学校法人城西大学(水田宗子理事長)は6月13日、埼玉県坂戸市の坂戸キャンパスで米ハーバード大学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル氏による講演会「東アジア:これからの50年」を開催した。これは、同法人の創立50周年を記念した、水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズの一環として行われたもの。講演会を記念して、城西大学はヴォーゲル氏に名誉博士号を授与した。
学校法人城西大学は50周年記念事業の一環として、水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズを展開している。これは、国内外から世界的に影響力のある人、優れた研究業績を残した人などを招いてグローバル人材の育成に資することを目的とするもの。ヴォーゲル氏は、5月21日の元マレーシア首相のマハティール・ビン・モハンマド氏に続いて2人目の登壇となった。
ヴォーゲル氏は、1958年にハーバード大学で博士号(社会学)を取得後、日本語と日本の家族関係の研究のために来日して2年間滞在。1972年に同大の東アジア研究所長に就任。日本でベストセラーとなった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を1979年に発表した。最近は10年以上を費やして執筆、2013年に発表した「現代中国の父 トウ小平」(トウは登におおざと)も話題となった。比較文学研究者として滞米生活が長かった水田理事長が、旧知のヴォーゲル氏に依頼、講演会が実現した。
清光ホールで行われた名誉博士号授与式の後、水田理事長は挨拶で「日本研究だけでなく、この地域の平和と繁栄のために欠くことのできない学術、研究上の貢献をされた」とヴォーゲル氏の業績をたたえた。
講演会でヴォーゲル氏はベルリンの壁崩壊や天安門事件のあった1989年の前後25年に分けて、日本と中国、アメリカの政治、経済、社会の変化をたどった。そして今後の東アジアを展望するポイントとして「経済成長の拡大」「環境問題の悪化」「国際交流の拡大」を挙げた。そのうえで、アメリカは「中国と環境問題で協力しなければならない」と指摘。経済成長を遂げ近隣諸国と摩擦を起こしている中国に対しては「低姿勢の外交政策を取るべきだ」と提言。また、日本については、韓国を念頭に「隣の国と仲良くするためにもう少し我慢する必要がある。国の代表は思いやりと責任感を」と結んだ。ヴォーゲル氏は、「少子高齢化時代に若い世代は何をすべきか」などといった学生からの質問にも丁寧に答えていた。
城西大学と城西国際大学の教職員や学生、研究者や近隣の住民らホールを埋めた約500人は、長い学究生活に裏打ちされたヴォーゲル氏の話に熱心に聞き入った。
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