ニデックインスツルメンツによるスマートフォン用カメラ向け手振れ補正モジュール「TiltAC®」の新製品開発について
ニデック株式会社のグループ会社であるニデックインスツルメンツ株式会社(以下、当社)はスマートフォン用カメラ向け手振れ補正モジュール「TiltAC®」(チルタック)の新製品を開発しました。
現在、世界では年間13億台のスマートフォンが出荷されており、そのほとんどにカメラが搭載されています。当社は画質の劣化がなく、レンズやイメージセンサの性能を最大限に生かせるブレ補正デバイスとして、搭載したジャイロセンサと連動した手振れ補正モジュール「TiltAC®」(チルタック)を2019年より供給しています。
一眼レフカメラなどで採用されているブレ補正方式はレンズまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ(撮影素子)の揺れを打ち消す方向にシフトさせて光軸を像の中心部に維持するOIS(Optical Image Stabilizer)方式です。一方、一般的に、スマートフォンはブレ補正方式として、EIS(Electronic Image Stabilizer)を採用していますが、この方式は、撮影された映像の一部領域を切り出すデジタル処理によってブレを補正するため、原理的に画質の劣化が避けられませんでした。
当社が開発した独自技術であるTiltAC®は、レンズからCMOSセンサまですべてを含むカメラモジュールをまるごと可動部として、ジャイロセンサで傾き変位(角速度)を検出し、それを打ち消す方向にアクチュエータの動作を制御することで、カメラモジュールがまっすぐ被写体に向いた姿勢を維持します。そのため、デジタル処理による周辺部の画像の劣化もなく、CMOSセンサの性能をフルに
発揮でき、高画質の画像/動画を、手軽に撮影することができます。
今回新開発したモジュールは可動部の機構の設計を見直すことで、当社の既存製品に比べ、機能/性能を維持したまま実装面積で約11%の削減に成功しました。
近年、スマートフォンはハイエンドモデル等においては、複数台のカメラを搭載する機種が増えていることから、カメラの小型化についてもメーカーから大きな需要がありました。
当社は、今後も世界No.1の総合モーターメーカーの一員として、快適な社会づくりに貢献する革新的なソリューションを提案していきます。