フェリス女学院大学の学生が百人一首をモチーフに考案した給食メニューを横浜市内の小学校で提供 --「全学教養教育機構(CLA)」プロジェクト演習の一環 フェリス女学院大学 2020年11月02日 08:05 フェリス女学院大学(神奈川県横浜市 学長:荒井真)の学生がこのたび、横浜市内の小学校で提供される給食のメニュー開発に携わった。これは、「プロジェクト演習」の科目の一つとして行われた取り組みで、両校との協定に基づくもの。学生たちは百人一首をモチーフとしてメニューを開発。横浜市立北方小学校では10月29日(木)に、横浜市立緑園東小学校では11月25日(水)、30日(月)に提供される。 フェリス女学院大学は2017年4月から実践型教養教育「全学教養教育機構(CLA)」を展開。翌2018年4月には、実社会で求められる課題解決力を実践的に学ぶ「プロジェクト演習」をスタートしている。 そのうちの一つ「若者による文化の創造と発信」では今年度、横浜市内小学校の学校給食に『百人一首』をモチーフにしたメニューを提案するという課題に取り組んだ。 参加した14名の学生たちは日本語日本文学科の谷知子教授の指導のもと、横浜市立北方小学校および横浜市立緑園東小学校で提供するメニューを開発。オンラインでのグループワークを中心として和歌の選定やコンセプトの立案、ちらし制作、校内放送の原稿の作成、英語解説の企画の提案などに取り組んだ。その後、各小学校の栄養教諭・学校栄養職員からのフィードバックや学生同士での討議を重ね、完成に至った。 学生たちは、百人一首32番「山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり」(春道列樹)にちなんだ「もみじる」(もみじ麩のすまし汁)や、17番「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」(在原業平朝臣)に由来する竜田揚げを小学校に提案。いずれのメニューも、和歌や古典文学特有の「見立て」やことば遊びを取り入れながら、栗やもみじなどを添え、秋を感じさせるデザインとなっている。 それぞれのメニューは、横浜市立北方小学校では10月29日(木)に、横浜市立緑園東小学校では11月25日(水)、30日(月)に提供される。 ■横浜市立北方小学校メニュー ・10月29日(木) 五目栗ごはん、牛乳、鶏肉のたつたあげ、もみじる(もみじ麩のすまし汁) 「もみじる」(もみじ麩のすまし汁)は、百人一首32番「山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり」(春道列樹)をモチーフとし、歌中の紅葉を「もみじ麩」に見立て、川に流れる葉を野菜で表現。「もみじる」というメニュー名は、「もみじ+汁」を縮め、呼びやすい名称に工夫している。「鶏肉の竜田揚げ」は、アニメや映画で有名な、百人一首17番「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」(在原業平朝臣)の「竜田川」に由来していることを、子どもたちに伝える。 ■横浜市立緑園東小学校メニュー ・11月25日(水) 麦ごはん、牛乳、秋味ごはんの具、煮びたし、たまごの汁物 ・11月30日(月) 麦ごはん、牛乳、魚の竜田揚げ、ぶどう豆、沢煮椀(人参のもみじの型ぬき入り) 11月25日(水)の「たまごの汁物」は、百人一首79番「秋風にたなびく雲の絶え間よりもれ出づる月の影のさやけさ」(左京大夫顕輔)をモチーフとし、夜空と雲の合間から見える月をイメージ。11月30日(月)の「魚の竜田揚げ」は、前述の「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」をモチーフにしている。 ※両小学校のメニューはいずれも、横浜市立中学校での配達弁当「ハマ弁」でも提供を予定している。 ■文学部日本語日本文学科 谷知子教授のコメント 2020年度、横浜市教育委員会に依頼し、横浜市立小学校二校の学校給食に『百人一首』をモチーフにしたメニューを考案、提案しました。小学生が対象なので、子どもたちの視点に立つこと、学校給食という場を考慮することなど、多くのことを学びながら、完成させました。採択されたメニューそれぞれに、ちらし、校内放送の原稿、英語解説も作成し、提供しています。 百人一首の和歌を食で表現するという課題には、正解はありません。柔軟な発想、豊かな創造力が求められます。新型コロナ感染で世界中が未曾有の事態に直面している現在、正解が見えない状況においても、より良い未来を切り拓いてゆく力が今まで以上に求められていると実感しております。生徒さんたち、学生たちが、百人一首を通じて、こうした創造力、自由な発想、さらには日本のことばの美しさ、食の豊かさと楽しさを深く学んでくれたら、これ以上の喜びはありません。 ■「プロジェクト演習」 履修学生のコメント ○仲間と協力しながら全く新しいものを一から作り上げる経験ができました。給食を食べる子どもたち、学校給食調理員の方々、学校の先生方、保護者と、さまざまな立場のニーズを考え、美味しいだけでなく、安全で実現可能なメニューであること、百人一首とリンクしていることなどの条件を考えながら、考案しました。(文学部英語英米文学科 Y・N) ○この授業を通じて、目標設定・発表・創作表現・グループワークの方法を学び、身につけることができました。グループ内で役割分担をし、持ち味を生かしながら、全員が協力して、力を発揮できたこと、給食メニュー・メニュー名を数多く考案し、プレゼンテーションに持っていったことは、大きな自信につながりました。(文学部日本語日本文学科 A・S) ○この授業では、本当にさまざまな経験をしました。小学生の視点で物事を考えることは初めてでしたし、自主的に案を出し、大勢の前でプレゼンテーションをすることも初めての経験でした。自分たちが考えたメニュー案が具現化するのも大きな喜びです。今回の経験を踏まえてこれからも頑張りたいと思います。(文学部コミュニケーション学科 M・F) ○他者の考えを重んじ、意見を調整しながら、物事を進める貴重な経験をしました。子どもたちの健康や今後の学習に役立ててもらうことを願いつつ、メニューを考えました。私たちの考えたメニューをきっかけに、百人一首や、日本の文化に興味を持ってもらえたら、嬉しいです。(国際交流学部国際交流学科 R・F) ▼本件に関する問い合わせ先 企画・広報課 植村・粟原・敦賀 住所:〒245-8650 横浜市泉区緑園4-5-3 TEL:045-812-9624 FAX:045-812-8395 メール:kikaku@ferris.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
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