PwCコンサルティング、脳の健康指標「BHQ」を用いて健康経営の高度化を支援するサービスの提供を開始

PwCコンサルティング合同会社

2024年3月27日
PwCコンサルティング合同会社

PwCコンサルティング、脳の健康指標「BHQ」を用いて
健康経営の高度化を支援するサービスの提供を開始

スタートアップ3社のサービスを使って脳の健康状態を手軽に見える化し、
従業員のウェルビーイング向上を支援


PwCコンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役CEO:大竹 伸明、以下「PwCコンサルティング」)は2024年4月1日から、脳の健康管理指標の国際標準規格であるBHQを活用して企業の健康経営を支援するサービス(以下「本サービス」)の提供を開始します。
具体的には、脳の健康の研究に取り組む株式会社ベスプラ(東京都渋谷区、代表取締役:遠山 陽介、以下「ベスプラ」)、株式会社ジョルテ(東京都千代田区、代表取締役社長:下花 剛一、以下「ジョルテ」)、BHQ株式会社(埼玉県さいたま市、代表取締役社長:川森 雅仁、以下「BHQ社」)の3社がそれぞれ提供するBHQ関連サービスと、そこから得られるデータに基づいた職場の実態把握や改善のための施策の検討、効果測定などのコンサルティングサービスを組み合わせて提供します。これにより本サービス導入企業は、スマートフォンアプリやウェアラブルデバイスを用いて手軽に従業員の脳の健康状態を計測できるようになる他、従業員のウェルビーイングをデータドリブンで推進することができます。

近年の研究から職場での幸福感の高さが企業価値と深い関係があることが明らかになっています(※1)。このため、ストレスチェックや従業員エンゲージメントサーベイなどを通じて、職場での幸福感を把握し、その向上をサポートしようとする企業が増えています。しかし、従業員が自分自身の幸福感や自己肯定感といった心理状態を客観的に理解し表現することは困難であり、健康経営の実践に向けた課題となっていました。
BHQはBrain Healthcare Quotientの略で、MRIを活用した脳の画像データを解析して算出される、日本発の脳の健康管理のための指標であり、国際標準として承認された規格です。これまでの脳科学研究を通じて、ストレスや幸福感、ワークエンゲージメントなどがBHQと関連していることが明らかになっています(※2)(※3)(※4)。一方で、研究で用いられるBHQは病院のMRI計測が前提となっており、高額な費用がかかるなど、誰もが容易に計測できるものではありません。

ベスプラ、ジョルテ、BHQ社の3社は、スマートフォンアプリやスマートウォッチ、スマートグラスなどを通じて、運動、食事、休息や仕事といった人の行動データからAIでBHQを予測する「BHQ推定技術」を有しています。どこでも低コストでBHQを推定できるため、例えば業務中のBHQを推定し、働く時間や場所、部署間によるその変化や違いを計測、分析することで、何が脳健康に良いか悪いかを探ることができるようになります。PwCコンサルティングはこれら3社のサービスを用いて、さまざまな企業に対して、従業員のウェルビーイングにつながる活動を支援していきます。

【BHQ関連サービスの概要】
名称
(提供社)
特徴 サービスイメージ
Braincure
(ベスプラ)                
日々の食生活や運動の管理、脳トレの実践をサポートし、推定BHQを常時モニタリング可能なスマートフォンアプリ。
(ベスプラ提供)
推定BHQ
カレンダー
アプリ
(ジョルテ)
スマートウォッチで取得した運動量や心拍数データをスマートフォンのカレンダーに集約し、推定BHQと日々の予定を同時に管理することが可能なアプリ。
カレンダーを活用して自分の状態を見える化し、日々の意識向上と健康維持・改善のための行動支援ツールとして活用できます。
(ジョルテ提供)
BHQ Forecast
(BHQ社) 
スマートグラスで取得した視線の動きや姿勢といった日常の振る舞いから、3分ごとに時系列でBHQを推定します。推定するBHQは、神経線維の健康を表すものであり、脳からみた幸福感を可視化することができます。
(BHQ社提供)

※スマートフォンやスマートウォッチ、スマートグラスなどのデバイスは、別途用意いただく必要があります。
※画像はイメージです。

【推定BHQを用いたコンサルティングサービスイメージ】
推定BHQと業務ログなどを組み合わせることにより、以下を実現します。

■定期メンタルヘルスチェック
定期的に従業員の脳の健康状態を確認することで、職場環境の悪化を未然に検知し、改善につなげます。
■自分に合う幸せな仕事の発見
従業員が最もパフォーマンスを発揮できる環境を探るとともに、脳が喜ぶ最適な仕事を見つけ出すことを支援します。
■研修プログラムの評価
「研修プログラムでどのような成果が得られたか」といった客観的な評価が難しいものに対して、推定BHQから分かる「やる気」「感情多様性」「自己肯定感」などを軸に、各プログラムが狙い通りの効果をもたらしているか、効果があるのはどのような役職や職種なのかを把握します。

<適用領域例>
 ・リモートワークによって低下しがちな、従業員のモチベーションをセルフチェックできるようにサポート
 ・従業員一人一人に合う仕事を見つけることで、配属やチーム編成を最適化
 ・役員候補者を育成する上で、求められるマインドセットを充足するプログラムを選定
 ・人的資本の情報開示における指標の一つとして活用し、従業員のウェルビーイングを推進
 
  
※画像はイメージです。

PwCコンサルティングは、BHQの普及を進めることで、多様な企業のニーズに応じたウェルビーイングの推進とその先にある企業価値の向上に貢献していきます。今後もBHQの社会実装に向けて、優れた技術を持つスタートアップをはじめ、さまざまな企業、国、自治体との連携および協業を推進します。

Technology Laboratory所長
PwCコンサルティング 上席執行役員 パートナー 三治 信一朗のコメント

PwCコンサルティングは、2020年7月に開設したTechnology Laboratoryにおいて脳科学を最先端技術に基づく革新的テクノロジーの一つに位置づけ、脳科学の産業応用支援に取り組んでいます。べスプラ、ジョルテ、BHQ社の各社とは、これまでにも脳の健康究明によるウェルビーイングの実現に向けた取り組みを進めてきており、この度、健康経営の高度化を包括的に支援できる枠組みを整えることができました。各社の特性を生かして、BHQの活用により脳の健康状態を把握し、さらに継続して改善する取り組みへと行動変容できる社会に貢献していく所存です。

<参考>
Technology Laboratory
https://www.pwc.com/jp/ja/technology-laboratory.html

脳科学の産業応用支援
https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/technology-consulting/technology-laboratory/brain-science.html

■ベスプラについて
株式会社ベスプラは認知症予防に向けた脳の健康維持アプリ「脳にいいアプリ」ならびに運転免許更新時の認知機能検査が手軽に試すことができる運転免許の認知機能テストを提供し、ICT を使ったヘルスケアサービスを通して脳と体の健康サービスを提供しています。

■ジョルテについて
株式会社ジョルテは、世界 3,500 万以上のダウンロードの実績を持つ人気の無料カレンダーアプリの「ジョルテ」を中心としたサービス提供を行っています。また、スマートウォッチなどのデバイスを用いて脳の健康状態を推定しアプリで可視化する行動プラットフォームを提供します。健康記録と生活改善を促進するための日課管理を含めた新サービスの創出を目指してまいります。

■BHQ社について
BHQ株式会社は、内閣府ImPACT山川プログラムにおいて開発された脳の健康指標BHQを基盤として、コンサルティングサービスの提供および異業種のコンソーシアムを運営しています(32社の民間企業および10の自治体や大学が参加)。37のMRIを保有する大学、病院にBHQドックシステムを提供しています。

参考文献
※1:Bellet, Clement and De Neve, Jan-Emmanuel and Ward, George, Does Employee Happiness have an Impact on Productivity? (October 14, 2019). Saïd Business School WP 2019-13
※2:Kokubun, K., Nemoto, K., Oka, H., Fukuda, H., Yamakawa, Y., & Watanabe, Y. (2018). Association of fatigue and stress with gray matter volume. Frontiers in behavioral neuroscience, 12, 154.
※3:Kokubun, K., Nemoto, K., & Yamakawa, Y. (2022). Brain conditions mediate the association between aging and happiness. Scientific reports, 12(1), 1-15.
※4:Kokubun, K., Ogata, Y., Koike, Y., & Yamakawa, Y. (2020). Brain condition may mediate the association between training and work engagement. Scientific reports, 10(1), 1-13.

以上


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