新日鉄住金 世界最高強度の建築構造用超高張力鋼材1000N級鋼が大林組の技術研究所に採用

新日鐵住金株式会社

新日鐵住金株式会社(代表取締役社長:進藤 孝生 以下、「当社」)の建築構造用超高張力鋼材1000N級鋼(商品名:「BT-HT880」)が、株式会社大林組(代表取締役社長:白石 達 以下、「大林組」)の技術研究所実験施設「オープンラボ2(*1)」に採用されました。 1000N級鋼は、従来490N級鋼の約2.7倍の降伏強度(*2)を持たせて建物の耐震性を向上させるために開発された、世界最高強度の建築構造用高張力鋼材です。構造物の大型化や高層化が求められている中、1000N級鋼を採用することで、鋼材の薄肉化・軽量化による鋼材使用量の削減や輸送コストの低減、溶接個所・溶接量の削減による工場での加工と現場での施工の工期短縮等が期待されます。また、構造物の柱の本数を少なく、細くすることが可能であり、意匠性と快適性を両立した大スパンの空間が実現できます。さらに、ダンパーなど地震エネルギー吸収機構と併用することにより、1000N級鋼の柱がしなやかに揺れるとともにエネルギーの大半を地震エネルギー吸収機構が吸収する構造が可能になる為、BCP(事業継続計画)に求められる高い耐震性を実現します。 今回、当社の1000N級鋼は、日本の建設業界をリードする大林組が最先端の技術を結集して建設した「オープンラボ2」の柱材に使用されており、1000N級鋼の強度を最大限に活かすため、柱材として高層建築では一般的に使用される溶接4面ボックス柱(*3)を用いた建築工法が採用されました。2011年に竣工した当社尼崎研究開発センターの一号館に1000N級鋼が採用されて以来、今回が2例目となります。当社は、今後も建築構造用超高張力鋼材の構造物への適用を通じて、社会基盤整備をはじめ国土強靭化にも貢献して参ります。 本件は、9月12日(金)から14日(日)まで開催される2014年度「日本建築学会大会学術講演会(場所:神戸大学)」で発表する予定です。 *1「オープンラボ2」  株式会社大林組の技術研究所(東京都清瀬市)にある実験施設。地上2階建て、延床面積5,210.56m2。2014年5月完成。 *2「降伏強度」  一般的には、鋼材に力を加えると変形し、その力がなくなると元の形に戻ります。ところが、加える力がある強さを超えると元の形に戻らなくなります。このような元に戻らない変形を塑性変形といいます。塑性変形をおこす限界の力の強さを降伏強度といいます。この値が高いほど、大きな力が加わっても損傷・変形しにくくなります。建築構造用超高張力鋼材「BT-HT880」(降伏強度880N/mm2)は、東京スカイツリーに採用された鋼板(降伏強度700N/mm2)よりも強度が高いものです。 *3「4面ボックス柱」 高層建築では、4面ボックス柱が数多く使用されます。4面ボックス柱はスキンプレートに鋼板が使用され、通常、スキンプレート同士の溶接にはサブマージアーク溶接により組み立てられます。1000N級鋼を使用することにより、スキンプレートとしての鋼板の厚みを小さくすることが出来る為、柱材を軽量化するとともに、溶接施工に関する加工工数の低減につながります。 ※写真提供:株式会社大林組 (お問い合わせ先) 総務部広報センター  TEL:03-6867-2977、5807 厚板技術部厚板商品技術室 TEL:03-6867-6401 建材開発技術部建築建材技術室 TEL:03-6867-6385 以 上

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