兵庫県芦屋市教育委員会のGIGAスクール端末活用事例を公開
~教育にICT活用を根付かせるには、柔軟なフィルタリングが必要~
情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、GIGAスクール構想における1人1台端末のセキュリティ対策として、Webセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版を活用した兵庫県芦屋市教育委員会の導入事例を、11月2日に公開したことを発表します。端末の適切な活用のためにフィルタリングを導入した教育委員会の事例をご紹介
全国の児童・生徒に1人1台端末と高速ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルス感染症拡大によるオンライン学習の必要性が高まったことも相まって、多くの自治体で2020年度内に端末導入が完了しています。各自治体では、端末の学習での活用方法や、児童・生徒の利用ルールなど運用の詳細について検討し、学校現場でのICT活用を進めています。
このような中、9月には東京都内の小学生女児がGIGAスクール構想で配布された端末のチャット上などでいじめを受けたことを苦に、自殺をするという痛ましい事件が起こったことが判明しました。子どもたちは人間関係やコミュニケーションについても発達段階であり、インターネットリテラシーも未熟な部分があります。こうした段階で、制限なくインターネット端末を利用させてよいのか、GIGAスクール端末の活用について課題が浮き彫りになっています。このような事件が再び起きないよう、子どもの安全を見守り、安心して端末を活用できる方法はないのでしょうか。
2020年4月からデジタルアーツでは、GIGAスクール端末を児童・生徒が安全に使い、教員や保護者の皆さまが安心して端末を持たせることができるよう、Webセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版(以下、「i-FILTER@Cloud」)を提供しています。今回は、同製品を導入され、教育にICT活用を根付かせるために尽力されている、兵庫県芦屋市教育委員会(以下、芦屋市)の活用事例を11月2日より公開します。
柔軟なフィルタリングで見守ることが教育現場では必須、オンライン授業配信で別室登校の児童・生徒の活用を進める
芦屋市では、2021年1月下旬に「i-FILTER@Cloud」を導入した学習用iPad 6,233台を学校に配備しました。自由で主体的な学びを推奨するGIGAスクール構想では、子どもたちの学びに制限をかけないよう、OSに付随する最低限のネット制限機能を利用する自治体も多くありますが、芦屋市教育委員会 学校教育部 打出教育文化センター 大林亮主査は「OSメーカーが提供するフィルタリングでも、指定したサイトをブロックすることは可能ですが、細かな設定が難しいです。どのカテゴリを許可不許可にしているのかなど、市教委を含め教育現場がきちんと把握できることが必要ですし、柔軟に設定を変更できることも学習活動においては大切なことであると考え、セキュリティメーカーのフィルタリング導入を決断しました。また、このサイト閲覧に係るルールに関しては保護者の関心も高く、あまりに自由な部分が大きいと心配になる方も多いと思うので、不安要素を取り除くために、細かくフィルタリングの強弱をかけられた方が良いと考えています」と語ります。
そんな芦屋市の学校では、学習支援ソフトを授業で活用するほか、「カメラ機能など、授業だけでなく日常的に端末を使っています。休み時間に使っている学校もあるようです」と大林主査。現在、端末や学習支援ソフトなどの使用方法について、メーカーが現場の先生向けに研修や電話サポートなどを行っているほか、GIGAスクールサポーターが作成した利用方法を紹介する動画や資料を学校の先生がすぐに見られるよう共有したり、ICT支援員等が各校を回りサポートできる体制を整えています。また、学校では情報担当の先生がそれぞれの学校実態に応じたミニ研修を開いたり、必要に応じて教育委員会の担当指導主事などが出前研修を実施したりしています。
こうしたきめ細かな現場との連携が功を奏し、端末の活用は進んでいるようです。また、従来行ってきたオンライン授業ライブ配信も加速しており、現場の先生からは「苦労もあるが、別室登校の子どもの役に立っている」と好評とのこと。特に校長先生からは「授業ライブ配信で、学校に来られる子がいるということに驚いたが、いい取り組みである」という声が聞かれたそうで、今後もオンラインによる授業の可能性を研究していきたい考えです。
デジタルアーツの「推奨フィルター」で見守れる安心感、安全管理もスムーズに行える
「i-FILTER@Cloud」のメリットは、「推奨フィルター」で常時子どもたちを見守ることができる安心感だと語る大林主査。「推奨フィルター」とは、デジタルアーツが安全を確認したURLにのみアクセスさせる機能です。安全が確認できていないURLへのアクセスはブロックするため、先生も保護者も安心して自由にインターネット利用をさせることができます。「見たいサイトがブロックされる場合は、先生から要望を上げてもらって、教育委員会の方で許可をして見られるようにすることもあります。あと、「端末隔離機能」も児童生徒を指導する際に役に立っています」といいます。 「端末隔離機能」とは、脅威情報サイトにアクセスしてしまった端末を自動的に隔離する機能で、マルウェア感染した可能性のある端末を速やかにネットワークから外し、被害を拡げないための措置です。「隔離された端末は初期化します。基本的には、学校から、市教委へ連絡をしてもらい、安全が確認できてから利用を再開するようにしています」(大林主査)。 ゆくゆくは「Webサービス制御」などを活用して、SNSの閲覧のみ許可することやYouTubeのコンテンツごとに閲覧可とするなど、細かな調整を加えて更に自由に学びを拡げていくことを検討したい考えです。
端末という「文房具」で、子どもたちが創造的な表現ができるような授業にしたい
子どもたちが変化の激しい時代を生きていくため、芦屋市では従来から主体的に学び続ける姿勢を大切にする授業の創造に取り組んできました。「今後は、日常の風景のように何気なく当たり前に、端末を授業で使っていけるような体制ができたらいい」と大林主査は語ります。「文部科学省も提唱している、『文房具』としての使い方ができるようになってほしいですね。今の段階では機能を使いこなすことが重点ですが、今後はそれを使って子どもたちが創造的な表現ができるような授業を目指したいです」。
■兵庫県芦屋市教育委員会導入事例の全文はこちら ▶ http://www.daj.jp/es/case/case85/
デジタルアーツの「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版特別ラインアップ
いじめに関する書き込みを禁止する「POST制御」や「Webサービス制御」のほか、「子ども見守りシステム」も搭載
デジタルアーツのWebセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版は、GIGAスクール構想における1人1台端末を、教育の現場で安全にかつ円滑な学習ができるよう利用いただくために改良した学校用フィルタリングサービスです。国内導入シェアNo.1※の「i-FILTER」におけるフィルタリングデータべースを基に、学習の現場に合わせたきめ細やかなフィルタリングルール設定が可能です。
また、文部科学省がGIGAスクール構想で推奨する3OSすべてで、児童・生徒による裏掲示板やSNSサイトへの書き込み、端末搭載のカメラで撮影した写真のアップロードを制御する「POST制御」機能が利用できます。これにより、児童・生徒が端末を私的に利用し、学習に関係のない使い方やいじめなどにつながる書き込みを防ぐことができます。また、Webサービスごとに「ログイン、書き込み、アップロード、ダウンロード」等の機能を制御する「Webサービス制御」や、生徒が自分の端末から自殺関連サイトへアクセスした際、「i-FILTER@Cloud」でブロックすると同時に指定された教職員もしくは教育委員会へメールでアラートを通知する「子ども見守りシステム」など、子どもの見守りや悩みにいち早く気付くことのできる、教育現場をサポートする機能も備えています。
「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版 ▶ https://www.daj.jp/es/lp/GIGA/
※株式会社富士キメラ総研「2020 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」Webフィルタリングツール市場占有率(2019年度)(2020年11月発行)