自然が彩る庭〜木漏れ日のテラスで心地よいひととき〜

積水ハウス株式会社

積水ハウス株式会社は積水ハウスの様々な事業をお客様ストーリーや社員ストーリーとして紹介する「積水ハウス ストーリー」を公開しました。
 


都市の自然景観を守る「風致地区」
みなさんは、都市の中で自然豊かな風景が広がる地域を意識したことがありますか?
国土交通省は、都市の自然景観を守るために、水や緑など自然の要素が豊かで、美しい景観を形成している地域を「風致地区」と定めています。この地区では、建築物を建設する際に、地方公共団体からの許可が必要です。こうして、都市の環境保護と美しい景観の維持が図られています。

国土交通省 風致地区制度
https://www.mlit.go.jp/toshi/park/toshi_parkgreen_tk_000072.html

敷地の20%に植栽、緑と調和した“カッコいい”外構
そんな自然の要素と、カッコよさ、柔らかさを融合させたのがF様の平屋です。そして、その外構を手掛けたのは、積水ハウス神奈川営業本部の黒川裕です。F様が購入した土地は坂の中腹にあり、空が抜けるような広々とした風景が楽しめる場所でした。また、この土地は、「風致地区」に指定されており、敷地全体の20%に植栽を施す必要がありました。
 
平屋の軒の水平ラインに合わせたシャープな外構と有機的な植栽でやわらかい印象に


F様のご要望は、車のセキュリティを確保するゲートの設置と、平屋の軒の水平ラインに合わせた“カッコいい外観”にすることでした。
「建物が平屋で軒が張り出しているため、外構も門構えのゲートにして水平ラインを強調し、建物と一体感を出したいと思いました。ただし、平屋の水平ラインの人工的な強さが出過ぎないように、道路側に植栽を加えて垂直の有機的なラインを取り入れ、全体のイメージを柔らかくしました。20%の植栽範囲は、お庭と道路側のファサードに集中させ、ゲートと樹々の中をくぐるアプローチにし、街にも緑を提供しました。」と、黒川は話します。
 
積水ハウス 神奈川営業本部 黒川裕


緑と光が共演し、四季の移ろいを楽しむ庭空間
F様のもう一つのご希望は、“空が抜けているという土地のポテンシャルを活かした庭”を作ることでした。道行く人々が感嘆するような魅力的な街の財産となり、街に緑をもたらすことを目指しました。植栽は、水平なラインゲートに合わせて、重くならないよう繊細な樹形が美しいコハウチワカエデとアオダモを選びました。
 
穏やかな光が差す緑に囲まれた台形のテラス


庭は、隣地の駐車場や周囲の様々な生活色を目隠しするためフェンスで囲いました。
さらに、テラスは台形で斜めにし、空が抜けている方向に沿って配置しました。テラスに立った際に四方を緑に囲まれた空間となるよう両脇にも植栽を設けました。樹木の間から差し込む木漏れ日がテラスを美しく照らし、暮らしの中に“光と風”を感じる庭となりました。白いタイルで覆われたテラスは、明るく広々とした印象を与え、室内には柔らかな反射光が入ります。特に午前中は、穏やかな光が庭に差し込み、心地よい雰囲気を作り出します。
 
左:ゲートをくぐり庭に続くアプローチ
右:樹木の間から差し込む木洩れ日が美しい白いタイルのテラス


黒川は、F様の庭づくりについて次のように説明しています。
「庭を造る際には、できるだけ“奥行き”を感じさせることを意識しています。今回は「室内、テラス、庭」がつながる空間を目指し、室内からどのように見せるか、お客様がその空間をどのように過ごされるか、庭と室内の高低差をどのように調整すると心地よい空間にできるのかを、何度も現場で想像を重ね検討しました。そして、室内の窓から見える横に長いパノラマの景色を活かしつつ立体的に楽しめるよう、庭と室内の高低差をつなげるために、各段のテラスの広さ、芝生の広さのバランスを調整して、あえてタイルテラスの高さを2段階に分け1段下がったテラスを設けました。そうすることで、室内から庭が近く感じられるように演出しました。」と黒川。
 
色彩の変化を楽しめるパノラマの空間


空間の質感を向上させるために在来種を中心とした植栽を取り入れました。高木、中木、低木をバランスよく配置し、樹種の違いによる葉の色の変化や、春の新緑、秋は赤・橙・黄と自然の織り成す微妙な色のグラデーションを楽しめるよう、四季折々の花や色彩の変化を楽しめる工夫を凝らしています。
 
木々の木漏れ日が美しいお庭とテラス

 
ライトアップされた台形のテラス


空間 時間 「コト」といった経験そのものをデザイン
風致地区の規制により、敷地の20%を緑化する必要があったことから、多くの緑を取り入れました。「妻のY様はもともと芸術や絵画、植物がお好きでしたが、夫のK様は植物にあまりご興味がないとお聞きしていました。しかし、このお庭が出来てからは、植物の穏やかに変化していく表情に喜ばれ、今では花を愛でたり、剪定したりと庭のお手入れをすることがご夫婦の共通のご趣味となっているそうです。」と、黒川は嬉しそうに話します。
 
上左右:室内から見た昼の庭 
左下:ライトアップされたテラスから見る室内
右下:室内から見るライトアップされたテラス


夫のK様も笑顔で語ります。「植物って本当に面白いですね。庭があることで心が豊かになり、時間の流れをより感じることができるようになりました。花や紅葉だけでなく、小さなつぼみや、家の中から見えるお庭の様子も楽しいです。窓の景色の中で植物は動かないですが、蝶や鳥が景色にフレームインし、また去っていく。そんな小さな季節の変化に気づけるようになりました。朝目覚めると鳥がいる空間が大好きです。」
 


黒川は言います。「お気に入りの言葉は、『作り手は“モノそのもの”ではなく、そのモノから得られる“コト”をデザインしなければならない』です。コーヒーカップのデザインも大切ですが、"コーヒーを飲む喜び"をデザインすることが重要だと思います。見た目やカッコよさだけでなく、木洩れ日の心地良さを感じたり、鳥が来る静かな朝を過ごす経験などの空間や時間をデザインすることができたらと思っています。

植物の素晴らしさはよく知られていますが、今回のプロジェクトでは、ご夫婦それぞれご趣味の違いがあった中で、夫のK様が植物を愛するようになり、緑が様々な価値をもたらすことに気づいて頂けたことに、担当として喜びを感じています。」
 
さらに黒川は続けます。「お客様をはじめ、多くの人からの刺激を受けながら、まだまだ学びの途上にあります。お客様はもちろんですが、全国にいる素晴らしいエクステリアデザイナー、営業や設計・インテリアコーディネーター、現場のスタッフや職人さん、カメラマンの皆さんから、たくさんのことを教えて頂き今があります。至らないことばかりですが、これからも精進し、良い空間を提供していけるよう努力していきたいと思います。」

積水ハウスの庭づくり 緑がもたらす快適で豊かな暮らし
https://www.sekisuihouse.co.jp/exterior/kw03/

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