【4月に育児・介護休業法の改正迫る/新しい働き方の選択肢に関する意識調査 第5弾】 産育休取得後の不安は「仕事についていけるか」「家事と仕事の両立」が約5割
復職理由は、家計面だけでなく、仕事・キャリア面も明らかに ~約3割が「自分自身のキャリアアップのため」復職と回答~
人材総合サービスを全国で展開する株式会社スタッフサービス・ホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:阪本耕治)は、全国の20~49歳男女300人に対し、「産休・育休の取得」についての意識調査を実施しました。スタッフサービスグループは、社会の変化にともない、人々の「働く」も変わり続けていることから、2021年4月に経営理念「チャンスを。」を刷新し、目指すビジョンを「いつからでも、どこにいても、誰もがより良い『働く』に出会える社会へ」としました。
今回の調査は、「産休・育休(以下、産育休)」をテーマとして調査を実施。2022年4月から順次改正・施行される育児・介護休業法では、雇用環境の整備や労働者に対する個別の周知・意向確認の義務化、有期雇用労働者の取得要件の緩和に伴い、産育休が取得しづらかった方々が「より産育休を取得しやすく、仕事と育児が両立しやすくなる」といわれています。本調査では、改正・施行前の現時点における産育休取得の際の悩みや不安、具体的におこなった準備などの実態を明らかにすべく、調査を行いました。
<本調査のポイント>
●産育休からの復帰で気になったことの上位には、「仕事についていけるか」(53.3%)、「家事と仕事との両立」(49.3%)がランクイン。長期間休業したことに伴う仕事面に対する不安がうかがえます。
●産育休後の準備で最も多かったのは「子どもの預け先を見つける」(71.7%)。中には、「ファミリーサポートや子どもの病気など急な時に対応できる預け先の確保」(女性/33歳)という回答もありました。2位以降、「家事や子育てを分担する」(41.0%)、「生活のリズムを復帰後に合わせる」(34.7%)と続きます。
●復帰までに行った工夫は、「子どもに関すること」「仕事に関すること」「生活習慣」などの回答が寄せられました。中には「職場のメンバーとの打ち合わせ」や「子育てと生活リズムの調整と仕事時間のシミュレーションを兼ねた練習」といった環境の変化に即座に対応できるよう、自ら積極的に工夫しているという声もありました。
●産育休から復帰した理由で最も多かったのは、「家計」(63.3%)。2位以降は、「自身のキャリアアップ」 (29.7%)、「職場が人手不足」(24.3%)、「働くことが好き」(21.0%)が続きます。出産後、子育て費用もかかってくる家計を支えるため、職場に復帰している人が多いことがうかがえます。
<総括>
今回の調査で、産育休取得後は家計面や、仕事面でさまざまな不安を抱えていることが分かりました。復職理由では家計面に次いで、3割が「自分自身のキャリアアップのため」と回答しており、すぐに仕事の感覚を取り戻せるかといった不安や、育児・家事のバランスを考えながら活躍の場を広げていきたいという志向も明らかになりました。
今回、産育休を経てもキャリア形成に対する意欲は変わらず高いがこと明らかになりました。成長意欲に対し、休業後の不安解消のための施策をいかに整え、実際に活用してもらえる体制を加速させることが、産育休取得が進むカギといえそうです。
<調査結果詳細>
産休・育休から復帰までに気になったこと(複数回答)
産育休からの復帰で気になったこと(複数回答)の上位には、「仕事についていけるか」(53.3%)、「家事と仕事との両立」(49.3%)がランクイン。長期間休業したことに伴う仕事面に対する不安がうかがえます。
◆同じ設問でもっとも気になったことを1つだけ挙げてもらった結果、1位は「家事と仕事との両立」(28.7%)でした。内閣府調査(*1)の男女間における家事時間の比較調査では、子どもがいない世帯では女性が男性の1.33倍となっていますが、未就学児がいる家庭では、2.27倍に増えています。また、男性の育休取得率は増加傾向にはあっても、女性の81.6%に対し、男性は12.7%といった実情もあります。家事は女性に負担がかかる傾向にあるようです。
産休・育休から復帰までに準備したこと(複数回答)
最も多かったのは「子どもの預け先を見つける」(71.7%)。中には、「ファミリーサポートや子どもの病気など急な時に対応できる預け先の確保」(女性/33歳)という回答もありました。2位以降、「家事や子育てを分担する」(41.0%)、「生活のリズムを復帰後に合わせる」(34.7%)と続きます。
◆この他、「身だしなみを整える」(11.3%)、「仕事で必要なスキルを練習する」(10.7%)、「復帰に関わる情報を集める」(8.3%)といった仕事に向けての準備もありますが、それよりも、「子どもを預かってくれる両親との連携」(女性/49歳)、「育児のためにどういったプランをするのか妻と考えた」(男性/46歳)など、家庭内における準備に比重が置かれていることがうかがえました。
産休・育休から復帰した理由(複数回答)
産育休から復帰した理由で最も多かったのは、「家計」(63.3%)。2位以降は、「自身のキャリアアップ」(29.7%)、「職場が人手不足」(24.3%)、「働くことが好き」(21.0%)が続きます。出産後、子育て費用もかかってくる家計を支えるため、職場に復帰している人が多いことがうかがえます。
「家計や職場の人手不足」といった物理的な理由で職場復帰する人もいる一方で、「自身のキャリアアップ」や「働くことが好き」、「会社や職場に貢献したい」、「会社や職場が好き」など、自分自身の希望で職場復帰している人も見られました。
<育児休業と育児休暇の違い>
育児休業と似た言葉として「育児休暇」もありますが、大きな違いは法律で定められているか否かです。
育児休業は、育児・介護休業法に基づいて取得できる休業制度です。休業中に減じた収入を補う給付制度など、法律の中でさまざまな権利が保護されています。また、通常「育休」という場合は、育児休業のことを指します。
育児休暇は法律の適用外で、あくまでも企業の裁量に任されています。
産休・育休から復帰までに工夫したこと(自由回答)
「子どもに関すること」「仕事に関すること」「生活習慣」など、さまざまな回答が寄せられました。
<子どもに関すること>
・子どもにとって母親が昼間いないことに慣れさせるのが一番大切な準備だった(女性/37歳)
・保育園通園のためにプレ保育で、子どもを保育園に慣れさせる(36歳/女性)
・保育時間が長く、子どもに対してのフォローが厚い、仕事と育児を両立しやすい保育園を選んだ(女性/38歳)
・母乳育児だったため、どう卒乳するかを考えておいた(女性/38歳)
<仕事に関すること>
・復帰後、スムーズに仕事に取り組めるよう、職場のメンバーとの打ち合わせ(女性/41歳)
・会社の制度の再確認。実際に復職された方のタイムスケジュールやルーティンを見る(女性/36歳)
・職場に復帰して業務をスムーズにおこなえるように、職場の状況を聞いて予習(男性/45歳)
<生活習慣、そのほか>
・子育てと生活リズムの調整と仕事時間のシミュレーションを兼ねた練習(女性/48歳)
・週に一度家事代行の方に来てもらう手配をした(44歳/女性)
・オフィスファッションやメイクなどを研究した(女性/34歳)
・他の人の生活リズムを参考にするためネットで検索。産後元の体重に戻すためにダイエットもした(女性/40歳)
・寝る時間、起きる時間を仕事に向けて調整(男性/28歳)
・お金を蓄えた(男性/48歳)
【ご参考】スタッフサービスグループの復職時サポート体制について
スタッフサービスグループでは、派遣スタッフの方に向けて「復職時のサポート」に取り組んでいます。例えば、ブランクがある方の不安に対しては、ビジネスマナーやPCスキルが学べるeラーニングや学習アプリの用意や、キャリアカウンセリングができます。また、派遣は働き方を選びやすいのも特徴です。職住近接やテレワーク、時短勤務、残業の有無、未経験でも就労可能な求人の紹介など、産育休後の悩みに寄り添った仕事選びや職場選びをサポートしています。
【ご参考】本調査結果のコラムについて
●スタッフサービス・ホールディングスが、運営するWebコラム「Cheer」でも、本調査をコラム形式で紹介しています。「私らしいライフスタイルを応援する」 Cheerは、仕事に役立つさまざまな情報をコラムでお届けするサイトです。
「育休・産休から復帰するまでどれぐらいかかった?困ったこと、準備すること」
https://www.staffservice.co.jp/cheer/special/ikukyuu.html
新しい働き方の選択肢に関する意識調査について
スタッフサービスグループは、社会の変化に伴い、人々の「働く」も変わり続けていることから、2021年4月に経営理念「チャンスを。」を刷新し、目指すビジョンを「いつからでも、どこにいても、誰もがより良い『働く』に出会える社会へ」としました。今回の調査は、当グループとしてより良い働き方ができる社会の実現を目指していることから、新しい働き方の可能性が議論されている点に着目し、現時点におけるこれらの必要性や理由などを明らかにすべく、調査しています。
・第1弾 「副業」、「選択式週休3日制」 について(2021年6月23日配信)
https://www.staffservice.co.jp/nt-files/nr_210623.html
・第2弾 「定年制」 について(2021年7月20日配信)
https://www.staffservice.co.jp/nt-files/nr_210720.html
・第3弾 「テレワーク」 について(2021年8月19日配信)
https://www.staffservice.co.jp/nt-files/nr_210819.html
・第4弾 「テレワークにおけるコミュニケーション」 について(2021年9月2日配信)
https://www.staffservice.co.jp/nt-files/nr_210902.html
■スタッフサービスグループ概要
創 業 : 1981年11月29日
代 表 : 阪本 耕治
本 部 : 東京都千代田区神田練塀町85 JEBL秋葉原スクエア
事 業 内 容 : 人材派遣(事務職、技術者、ITエンジニア、製造業務、医療・介護分野)、紹介予定派遣、人材紹介、業務請負
売 上 高 : 3233億円(2021年3月期)
従 業 員 数 : 4,374人(2021年4月現在)
取引先件数 : 46,275件(2021年3月現在)
有効登録者数: 約120万人(2021年3月現在)
就 業 者 数 : 79,874人(2021年3月現在)
拠 点 数 : 国内166拠点(2021年4月現在)
【調査概要】
■調査方法:インターネット調査
■調査期間:2021年12月9日~10日
■調査対象:全国20歳~49歳の男女300人
■職業:産育休を取得したことのある正社員・契約社員・派遣スタッフ
※本調査リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、必ず【スタッフサービス・ホールディングス調べ】とご明記ください。