フォーティネット、東芝と国内初の量子鍵配送(QKD)相互接続試験に成功
5Gで実現するスマートな社会インフラに新時代のセキュアな通信を活用
量子鍵配送(Quantum Key Distribution: QKD)は光ファイバー上で暗号鍵を光子(光の粒子)に乗せて伝送します。光子が何かに触れると、必ず状態が変化するという量子力学的な性質を利用して、第三者による鍵の盗聴を確実に検知することが可能です。現在広く利用されている暗号通信における暗号鍵は、将来、量子コンピュータによって解読される可能性が指摘されていますが、QKDを導入すれば、サイバー攻撃の脅威からデータ通信基盤を保護し、データを安全に利用、長期保存できるという利点があります。
QKDは、ETSI(欧州電気通信標準化機構)などの国際機関が標準化を進める暗号化関連技術で、サイバー攻撃の増加で脅威が拡大する中、5G(第5世代移動通信システム)を安全に活用するためのセキュリティとして注目を集めています。特に欧米では、主要な通信事業者が、5GネットワークでQKDを導入するための実証実験を行うなど商用ネットワークでの採用に向けた準備を進めています。
日本国内でも5Gネットワークの広がりでスマートシティ、スマートファクトリーのような、新しい生活様式の実現が近づきつつあります。フォーティネットでは、日本国内でのQKD導入を後押しするため、東芝デジタルソリューションズと共同で国内初となる相互接続試験を行いました。この試験では、5G基地局側のセルサイトルータと5Gコア側のSecGWの間で量子暗号キーを使用したIPSecトンネルを確立し、エンドツーエンドで5G通信に成功しています。セルサイトルータとSecGWにはフォーティネットの仮想アプライアンスFortiGate-VMを使用しており、QKDとしては東芝デジタルソリューションズがクラウド上に設置した2つの拠点をエミュレートしたKME (Key Management Entity) AとKME Bを使用しています。実際の商用環境では、KME Aとセルサイトルータ、KME BとSecGWはセキュアな通信路を確保するために同一サイトに設置する必要があります。
<相互接続試験の構成>
5GネットワークでのQKDの実用化において、SecGWの処理能力は重要な要素です。フォーティネットは、自社開発のSPU(セキュアプロセッシングユニット)を採用することで、高性能、低遅延、低消費電力を実現しています。最新の第7世代ネットワークプロセッサNP7を搭載したFortiGateのFシリーズは、次世代の暗号化スイートAES-GCM とエレファントフローをサポートし、ハードウェアアクセラレーションによる大量なIPsecトンネルの収容と、高いIPSecパフォーマンスを提供する、5GネットワークのSecGWとして最適なソリューションです。
東芝デジタルソリューションズ株式会社 ICTソリューション事業部 QKD事業推進室 シニアフェロー 村井信哉氏は次のように述べています。
「フォーティネットジャパン様との相互接続試験が成功したことをうれしく思います。東芝は、東芝欧州研究所傘下にあるケンブリッジ研究所で、2003年に量子暗号についての研究を開始して以来、多くの世界初となる技術を実証し量子暗号通信をリードしてきました。今回の相互接続試験により、QKDが5Gネットワークでのよりセキュアな通信に活用できることが確認されました。東芝は今後も量子暗号通信の普及に向け、パートナー様と連携したソリューション提供を進めてまいります」
フォーティネットジャパン株式会社 社長執行役員 久保田則夫は次のように述べています。
「国内初となるQKDの相互接続試験に東芝デジタルソリューションズ様の協力を得て、FortiGateを使って成功したことを大変喜ばしく思います。量子コンピュータの到来が近づく今、QKDはサイバーセキュリティに取り組む私どもが積極的に参画し、牽引していくべき領域だと認識しています。日本では今後、5Gが新しいスマートな社会インフラや生産手段を支える基盤となることが容易に想像できます。スマートシティやスマートファクトリーをサイバー攻撃から守るために、フォーティネットは東芝デジタルソリューションズ様に協力して、QKDの実用化をサポートする所存です」
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https://www.fortinet.com/jp/corporate/about-us/newsroom/press-releases/2021/fortinet-successfully-conducts-first-qkd-interoperability-test-in-japan-with-toshiba
【関連リンク】
◆量子暗号通信(QKD)とは
https://www.toshiba.co.jp/qkd/index_j.htm
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