合があります。デフォルト設定でGitHub Copilotを使用する場合、各ワークフロー実行は通常2つのプレミアムリクエスト(
https://docs.github.com/en/billing/concepts/product-billing/github-copilot-premium-requests)を消費します(1つはエージェント作業用、もう1つは安全な出力のガードレールチェック用)。コスト管理のためにモデルを選択・設定できます。現在、GitHub Copilotの自動化された使用はユーザーアカウントに関連付けられています。他のコーディングエージェントについては、詳細はドキュメント(
https://github.github.com/gh-aw/reference/engines/)をご参照ください。
チームがすぐに価値を得るためのヒント
Continuous AIは、CI/CDと併用すると最もうまく機能します。CI/CD用のGitHub Actions YAMLワークフローの代替としてAgentic Workflowsを使用しないでください。このアプローチは、従来のCI/CDでは表現が難しい、より主観的で繰り返しの多いタスクに継続的自動化を拡張します。
GitHub Agentic Workflowsは現在テクニカルプレビューとして利用可能で、、GitHub、Microsoft Research、Azure Core Upstreamの協業によって開発されています。詳細は以下を参照ください。