芝浦工業大学 神経の硬さが高齢者の関節の柔軟性と関連することを発見 -- 年齢に応じた柔軟トレーニング開発への活用に期待 --

芝浦工業大学

芝浦工業大学(東京都港区/学長:村上雅人)ポスドク研究員平田浩祐とシステム理工学部生命科学科4年山寺凌輔、同学科准教授赤木亮太の研究チームは、神経の硬さが高齢者の足首の柔軟性と関連し、若年者の柔軟性とは関連しないことを発見しました。柔軟性低下の原因が年齢によって異なることが明らかになり、年齢別にトレーニング方法を開発する必要性が示唆されました。 人間は加齢とともに関節の柔軟性が低下し、身体バランスを崩し転倒することで、生活の質の低下を招きます。しかし今後、年齢別のトレーニング法を開発することで、健康寿命を伸ばすことが期待できます。 ■ポイント ○高齢者の足首の柔軟性は、神経の硬さと関連 ○高齢者と若年者では、柔軟性と関連する組織が異なることを発見 ○柔軟性向上には、年齢毎に効果的なトレーニング内容が異なる可能性を示唆 ■研究概要  高齢者のけがや転倒のリスク低減には、関節の柔軟性(可動域)に影響を与える要因を明確にし、身体能力を向上させるトレーニングの開発が重要です。これまでの研究から、骨格筋の硬さが関節の可動域に影響を与えることが知られています。しかし、高齢者は若年者より筋肉が軟らかい傾向にあり、高齢者の柔軟性低下の要因は曖昧でした。柔軟性に影響を与えている筋組織以外の組織の選別や、年齢による違いを明確にすべく実証実験を行いました。  研究チームは、若年者(22歳前後)と高齢者(72歳前後)を対象に、足首を回転させ、可動域を確認。下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)、坐骨神経(脚の主な神経)、深部筋膜のせん断波速度を硬さの指標として、超音波せん断波エラストグラフィで評価しました。実験の結果、若年者の筋肉の硬さが増加すると関節の可動域が狭まり、高齢者にはこの相関関係は見られませんでした。反対に神経が硬くなると関節の可動域が狭まったのは、高齢者のみでした。 ■論文情報 ・著者:  芝浦工業大学 理工学研究科 ポスドク研究員  平田浩祐  芝浦工業大学 システム理工学部生命科学科4年(当時) 山寺凌輔  芝浦工業大学 システム理工学部生命科学科 准教授 赤木亮太 ・論文名:Associations between Range of Motion and Tissue Stiffness in Young and Older People ・掲載誌:Medicine & Science in Sports & Exercise ・DOI: 10.1249/MSS.0000000000002360 ■研究助成  本研究はJSPS科研費(18J00400)の助成を受けたものです。 ▼本件に関する問い合わせ先 芝浦工業大学 経営企画部企画広報課 担当:柴田 住所:〒108-8548 東京都港区芝浦3-9-14 TEL:03-6722-2900 メール:koho@ow.shibaura-it.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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