ナイジェリアの小規模農家の生計向上に向けた事業を7月に開始

独立行政法人 国際協力機構

国際協力機構、ナイジェリア連邦IT開発庁デジタルイノベーション局、Zowasel社及びナイジェリア三菱商事の4団体共同事業

 国際協力機構(以下、JICA)は、2022年7月、ナイジェリアの小規模農家の生計向上を目的としたクレジットスコアリングモデル構築事業「Survey on Credit Scoring System for Smallholder Farmers in Nigeria」を開始します。この事業は、ナイジェリア連邦共和国政府IT開発庁デジタルイノベーション局(以下、ナイジェリアDI局)、ナイジェリアの農業スタートアップ企業Zowasel社、ナイジェリア三菱商事と連携して実施します。


 
ナサラワ州の小規模農家(左)とZowasel社スタッフ(右)
 
  1. 事業名:Survey on Credit Scoring System for Smallholder Farmers in Nigeria
  2. 実施期間:2022年7月~2023年8月
  3. 実施主体:JICA、ナイジェリアデジタルイノベーション局、Zowasel社、ナイジェリア三菱商事
  4. 実施地域:ナイジェリア国ナサラワ州・オンド州
  5. 事業概要:小規模農家向けのクレジットスコアリングモデルの構築、金融知識教育による金融アクセス改善・生計向上
 ナイジェリアの就業人口の約7割が農林水産業に従事しています。GDPに占める農林水産セクターの割合は約25パーセントと高く、同セクターのGDP成長率は近年3パーセントを超えています。一方で、農家の信用力は低く、ビジネス上の取引において現金即日払いが一般的で、銀行融資・保証などの活用が困難であり、まとまった資金を確保して事業の拡大を図ることができません。また、人口あたりの耕地面積が0.18ヘクタールと小規模農家が多いため、小規模農家の金融アクセスの改善・生計向上は重要な開発課題となっています。

 そこで、JICA及びナイジェリアDI局は、ナイジェリアのナサラワ州・オンド州の小規模農家と肥料などの農業投入材・農作物等の取引関係を持ち、小規模農家の情報を豊富に有するスタートアップ企業のZowasel社と連携し、小規模農家向けのクレジットスコアリングモデルの構築を行います。銀行口座開設や預貯金・融資に関する金融知識の教育を通じ、小規模農家の金融アクセスの改善・生計向上を目指します。また、ナサラワ州で小規模農家向けに日本の新品・中古農機レンタル事業の実証実験を行っているナイジェリア三菱商事とも連携し、農機レンタル事業の情報も活用して本事業を展開します。今後ナサラワ州・オンド州以外の各州でも活動を実施する予定です。

 JICAがナイジェリア国内外で有する農業分野の知見、本事業による小規模農家向けクレジットスコアリングにおける知見、ナイジェリアDI局が持つナイジェリア国内における金融機関・事業法人、他政府機関等のネットワークの活用を通じて小規模農家の金融アクセスを改善することにより、中長期的に小規模農家の事業の拡大、農機レンタルの更なる活用等による生産効率の向上、小規模農家の生計の向上が期待されます。

 本事業は、JICAが2020年1月に立ち上げたProject NINJA(Next Innovation with Japan)の一環です。Project NINJAでは開発途上国における起業家支援・イノベーションの創出に取り組んでおり、ナイジェリアでは斬新なビジネスアイデアを有する起業家の育成支援や同国の主要産業である農業への支援を積極的に進めています。

【ご参考】
Project NINJAについて
Project NINJA(Next Innovation with Japan)は、JICAの開発途上国におけるビジネス・イノベーション創出に向けた起業家支援活動として2020年1月に始動しました。
Project NINJAの活動を通じて、様々な関係者と連携し、起業啓発活動、起業家が抱える課題の特定・政策提言、企業経営の能力強化、産業毎の起業家間の連携促進、開発途上国の起業家と日本企業とのマッチングや投資促進等を実施します。
https://www.jica.go.jp/activities/issues/private_sec/project_ninja/index.html

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