アルプスアルパイン社員が2023年「ヨハネス・グーテンベルク賞」受賞
高精細・省電力の熱転写印刷技術で世界に貢献
アルプスアルパイン株式会社(TOKYO:6770、代表取締役社長:泉英男、本社:東京都大田区、以下「アルプスアルパイン」)は、社員の寺尾博年が国際画像学会(Society for Imaging Science and Technology)より、世界的に栄誉ある2023年「ヨハネス・グーテンベルク賞」を授与されたことをお知らせします。9月20日に開催された画像学会国際会議「Advances in Printing Technology2023」の席上で表彰式が行われ、賞が授与されました。ヨハネス・グーテンベルク賞は、15世紀に活版印刷を発明したヨハネス・グーテンベルクの名前を冠した世界的な賞で、米国ヒューレット・パッカード研究所がスポンサーとなり、毎年、印刷技術に多大な貢献をした技術者や科学者1~2名に授与されています。なお、今回の受賞は、共同研究を行う金沢工業大学 機械工学科の福江高志准教授との共同受賞です。
■受賞者とその実績
社員の寺尾博年(工学博士)は、1991年にアルプスアルパインに入社以来、一貫して熱転写技術とサーマルプリントヘッドの研究開発に従事してきました。熱転写技術とは、サーマルプリントヘッドで熱を加えると溶融・昇華するインクを使って普通紙やラベルに印刷する技術で、寺尾はその高精細化、高速化を実現するサーマルプリントヘッドを開発した第一人者です。また、プリンタの熱効率向上や省電力化を叶え、従来では難しいとされていた電池で駆動するモバイルフォトプリンタの発明においても世界をリードしました。
さらに、本物に近いメタリック調や木目調などの高意匠加飾を施すオンデマンドフィルム加飾プリンターを開発。当技術はメッキレスの環境にやさしい加飾技術として注目が高まっているほか、必要な時だけディスプレイやスイッチを表示するステルス照光技術と組み合わせ、先進的な操作パネル等の製品として次世代自動車の内外装への応用が期待されています。
なお、寺尾は1998年より日本画像学会の特別研究員として活動し、2014年国際画像学会から、そして2017年日本画像学会から印刷技術に著しい貢献をした人物としてフェロー称号を授与されました。
こうした長年の実績を表して、ヨハネス・グーテンベルク賞が贈呈されることになりました。研究成果は今後アルプスアルパインにおいて、熱転写技術を基盤としたプリンタの高精細化や省電力化、それを応用した製品の付加価値向上などに役立てられます。
関連情報:https://www.alpsalpine.com/j/news_release/2022/1215_01.html
関連情報:https://www.alpsalpine.com/j/news_release/2022/0118_01.html