2024年 年頭挨拶(要旨)
まず初めに元日に発生した令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
さて昨年はコロナが収まりようやく通常の生活が戻ってきましたが、一方で世界的なインフレや地政学的リスクの高まりなど、一昨年に続きさまざまな変化がありました。また、カーボンニュートラルやサステナビリティに対する社会からの要請も再び強まりつつあります。
そのような状況下において、当社グループは長期ビジョンや中期経営計画で掲げた方針は変えず、3つの変革を実行していきます。ただし、今までと同じことをやるのではなく、変化に応じて戦略を柔軟に変える必要があります。
「事業の変革」では、既存分野から成長分野へのポートフォリオ変革を目指しています。
ソリューションズ事業においては、すべての製品を均等に追及するのではなく、将来伸ばしていくものと維持・縮小するものを選別し、それぞれに適した戦略に変更することが必要です。そのために、事業領域ごとの戦略を明確にして各領域に応じた施策を実行します。そして注力すべき事業領域を絞り込み、リソースを集中させ積極的かつスピーディに投資を行います。
マテリアルズ事業においては、中国の景気低迷に伴い各製品の需給バランスが悪化しています。また、国内需要縮小の影響により、業界再編が始まっています。再編の動きは今後加速することが予想され、私たちもこれまでの枠に囚われない柔軟な対応が必要になるでしょう。当社グループはこのような動きを事業強化の機会として捉え、関係各社と連携しながら事業の強化を図っていきます。
「環境対応への変革」では、CO2排出量削減の取り組みに加えISCC PLUSの認証取得やグリーンエネルギーの調達などを実施するとともに、環境貢献製品の開発・事業化を促進しています。また、新たにGX研究本部や水・環境事業準備室を設置し昨年4月から活動を開始しました。今後は環境貢献製品の拡充を行うとともに、他社との連携を強化しつつバイオマス原料の調達やバイオマス由来製品等の開発を進めます。
「組織の変革」では、成長し続ける組織・多様な人財がいきいきと働く会社を目指しています。2022年度にチャレンジを評価する新人事制度を導入しましたが、重要なのは制度を変えることではなく制度をいかに使うかということです。上司の方は、結果だけではなく失敗しても難しい課題に挑んだ社員をしっかり評価してください。
人財面では、女性社員やキャリア採用社員の比率が上がり組織が少しずつ活性化してきていると感じます。今後さらに多様化を進めていきますが、大切なことはやはりコミュニケーションです。日頃の挨拶はもとより積極的にコミュニケーションを図り、働きやすく気持ちのいい職場環境を作っていきましょう。
厳しい環境においても、積極的に投資を行い将来の成長につなげたいと思います。当社グループの強みであるいざという時の結束力と実行力を発揮し、皆で当社グループを成長軌道に乗せていきましょう。