【東芝エネルギーシステムズ】ベカルトと東芝、グリーン水素製造を促進するPEM水電解装置用MEA技術に関するパートナーシップ契約を締結
2024-2-29
べカルト社
東芝エネルギーシステムズ株式会社
PEM水電解装置用MEA技術に関するパートナーシップ契約を締結
PEM電解装置は、電気を利用して水を酸素と水素に分解します。電力が再生可能エネルギー源の場合、温室効果ガスを排出することなく水素を製造することが可能です。本電解装置の触媒には、最も希少な金属の一つであるイリジウムが使用されています。そのため、イリジウム含有量を削減するソリューションは、これらの技術を大規模に採用するための重要なブレイクスルーとなります。
今回の契約締結により、PEM電解装置用MEAの主要部品であるチタン不織布(PTL)におけるベカルト社の優れた専門知識と、東芝グループの革新的な省イリジウム技術が組み合わされ、PEM電解装置の製造におけるイリジウム使用量の90%削減が可能となります。このイリジウム削減により、MEAの安定供給が可能となり、グリーン水素製造の拡大に貢献します。
ベカルト社は、そのグローバルネットワークとベルギーに確立された製造拠点を活用し、MEA製造の商業化を行い、顧客にサービスを提供します。東芝ESSはべカルト社に省イリジウムのMEA技術をライセンスし、MEAの製造・販売権を付与します。一方、東芝ESSは同技術の技術的性能のさらなる向上に注力します。この契約は全世界を対象としたものですが、日本関連のプロジェクトは別の契約の対象となります。
ベカルト社のエネルギートランジション事業シニアバイスプレジデントのInge Schildermans(インゲ・シルダーマンス)は「ベカルトは、グリーン水素製造の開発におけるリーディング・プレイヤーであり、この革新的なPEM電解装置用MEAの商業化において東芝と提携できること、さらに、当社のグリーン水素の顧客にこの技術を提供し、コストと持続可能性の課題を達成する支援ができることを嬉しく思います。ベカルトは、グリーン水素技術および当該産業のパートナーとしての地位を確立し、水電解装置の規模拡大とエネルギー転換が実現できるよう支援していきます。」と述べています。
東芝ESSのエネルギーアグリゲーション事業部バイスプレジデントの河原慈大は「急増するグリーン水素の需要に対応するためには、PEM水電解装置のさらなる普及が不可欠です。東芝グループの先進的な省イリジウム技術と、ベカルト社のPTLにおける長年の専門知識を組み合わせることで、グリーン水素製造のキーとなる水電解装置業界に迅速かつ最大限アプローチできるようパートナーシップを形成しました。私たちは、この提携がグリーン水素の急速な需要に効果的に対応し、水素社会の実現に大きく貢献すると確信しています。」とコメントしています。
注 プレスリリース:べカルト社と東芝エネルギーシステムズ、グリーン水素製造における グローバルパートナーシップの構築に関する覚書を締結 https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2023/10/news-20231010-01.html
東芝のMEAのイメージ画像
ベカルト社の目標は、私たちの生活と移動のあり方を形作るリーディング・パートナーとなることであり、常に安全で、スマートで、持続可能な方法でこれを行うことです。
鋼線加工およびコーティング技術の材料科学における世界的な市場および技術リーダーとして、ベカルト社はまた、鉄鋼以外の専門知識を応用し、新しいモビリティ、低炭素建築、グリーンエネルギーなどの市場向けの革新的な材料とサービスにより、新しいソリューションを創造しています。
ベカルト社の水素事業について
ベカルト社のチタン不織布(PTL)は、グリーン水素製造用の水電解装置などの電気化学デバイスの耐久性と性能を高める材料として使用されています。ベカルト社は、PEMおよびAEM電解装置のPTLにおいて、Currento®のブランド名で技術および市場におけるリーダー的地位を確立しています。同社は、グリーン水素製造のための次世代革新的ソリューションの開発と、今後数年間で生産能力を数GWまで拡大するための投資を行っています。
東芝エネルギーシステムズについて
株式会社東芝の100%子会社である東芝エネルギーシステムズ株式会社(東芝ESS)は、東芝グループのエネルギー事業を担っています。幅広い発電・送電システムやエネルギーマネジメント技術に関する長年の経験と専門知識を生かし、革新的で信頼性が高く、効率的なエネルギーソリューションを全世界に提供しています。東芝ESSの詳細は以下を参照ください。
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