―約1470人の腹膜透析患者さんのライフスタイル実態調査結果― 全国調査から患者さんはおうち透析(腹膜透析)を実施できる病院の増加を希望

株式会社ヴァンティブ

  • 8割以上の患者さんが「腹膜透析を行っていなかったら仕事や趣味など、やりたいことを諦めていたかもしれない」と回答
  • 9割以上が「主に自分自身」で日常的な治療を行い、約8割が「自分らしいライフスタイルを過ごせている」とし、「おうち透析(腹膜透析)」は患者さんの自立と自分らしさを支援することを示唆
バクスター・インターナショナル・インク(以下、バクスター)は、日本でおうち透析※1(腹膜透析)を行う患者さん1,472人を対象に、「腹膜透析患者さんのライフスタイル実態調査」を2024年4月~5月にかけて実施しました。この結果、70%の患者さんが「おうち透析(腹膜透析)」を実施できる病院を増やしてほしい」 と回答しました(図 5、参考資料 図o)。

慢性腎臓病が進行すると体の毒素や余分な水分を体外に排出するために透析療法が必要になります。透析療法には、患者さん自身がお腹に留置したカテーテルと透析液バッグをつなぎ自宅などで日中や就寝中に毎日治療を行う「おうち透析(腹膜透析)」と、医療機関で医療者が週3回各4~5時間かけて血液を体外の機械でろ過して体に戻す通院透析(血液透析)などの種類があります。

今回の調査の結果において、約85%が「腹膜透析を行っていなかったら仕事や趣味など、やりたいことを諦めていたかもしれない」(図1、参考資料 図m)や、約78%が「自分らしいライフスタイルを過ごせている」(参考資料図l)と回答しています。また、20~59歳の仕事を持つ患者さん、および60歳以上の趣味・旅行・スポーツを行う患者さんはいずれも70%を占め(図2)、91%の患者さんは「自分自身」で治療をしていることから(参考資料図c)、腹膜透析は患者さんの自立を支援する治療であることが伺えます。

日本における慢性腎臓病患者数は2024年には約2,000万人(成人5人に1人)※2といわれ、これに比例して透析治療が必要となる患者さんも増加しています。諸外国では「おうち透析(腹膜透析)」の普及率が10~70%というところもあるのに対し、日本は3%※3と低く、この治療を受けられる病院は限定的といえるでしょう。

<板橋中央総合病院 副院長、総合内科 小松 康宏医師 コメント>
「腹膜透析患者さんの70%が仕事を持ち、趣味や食事など生きいきとした日常を過ごしていることを嬉しく思います。また、同時に患者さんがどこでも平等にSDM(シェアド・ディシジョン・メイキング:最良の医学的情報と患者さんの価値観・選好を踏まえ、医師と患者さんが共同で治療に関する意思決定をすること)を受けられる社会の重要性を感じています。血液透析と腹膜透析は併用することも可能なため、既に治療を開始している方でも、再度のSDMを行うことで、より良いQOLが得られることがあります。医療者が学び患者さんへ伝えていくことはもちろん、患者さんにも積極的に治療に関する情報収集をしていただきたいと思います」

<バクスター、腎臓ケアおよび急性期治療事業 日本 代表取締役社長 河野 行成 コメント>
「今回の調査では約9割の患者さんがこの治療法を『病院で知った』と回答しています。日本において腹膜透析を受けられる病院は限定的であることを考えると、患者さんがどの医療機関を選ぶかによって、治療選択にも影響がある可能性が示され、課題を感じています。私たちは、患者さんが希望するライフスタイルと治療の両立を応援するため、『おうち透析』『通院透析』という言葉を用いて、治療には選択肢があることをより多くの方々に知っていただきたいと考えています。ヴァンティブは、今後も患者さんの『人生に寄り添い、希望の未来へ』歩みを続けてまいります」

おうち透析(腹膜透析)に関する詳細は、こちら(https://jp.mykidneyjourney.com/ja/explore-your-treatment-options?utm_source=PD+Patient+Survey+Result&utm_medium=Press+Release&utm_campaign=Digital+PR+Campaign)をご覧ください。

 
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米バクスター・インナーナショナル・インクは、同社の腎臓ケアおよび急性期治療のグローバル事業を独立したプライベート企業Vantiveとして設立する準備をしています。Vantiveのミッション「Extending Lives, Expanding Possibilities~人生に寄り添い、希望の未来へ~」は、急性期や慢性期の腎臓病領域の先を見据え、生命維持に欠かせないその他の重要な臓器療法にも焦点を当てる決意を表すものです。

■バクスター・インターナショナル・インクについて
バクスター・インターナショナル・インクは、日々、数百万もの患者さんおよび医療従事者・介護者に、クリティカルケア、栄養関連、腎臓関連、病院および手術製品などの主要なポートフォリオを提供しています。当社は、90 年以上の長きにわたり、患者さんの生命を守るイノベーションとそれを実現する医療従事者が交わる重要な領域において事業を行っています。世界中の従業員は、100 カ国以上で使用されている製品、技術および治療法により、医療を飛躍的に進展させてきた豊かな伝統を礎に、次世代の革新的なヘルスケアイノベーションを推進しています。詳しくはhttps://www.baxter.com/ をご覧ください。また X/旧Twitter(https://x.com/baxter_intl)、LinkedIn(https://www.linkedin.com/company/baxter-healthcare/)、Facebook(https://www.facebook.com/BaxterInternational)でも発信しています。日本においては、半世紀に渡りリーディングカンパニーとして従事しており、今後も宮崎工場から患者さんの治療薬を安定的に供給してまいります。

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<調査の概要>
【1.働き世代の約7割が仕事を持ち、シニア世代の約7割は趣味を治療と共に継続】

おうち透析(腹膜透析)を行うことにした上位3つの理由は、「通院回数が少ないため(851名)」「自分自身で治療できるため(757名)」「仕事と両立するため(750名)」と、いずれも自立した生活を続けるためという回答結果になりました(参考資料 図d)。
また、20~59歳の約70%が治療と両立していることとして仕事を挙げ、60歳以上の約70%が、「宿泊を伴う活動(旅行など)」「屋外で複数人と行う活動(スポーツ、ボランティアなど)」「屋外にて一人で行う活動(ウォーキング、買い物など)」「屋内で複数人と行う活動(ゲーム、カラオケなど)」のいずれかを挙げ、趣味※4を続けながら治療を行っていることがわかりました(図2、参考資料 図p)。

【2.約9割が自立した治療をしており、食事制限も緩やか】

約91%の患者さんは、日常的な治療を主に自分自身で行っています(参考資料図c)。患者さんに治療前と治療後の不安について尋ねたところ、治療前は「治療と生活の両立がうまくできるか(746名)」ということに最も不安を感じているものの、この不安は治療後に約68%軽減(239名)しました(図3)。

さらに、「腹膜透析の治療データを自動的に医療者と共有するツールを使うことは、今よりも安心・安全な治療環境に役立つと思う」と回答した方は約95%(参考資料 図i)であり、治療データを医療者と共有するアプリなどを活用することで患者さんの不安軽減に貢献できる可能性が示されました。
腹膜透析を行う患者さんの約81%が食事制限に関して「少し制限はあるが、ストレスを感じていない」と回答しています(図 4、参考資料 図k)。おうち透析(腹膜透析)は、日々の食事によって体内に蓄積される毒素や余分な水分を毎日の治療によって排出するため、食事に関する結果にも反映されました。
【3. 腹膜透析の情報の不平等さに課題】

今回のアンケート調査では、約90%(参考資料 図e)の方が「おうち透析(腹膜透析)」という治療法を病院で知ったと回答しています。しかしながら、日本における「おうち透析(腹膜透析)」の普及率は3%※3と低く、この治療選択肢を提示できる病院は限定的です。したがって、腹膜透析という治療法を行った患者さんは通院する病院で偶然的に出会うことができた可能性が示唆されます。

■本調査の背景と目的
2023年6月15日に発表した調査結果(https://www.baxter.co.jp/ja/PatientSurveyResult_230615)※5によると、腎代替療法の種類や患者さんの年代によって、治療開始前に医師が行う説明に差異があり、患者さんの治療選択に影響を与えたことが示唆されました。また、ライフスタイルに関する患者満足度では血液透析よりも腹膜透析が相対的に高い傾向が示されました。日本では腹膜透析の普及率が未だ3%(先進国では約12%以上、香港では約70%)※3と低い環境のなかで、弊社はその認知度を向上させていく必要性を感じています。そのため、弊社の腹膜透析患者さんにアンケートを行うことで、どのように治療と生活が両立されているのかを調査し、この結果を共有することで、腹膜透析に対する認知度向上を目的としています。

■本調査の詳細について
参考資料「腹膜透析を行う患者さんのライフスタイルに関する調査」(https://www.baxter.co.jp/sites/g/files/ebysai1306/files/2024-10/241018_Reference_PD%20PatientSurvey_0.pdf)をご確認ください

■調査概要
調査手法:インターネット調査
調査期間:2024 年4 月22日~2024 年5 月12日
調査対象:現在腹膜透析療法を受けている男女1,472名
(APD:493名、CAPD:536名、APD・CAPDの両方:123名、腹膜透析と血液透析の併用:324名)
実施団体:株式会社ヴァンティブ(バクスター・インターナショナル・インク 腎臓ケアおよび急性期治療事業における日本法人)
分析・報告:株式会社プラップジャパン

出典
※1 おうち透析:ヴァンティブでは、在宅での治療となる腹膜透析および在宅血液透析をより多くの患者さんに認知していただくために「おうち透析」と名付けました
※2 一般社団法人 日本腎臓学会 編(2024) CKD診療ガイド2024
※3 End Stage Renal Disease: Chapter 11. International Comparisons, Figure 11.16 Distribution of dialysis modality in prevalent patients with ESRD, by country or region, 2020 (United States Renal Database System 2022 Annual Data Report)(https://usrds-adr.niddk.nih.gov/2022/end-stage-renal-disease/11-international-comparisons
※4 「あなたが治療(腹膜透析)と両立していることを教えてください(複数選択可)」の選択肢のうち、「宿泊を伴う活動(旅行など)」、「屋外で複数人と行う活動(スポーツ、ボランティアなど)」、「屋外にて一人で行う活動(ウォーキング、買い物など)」、「屋内で複数人と行う活動(ゲーム、カラオケなど)」を趣味とみなす
※5 「透析患者における、治療法に関する意識調査」(https://www.baxter.co.jp/ja/PatientSurveyResult_230615)(2023年6月15日)

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