総務省より5.9GHz帯V2X通信用実験試験局免許を取得
~情報・モビリティが融合した次世代インフラの実現への取り組み~
● V2X通信用周波数帯として国際的に検討が進められている5.9GHzの実験試験局免許を取得● V2X通信の付加価値を向上させるモビリティ・インフラ領域での新技術の研究開発を推進
● 次世代インフラ社会の実現に取り組み、社会基盤の発展に貢献
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:小林敬一)は、7月6日に総務省より5.9GHz帯におけるV2X(注1)通信用の実験試験局免許を取得しました。5.9GHz帯V2X通信用の実験試験局免許を取得することで、情報とモビリティを融合した研究開発を推進し、将来の交通社会やモビリティ向上に向けた「次世代インフラ」の実現を目指します。
■背景
自動車業界は100年に一度という大変革の時代を迎えており、高度なモビリティ環境を実現するCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)が着目されています。例えば、自動運転などが実現される社会においては、安全・安心のための通信や乗る人が快適に過ごすためのエンターテイメントの配信も同時に行う等のユースケースが議論されてきています。そのようなユースケース実現のため、大容量通信の特徴をもつV2X通信規格の普及の動きが国際的に進んでいます。
日本においても総務省の「周波数再編アクションプラン」が公表されており、5.9GHz帯において、既存無線システムとの周波数共用等の技術的条件について2021年度までに検討を実施し、2023年度を目途にV2X用通信への周波数割り当てが検討されています。
当社グループでは、「古河電工グループ ビジョン2030」を掲げ、情報とモビリティの融合領域の研究開発を進めることで安全・安心・快適で、地球環境にやさしい社会基盤を創⽣すること、さらに、社会的受容性のあるコストで社会基盤=スマートコミュニティを実現することを目指して活動しています。V2X通信の5.9GHz帯への割り当てが推進される中、将来の交通社会やモビリティ向上に向け、V2X通信の研究開発を開始しています。
■内容
今回取得した5.9GHz帯V2X通信用の実験試験局免許を活用し、当社の平塚事業所内で通信試験を始めとした研究開発を行います。V2X通信が実現するV2V、V2I、V2P、V2N(注2)の機能を、使う人のうれしさにつなげる技術の研究開発を推進しています。さらに、当社がこれまで培ってきたFTTHを始めとする光通信システムの領域と、V2X通信を融合させることでV2X通信の付加価値を向上させ、モビリティ・インフラ領域において新技術を創出していきます。そして、これらを基盤とした「次世代のインフラ」を提案し、社会実装を行うことで、社会基盤の発展に貢献します。
<開発中のRSU(注3)試作機>
<新技術・融合技術創出のイメージ>
注1 V2X(Vehicle to everything):クルマと何かとの接続・相互連携を総称するコネクティッド技術
注2 V2V:Vehicle to Vehicle(車車間通信)
V2I:Vehicle to Infrastructure(路車間通信)
V2P:Vehicle to Pedestrian(歩行者車間通信)
V2N:Vehicle to Network(ネットワーク車間通信)
注3 RSU(Road Side Unit):インフラ側に設置される路側機
■古河電工 インキュベーター統括部 次世代インフラ創生センター
古河電工グループ ビジョン2030を具現化するため、情報・エネルギー・モビリティが融合した「次世代のインフラ」を考案して社会実装を目指す組織
https://www.furukawa.co.jp/rd/profile/incubator/infra.html
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。