新日鉄住金 世界初 LNGタンク用7%ニッケル鋼板を開発・実用化

新日鐵住金株式会社

-LNGタンク用鋼板として半世紀ぶりの技術革新-
-世界最大規模のLNGタンクに採用-

新日鐵住金株式会社(会長兼CEO 宗岡正二)が開発した「LNGタンク用7%ニッケル鋼板」が、現在、建設が進められている世界最大規模のLNGタンクに採用されています。 7%ニッケル鋼板はLNGタンク用鋼板としては約半世紀ぶりの新規格となる製品であり、開発・実用化は世界初です。 1.半世紀ぶりの技術革新 LNGは約-162℃の極低温で貯蔵されるため、貯蔵タンク用鋼板には低温での高い破壊安全性と強度が必要とされ、これらの要求特性に優れるニッケルを9%含む9%ニッケル鋼板が半世紀に渡り主流となってきました。 当社は高ニッケル鋼に熱加工制御技術TMCPを初めて適用しました。このTMCP技術の適用と化学成分の最適化によって鋼材組織を微細化し、ニッケル量を約20%削減しながら従来鋼と同等の高い安全性と強度を有する、省資源と高性能を両立させた新しいLNGタンク用鋼板「7%ニッケル鋼板」を世界で初めて開発しました。 2.世界最大規模のタンクに採用 当社は、7%ニッケル鋼板の実用化に向け、LNGタンク技術で国内外をリードしてきた大阪ガス株式会社及びタンクファブリケーターのトーヨーカネツ株式会社と共同研究を行い、2010年度に経済産業省より、7%ニッケル鋼板がガス工作物の技術基準に適合するとともに9%ニッケル鋼板と同等性能を有していると評価されました。これにより、大阪ガス株式会社の泉北第一工場(堺市)の5号タンクに7%ニッケル鋼板が採用されました。 泉北第一工場5号タンクは、内容量230,000m3の世界最大級のLNGタンクです。タンクの建設は2012年9月に始まり、完成は2015年の予定です。泉北5号タンクには7%ニッケル鋼板が最大板厚約50mmを含む約3,800トンが使用されます。 3.日本ガス協会技術大賞を受賞 当社は、7%ニッケル鋼板の開発・実用化が一般社団法人日本ガス協会より評価され、2013年度の「技術大賞」を、鉄鋼メーカーとして初めて受賞しました。 (トーヨーカネツ株式会社と共同受賞。表彰式は6月13日) 4.今後の展開 7%ニッケル鋼板は、2013年3月に日本工業規格(JIS)を取得しました。また、海外規格においても2013年6月にASME規格を取得し、今後、ASTM規格も取得する予定など、新製品の普及に必要となる規格化を着々と進めています。 クリーンエネルギーとして従来から注目されている天然ガスは、採掘での技術革新(シェールガス革命)もあり、今後、生産・需要が大きく拡大することが見込まれています。天然ガスを効率的に輸送し貯蔵するには液化が必要であり、LNGの輸送・貯蔵に関する鋼材需要の増加も見込まれます。 当社は、泉北第一工場5号タンクでの採用を踏まえ、7%ニッケル鋼板の国内外の新設LNGタンクへの展開を進め、拡大するLNG需要に対応していきます。 (お問い合わせ先)広報センター TEL:03-6867-2135 以 上

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