第74回自動車技術会「自動車技術会賞」を受賞

古河電気工業株式会社

~独自の防食端子の適用範囲拡大により、ワイヤハーネスのアルミ化・軽量化に貢献~

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)と古河電工グループの古河AS株式会社(本社:滋賀県犬上郡、代表取締役社長:坂本健太郎)は、公益社団法人自動車技術会が主催する自動車技術会2024年春季大会にて、第74回自動車技術会賞部門の「技術開発賞」を受賞しました。
 自動車技術会賞は「自動車工学及び自動車技術の向上発展を奨励すること」を目的として1951年に創設されました。「技術開発賞」は6種ある自動車技術会賞部門のひとつで、自動車技術の発展に役立つ新製品または新技術を開発した個人およびその共同開発者を対象として授与されます。
 この度の受賞では、当社独自のα端子(R)(注1)構造による防食において独自の材料と加工技術を適用した新型端子を開発し、従来比2倍以上の直径の太径アルミ電線まで適用範囲を拡大することでワイヤハーネスの軽量化につながり、燃費や電費の向上に貢献したことが評価されました。
 
 
 CASEの進展とともに車両のワイヤハーネスの回路数と質量が増加するため、銅電線から軽量なアルミ電線への置換が期待されています。当社では、アルミ電線には銅合金製端子との異種金属界面にて腐食しやすいという問題に対し、細径アルミ電線において密閉管構造の防食端子(α端子(R))を実用化しました。一方で太径アルミ電線においては、厚板端子材の溶接や端子・電線の接続が困難なことが実用化の課題となっていました。この課題を当社グループが開発したファイバレーザのビームモード制御技術(注2)を応用して高精度なプレス成型技術と融合させることで解決し、太径アルミ電線用α端子(R)の実用化につながりました。さらに、アルミ電線の接続においては導体表面の酸化被膜を破壊する必要があり、素線本数の多い太径アルミ電線では過剰な圧縮変形が起こることから圧着のみでは接続が困難とされていましたが、当社グループでは電線構造を最適化し、密閉管圧着を適用することにより、従来必要とされていた圧着前処理を行うことなく端子と太径アルミ電線を接続することに成功しました。これにより前処理レス圧着接続と防食工程レスを同時に実現し、従来比2倍以上の太さとなる5~8sq用太物α端子(R)の開発につながり、太径アルミ電線が採用されやすくなることでワイヤハーネスの軽量化につながりました。

(注1)α端子(R):一般端子と同様に高速プレス機で成型した端子の圧着部を、ファイバレーザ溶接を用いて密閉した管構造とし、アルミ電線を圧着すると同時に電線端部被覆をかしめることで気密性の高い優れた防食構造を実現する端子。
https://www.furukawa.co.jp/brightening/alpha.html
(注2)ビームモード制御:レーザビームを任意の形状パターンと強度分布に変更する技術。
https://www.furukawa.co.jp/fiber-laser/product/tech/beam.html

『α端子』は日本における古河電気工業株式会社の登録商標です。


■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen、Agile、Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182

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