PwCコンサルティング、住友化学初のデータマネタイゼーションプロジェクト「DX戦略3.0」の立ち上げを支援
PwCコンサルティング合同会社
データマネタイゼーションプロジェクト「DX戦略3.0」
の立ち上げを支援
同社のコア技術/サービス/固有のデータを生かした新たな価値創造を促進
PwCコンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役CEO:安井 正樹、以下「PwCコンサルティング」)は、住友化学株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 社長執行役員:岩田 圭一、以下「住友化学」)が推進するデジタル革新(DX)による新たなビジネスモデルの創出を目的とした「DX戦略3.0」におけるデータマネタイゼーションプロジェクトを支援しています。
住友化学が推進するDX戦略から生まれたデータマネタイゼーションプロジェクト
住友化学では、2019年度から「DX戦略1.0(AI、IoT、RPA活用などによる既存の業務プロセス改善)」、「DX戦略2.0(顧客接点強化・満足度向上に着目したデータドリブン経営)」による生産性向上と既存事業の競争力確保に資する取り組みを展開してきました。2023年度からは、多様で豊富なビジネスアイデアを蓄積し、有望なアイデアを素早く実現することを目指したDX戦略3.0を推進しています。同年1月からは、新規事業のインキュベーターとなる社内専門チーム「Value-nauts(R)(バリューノーツ)」(※1)を立ち上げるなど、データマネタイゼーション実現に向けたプロジェクトを開始。そして、2024年7月18日に住友化学が保有する天然素材に関する高い分析技術、分析によって蓄積してきた豊富な化合物のデータ、およびこれらの技術・ノウハウを生かしたデジタル・プラットフォームである「Biondo(R)(ビオンド)」(※2)をリリースしました。本サービスは、DX戦略3.0の第一弾のサービスとなります。
図表1. 住友化学が保有する技術やデータを活用したデジタル・プラットフォーム「Biondo」
Biondo始動に関するニュースリリース(住友化学WEBサイトへ遷移):https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20240718.html
Biondoの概要と今後の取り組み
「Biondo」は、住友化学が持つ高度な分析技術と豊富な天然資源のデータをベースとした、天然素材を売りたい人と買いたい人をつなぐデジタル・プラットフォームで、天然素材の有効活用を促すための3つの機能を備えています。1つ目は、約200種の定量的スクリーニングが可能な成分分析、2つ目は天然素材データベース(350種以上(※3))の情報検索、3つ目はオンラインでの効率的な取引先の開拓です。持続可能な未来に向けて、分析を介して未利用資源(例として、食料由来の廃棄物は年間約2,400万トンにもなると言われる)(※4)の本来の価値を見出し素材のリサイクルやアップサイクルを支援するとともに、成長する健康・美容関連市場などをターゲットに有用成分を解析・機能性を提示するなど、顧客への価値創出と社会課題の解決の両立を目指すことで、循環型社会の構築へ貢献します。今後同社では、Biondoからの波及効果や既存事業とのシナジーの創出、および本サービスで得られたノウハウも活用し、本年度中に「Next Biondo(第二、第三のDX戦略3.0プロジェクト)」の取り組みを進めていく予定です。
PwCコンサルティングの支援
住友化学では、本サービスを開発・提供するにあたり、3つの大きな課題に直面していました。1つ目がデータマネタイゼーションという、データ/デジタルを活用した事業開発についての知見不足、2つ目が本取り組みをリードできる人材不足、3つ目が従来のBtoBビジネスとは異なるBtoC領域への挑戦です。PwCコンサルティングが過去に実施した調査においても、データマネタイゼーションの検討における知見不足・人材不足という課題は多くの企業が直面しているという結果が出ています。(※5) PwCコンサルティングはこれらの課題の克服に向けて、当社が有する新規事業開発を推進するための独自アプローチ「BXT Works」(※6)を適用したデータマネタイゼーション実現の伴走支援、ならびにDX人材育成支援を行いました。
図表2. PwCコンサルティングの主な支援アプローチ
支援アプローチ | 概要 |
1.データマネタイゼーションに関するノウハウ、知見に基づくアプローチ | データやデジタルを活用した新たな事業開発アプローチを策定するため、PwCコンサルティングのデータマネタイゼーションに関する実績やノウハウを生かしたアイディエーションワークショップの開催、データ観点での事業性検討、リスク検討などを支援した。 |
2.PwCの独自アプローチ「BXT Works」による顧客体験志向のサービス開発 | 事業構想段階から「デザイン思考」「アジャイル開発」のアプローチを取り入れた「顧客体験」志向のサービス開発を推進。Biondoのプロトタイプを機縁のユーザー向けに先行公開し、実際の利用者からサービスの使用感に関するフィードバック収集、サービス改善を行い、ユーザーの使い勝手の向上、ユーザーからのニーズの高い機能からの優先的な開発を行った。 |
3.将来的な住友化学の自走化を目指した伴走型人材育成 | 住友化学が将来DX戦略3.0を自走できるようになることを目指し、PwCコンサルティングのBXT(※5)各領域の専門コンサルタントが、住友化学のDX戦略3.0専門チームのメンバーとOJT形式でプロジェクトを推進。データマネタイゼーションに求められる知見やスキルトランスファー、開発アプローチの効率的な習得を促した。 |
住友化学 Biondo プロジェクト 統括責任者 辻 純平 執行役員のコメント
住友化学は、さまざまな社会課題を革新的技術で解決する「Innovative Solution Provider」を目指しており、当社固有のコア技術と重要なアセットの一つであるDXを活用して提供する新サービスが「Biondo」です。本サービスのビジョンは、『資源を中心に、人をつなぐ。ビジネスをつなぐ。そして、持続可能な未来へつなぐ』。私たちは、天然素材の未開拓な価値を解き明かし、それをビジネスの機会へと変えることに挑戦します。次なるデジタルサービスのご提供も準備しています。ぜひご期待ください。
PwCコンサルティング プロジェクト責任者 木下 尚悟 執行役員のコメント
住友化学様の新規事業立ち上げをご支援できたことを大変光栄に感じています。「Biondo」はデジタル・プラットフォーム、データマネタイズ、サーキュラービジネスとさまざまな要素を含むこれまでにない事業ですが、多様なバックグラウンドを持ったPwCコンサルティングのメンバーがワンチームとなってビジネス面のみならずDXやSXの観点も広くカバーし、住友化学のみなさまと一体感を持ってスピーディーに事業化に向けた検討を進めることができました。当社は今後も、日本企業のビジネスモデル変革による持続的な成長への取り組みをご支援してまいります。
PwCコンサルティングと住友化学は今後もDX戦略3.0を共に推進し、データマネタイゼーションによって、持続可能な未来への貢献に向けて新たな価値提供を実現することを目指します。
※1 “Value-nauts”およびそのロゴは、住友化学株式会社の日本国およびその他の国における登録商標または商標です。
※2 “Biondo”およびそのロゴは、住友化学株式会社の日本国およびその他の国における登録商標または商標です。
※3 7月18日現在
※4 消費者庁:食品ロス削減関係参考資料(令和5年6月9日版) 分割版2
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/assets/efforts_230609_0001-01.pdf
※5 データマネタイゼーション実態調査2023
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/data-monetization-survey2023.html
※6 PwCコンサルティングが提供する新規事業開発の独自アプローチ。Business(ビジネス)」「eXperience(顧客体験)」「Technology(テクノロジー)」の3つの観点から包括的、かつ迅速に事業戦略、戦術の方向性を明らかにし、デザイン思考やアジャイル開発の手法、フレームワークを活用してプロダクトやサービスをマーケットインすることを目指す。
【ご参考】
▪ Biondoの由来
図表3. Biondoの由来
Bio+Ondo(音頭)を合体させた造語で、本サービスが資源循環の音頭を取り、リーダーとして持続可能な未来へつながる新しい価値を提供することを表現しています。また、英語で「この先」を意味する‘Beyond’(ビオンド)と響きが似ていることで、これまでの住友化学を飛躍していく、という想いを込めています。ユーザーに対しても、本サービスでのさまざまな発見を通して、今を超えた新しい可能性を追求していけるよう願っています。
▪ データマネタイゼーション支援ソリューションについて
「データマネタイゼーション」とは、企業や組織が自社の保有するデータを「資産」として活用し、事業活動に付加価値を創出するための取り組みを指します。
詳細はこちら:https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/analytics/data-monetization.html
▪ BXT Worksについて
「BXT Works」は、PwCコンサルティングが提供する新規事業開発の独自アプローチです。
Business(ビジネス)」「eXperience(顧客体験)」「Technology(テクノロジー)」の3つの観点から包括的、かつ迅速に事業戦略、戦術の方向性を明らかにし、デザイン思考やアジャイル開発の手法、フレームワークを活用してプロダクトやサービスをマーケットインすることを目指します。BXT Worksにより、事業の持続可能性、UXの継続的な向上、技術の実現可能性をバランスよく統合しながら事業構想から社会実装までを推進することが可能となります。
詳細はこちら:https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/technology-front-line/vol24.html
▪ 伴走型人材育成支援について
PwCコンサルティングは、企業のAI・データ利活用を推進するため伴走型の人材育成支援を行っています。
詳細はこちら:https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/analytics/personnel-development.html
PwCコンサルティング合同会社について:https://www.pwc.com/jp/consulting
PwCコンサルティング合同会社は、経営戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。PwCグローバルネットワークと連携しながら、クライアントが直面する複雑で困難な経営課題の解決に取り組み、グローバル市場で競争力を高めることを支援します。
PwC Japanグループについて:https://www.pwc.com/jp
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約11,500人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。
住友化学株式会社について:https://www.sumitomo-chem.co.jp
住友化学は、食糧、ICT、ヘルスケア、環境などの社会課題の解決にイノベーティブな技術で貢献する、総合化学メーカーです。当社では、これまで培ってきたデジタル技術、バイオ技術、環境負荷低減技術などに関する経営資源を最大限活用しながら、ソリューション提供型ビジネスに重点を置く事業ポートフォリオ変革ならびに新ビジネスモデルの創出を加速しています。
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