最先端の技術革新に応える組込みコンピュータの主力製品3モデルを新発売

株式会社PFU

独自開発EmbedWare® RASコントローラによるセキュリティ対策強化

株式会社PFU(代表取締役社長:村上 清治、以下 PFU)は、安定性が要求される産業機器や社会インフラ製品、安全性が要求される医療機器、高性能なエッジコンピューティング分野向けに最適な組込みコンピュータ「AR8300モデル300R/310R」「AR2100モデル120R」「AR2000モデル430P」の販売を8月29日より開始します。

近年、組込みコンピュータの分野においてもサイバーセキュリティ対策が重視されていることから、PFU独自開発のEmbedWare RASコントローラ(以降、RASコントローラ)を小型からミドルタワー型まですべてのARシリーズ(注1)に搭載することで、改ざん検知・復旧など、セキュリティ強化の対応を可能にしています。また、本製品は、処理能力や電力効率を重視した第13世代インテル® Core™ プロセッサーの搭載、メモリやストレージの一新でさらなる高性能を実現しています。さらにLANポートやPCI Expressスロットの増強、ARシリーズ初のデジタル入出力(DIO)搭載など、これまで以上の幅広い要求に対応しました。本製品を使用いただくことで、お客様製品のビジネス拡大や事業発展に十分お役立ていただけます。

本製品は、20年以上販売し続けているPFUの主力製品である組込みコンピュータ「ARシリーズ」の最新モデルです。お客様製品、市場における最先端の技術革新に必要とされる機能と性能を実現することで組込み分野でのICT技術を大きく進化させるとともに、一方で、ハードウェア等のコンパチビリティや品質、サポート力など長年継承している守るべき特長も確実に維持しています。

PFUは、2022年にリコーグループの一員となり、リコーインダストリアルソリューションズとともに国内最大級の組込みコンピュータベンダーとして、組込みコンピュータトップシェアを確実なものとしています(注2)。国内設計、国内生産にこだわるPFUの組込みコンピュータは、2024年4月より使用電力が100%カーボンニュートラルとなったProDeSセンターの工場にて製造されており(注3)、環境にも配慮した製品となっています。
PFUは、お客様からのご要望を製品に取り込み、より多くの潜在的ニーズに応えるため、さらなる安定稼働や性能向上はもちろん、高品質、きめ細かなサポートをご提供することで、お客様の利益拡大を支援いたします。

 
背景
近年、エッジコンピューティングの市場規模は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、拡大成長を続けています。その中で、業務効率や生産性の向上を目的としたAI活用や、サイバーセキュリティ課題などのセキュリティ対策強化がより注目されています。特に、産業機器関係のお客様からは、工場のサイバーセキュリティ対策として国際標準であるIEC62443への強い対応要請も出てきています。
また、DXが推進される生産現場で利用されるお客様装置は、装置自体を小さくし単位面積あたりの生産性、性能の向上が求められており、組込みコンピュータにおいても、さらなる高性能、小型化への要求が強くなっています。
産業機器、医療機器などのお客様装置は、DX推進のための多機能化(AI/ロボット化、監視、見える化、IoTなど)が進んでおり、装置内に非常に多くのコントローラやデバイス、センサーが接続されるため、インタフェースの増強が求められています。



特長
1.セキュリティ・監視機能強化

IEC62443規格対応など、高まるセキュリティニーズに応えるため、インテルCPUと独立して動作するPFU独自のRASコントローラを開発し、今回ご提供する最新ラインナップ(AR8300モデル300R/310R、AR2100モデル120R)に標準搭載しました。
 
本RASコントローラによりNIST SP 800-193準拠のBIOS改ざん保護/検知/自動回復に対応可能となり、サイバー攻撃対策としてより高度なセキュリティ対応要求にお応えします。


また、本RASコントローラ搭載により、ARシリーズ共通でハードウェア監視、トラブルシューティングを強化しています。OS上で動作するシステム監視ツールEmbedWare/SysMon®が標準搭載され、RASコントローラと連携し監視情報の可視化を行います。
 

その他にも、Trellix® Embedded Controlによるホワイトリスト型エンドポイントセキュリティや、OS Bit Lockerによる暗号化、BIOS Secure BootなどOSとBIOSのエンジニアの強固なサポートに裏付けられた充実のセキュリティ対策を講じています。

当セキュリティ対策について、お客様の装置環境や対策のレベルに応じて、個別にセキュリティ対応支援の相談を承ります。各製品ページの問い合わせボタンをクリックし、お問い合わせください。



2.エッジ向けインタフェース・拡張スロット増強
AR2100モデル120Rでは、さまざまな市場における組込みで要望の多かったデジタル入出力(DIO)およびリモート電源制御オプションをARシリーズで初めて標準搭載可能としています。お客様装置と本製品をDIO接続することにより、制御信号やデータの入出力、相互の状態確認が可能になります。また、リモート電源制御により本製品を組み込んだ装置の外部から電源投入や切断などの遠隔操作が可能になります。

近年、お客様装置内に非常に多くのコントローラやデバイス、センサーが接続されており、インタフェース増強が求められています。また、お客様装置間の通信や、外部からのコントロール、監視、保守・サポートなど外部接続用インタフェースのニーズも増えています。そのような多様な用途向けにLANポートの増強を行っています。

また、拡張スロットのPCI Express性能を向上し、お客様の求めるAI、画像処理性能を実現します。さらに、AR8300モデル300R/310Rでは拡張スロット数を増強し、お客様が必要とされる機能の拡張ボードやインタフェース追加が容易となっています。
 


3.性能など基本スペックを大幅に向上
第13世代のCore i7、Core i3プロセッサー、第12世代のPentium®、Celeron® プロセッサーや、高速かつ高信頼のDDR5メモリを搭載し、従来機の最大2倍の性能を実現しています。コア数、スレッド数の増強により、さらなる並列処理が可能になり処理効率化が図れます。CPUの負荷状態や温度環境などの影響を抑えるPFU独自のエンベデッドチューニングにより、高性能を維持するとともに安定稼働を実現します。

ストレージには、高速データ転送を特長とするNVMe SSDを採用し、従来機の約2倍とスループット性能が向上したことで、これまでボトルネックとなっていたOS起動時間、ファイルのリードライト時間などが短縮されます。また小型のAR2100モデル120Rは、これまで難しかったRAID機能の実装により、大容量ストレージとデータ冗長性を兼ね備えたモデルとなりました。


お客様のニーズに合わせた商品設計
1.高いコンパチビリティ

お客様装置で継続活用されることを想定し、いくつかの項目で高い互換性を維持しています。形状・取付構造について、従来機とサイズ、取付ネジ位置を同じにすることで、簡単にシステムリプレース可能になります。また、シリアルなどのレガシーインタフェースを継続搭載することで、お客様の大切なハードウェアをそのまま使用可能になります。

2.高品質、サポート力
組込みコンピュータARシリーズは、国内設計、国内生産にこだわり、設計段階における各種設計ルールの順守や設計レビューの実施、試作機および量産に入るまで幾度もの評価を行い、品質を確保しています。
お客様のご要望に応じて、BIOS、OS、ソフトウェア、ハードウェアのカスタマイズに対応いたします。お客様アプリケーションやお客様指定ソフトウェアを組み込んだOSインストールにも対応いたします。
本製品含むARシリーズ全製品で、ご購入より5年間の「センドバック保守」に加え、最長5年間の無償修理が可能な「延長保証オプション」を用意し、お客様を強力にバックアップいたします。お客様製品のライフサイクルに合わせた、供給期間の延長にも対応いたします。

3.海外規格認証
北米欧州だけでなく、中国、韓国、台湾などアジア諸国・地域にも対応した海外規格認証を取得しており、お客様製品のグローバル展開にもお応えします。

4.装置構成要望に柔軟に対応
CPUタイプ、メモリサイズ、ストレージサイズなど、仕様表に記載がない構成についても対応可能なものがあります。各製品ページの問い合わせボタンをクリックし、お問い合わせください。


価格・商品構成
商品名 価格(税抜) 商品構成
AR8300モデル300R/310R 当社営業にご相談ください 構成、オプションについては当社営業にご相談ください
AR2100モデル120R 当社営業にご相談ください 構成、オプションについては当社営業にご相談ください
AR2000モデル430P 当社営業にご相談ください 構成、オプションについては当社営業にご相談ください

販売開始日、出荷開始時期および販売目標
商品名 販売開始日 出荷開始時期 販売目標
AR8300モデル300R/310R 2024年8月29日 2025年1月 5年間で1万台
AR2100モデル120R 2024年8月29日 2024年12月 5年間で1万9千台
AR2000モデル430P 2024年8月29日 2024年11月 5年間で1万1千台

商標について
インテル、Intel CoreおよびPentium、Celeronは、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。
EmbedWareおよびEmbedWare/SysMonは株式会社PFUの日本国における登録商標です。
その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈
注1 AR2000モデル430Pを除く。
注2 当社調べ。
注3 関連リンク「PFU環境報告書2024」を参照。

関連リンク
AR8300モデル300R/310R製品サイト
https://www.pfu.ricoh.com/embedded/product/ar/ar8300_300r.html
AR2100モデル120R製品サイト
https://www.pfu.ricoh.com/embedded/product/ar/ar2100_120r.html
AR2000モデル430P製品サイト
https://www.pfu.ricoh.com/embedded/product/ar/ar2000_430p.html
PFU環境報告書2024
https://www.pfu.ricoh.com/sustainability/report/pdf/2024/ereport2024.pdf

お客様お問い合わせ先
株式会社PFU
エンベデッドコンピュータ事業本部 エッジ戦略統括部 販売推進部
E-mail:embedded-pfu@ml.ricoh.com

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